【業界研究】クレジットカード業界の現状・動向・課題について
クレジットカード業界の現状
学生の皆さんの中にもクレジットカードを使っている方はたくさんいると思います。いろいろな会社のクレジットカードがあるのですが、それらの会社が構成しているのがクレジットカード業界です。では、クレジットカード業界の過去の推移を見てみましょう。
平成17年から平成19年までは市場規模は増加していました。しかし、それ以降は減少に転じ、平成20年以降にまた徐々に増加しつつあります。
いろいろと変化の激しいクレジットカード業界ですが、そのキーポイントになるのは法律の改正です。平成22年6月に改正賃金業法が完全施行されました。借り手の年収の3分の1を上限とする与信規模の規制も大きな影響になりました。
リーマンショックをはじめとした経済の不況も加わり、クレジットカード業界は厳しい局面を迎えていたこともあります。しかし、不況の波を乗り越えたあと、国内の消費は回復の傾向を見せてきました。
平成25年以降はインターネット通販のクレジット決済の拡大に伴って業界規模は増加に転じていきます。また業界再編が活発化しメガバンクの集約などに伴い、クレジットカード業界内には新しい可能性がうまれつつあります。
これからもクレジットカード業界においてはメガバンクの存在感が一層重視されることになるでしょう。それに伴って業界の再編や淘汰は、引き続き起きていくものだと予想されます。
現状1:基本情報
クレジットカード業界の業界研究には、メガバンクの動向を研究することが大切です。
まず、平成19年4月に行われた三菱UFJフィナンシャルグループの指導によるUFJニコスとDCカードの合併です。
これによって誕生したのが三菱UFJニコスです。三菱UFJフィナンシャルグループの完全子会社となったことで、上場も廃止になりました。
また、平成19年4月にはセントラルファイナンスが三井住友フィナンシャルグループになりました。
また、セントラルファイナンスとオーエムシーカードは三井住友フィナンシャルグループの信販会社として知られているクオークと平成21年4月に合併しています。それによって誕生したのが新会社のセディナです。
また、三井グループの動向としてまとめますと、平成20年10月に三井住友FGがSMFGカード&クレジットを設立しています。
ほかにもみずほフィナンシャルグループが合併とはいかないまでもクレディセゾンやオリエントコーポレーション、UCカードとの関係を強化する戦略を取るなど、様々な動きが展開されています。
下記にクレジットカード業界12社を対象に調査して割り出した業界情報を記載しますので、ぜひ業界研究の参考にしてください。
- 業界規模:1兆5,935億円
- 労働者数:16,453人
- 平均年齢:40.6歳
- 平均勤続年数:13.7年
- 平均年収:614万円
現状2:業界シェア上位3位
営業利益は2860億円。イオンカードに代表される国内でもクラスの規模と知名度を誇るクレジットカード会社です。「イオン」と聞くとショッピングモールを想像する人が多いと思いますが、信販会社としても「イオン」の名前は全国で有名で、加入している人たちの数も安定的な推移を残し続けています。
イオンというショッピングモールとの連動は、新規加入者の獲得を効率的に推進する有効な戦略として、クレジットカード業界でも成功例として認識されています。