イラストレーターの仕事場・種類・つらい点・初心者でもできるか
フリーランスのイラストレーターの仕事の取り方は?
イラストレーターとは、小説本や実用書、雑誌などの表紙からさし絵、ポスター、CDカバー、お菓子のパッケージ、WEBサイトで使われるイラスト素材など、色々な媒体にイラストを描く仕事です。
イラストレーターは、豊かな感性と自由な想像力を働かせて絵を描く夢のある仕事ですが、この仕事で食べていくとなると生易しいことではありません。イラストレーターのほとんどはフリーランスで、自分で仕事を取らないといけないからです。
イラストを見るのも描くのも好きで、イラストレーターの仕事に興味があるけど、どうすればイラストレーターになれるのだろうとわからない人の方が多いでしょう。イラストレーターはどうやって仕事を取るのか、どんなスキルが必要なのか、イラストレーターの現状について紹介していきます。
依頼を受けるためには
自分の腕だめしにコンテストや公募などに出品してみましょう。作品を多くの人に見てもらうことで、客観的になり、自分のレベルを知ることができます。
自分のホームページやブログに作品を載せて、アピールする方法も営業活動の一つです。多くの人にイラストを見てもらうことができ、最近の編集者やデザイナーは、ネット上でイラストレーターを探しているので、目にとまる可能性があります。
ホームページやブログは有効な営業ツールとなるので、ネット環境を整えましょう。またメールは仕事上の連絡やラフのやり取り、データ納品などに不可欠です。
営業活動
友人や知人などに声をかけ、紹介などで人脈を広げてゆき、飲食店などにチラシのイラストを描くなど、小さくても仕事を請け負うことからコツコツとやっていく人もいます。またネット上の登録サイトを利用して、仕事を獲得する方法もあり、登録しているイラストレーターは多いです。
他には、作品を描きためて個展を開いたり、雑貨ショップなどの店やネットで販売するなど、アーティストのように活動するイラストレーターもいます。
イラストレーターの仕事場は?
イラストレーターは個性ある職業なので、仕事場も取り扱う画材やスタイルによってそれぞれ違います。デザインソフトなどのデジタルツールだけで描く人もいれば、水彩絵具だけの人、あるいは水彩やアクリルの手描きと、デザインソフト両方を画材に使う人などみなそれぞれ違います。
在宅
あるイラストレーターの仕事場は、作業に必要なものにすぐ手が届くように、自分なりの工夫をしていて、スチールラックにiMacパソコンを設置して、その上に色鉛筆や絵筆などのペン立て、横にはFAXをおきましょう。
スチールラックの前にデスクを据えて、ガラスデスクの上にはタブレットを置き、卓上スタンドライトを取り付け、さらにガラスデスクのそばにボックスを置いて、その中にパステル、インク、水彩絵具、筆記用具などを入れておき、作業している時に、使用したい画材道具をすぐひき出せるようにします。
イラストの仕事で求められるフォトショップの技術は?
フォトショップは、イラストを描く仕事には、必ず身に付けなければならない画像編集処理ソフトウェアです。印刷時も出版の段階でもデジタル化されている現在、修正してほしいと作品を戻されたとき、手描きでは難しい場合でも、フォトショップでは難なく対処できます。
たとえば作品全体の色味を明るくしたい時は、明るさや色、コントラストなどを補正する機能を使い、また不要な部分を取り除きたいという時は、「修復ブラシツール」や「パッチツール」という機能で簡単に消去できます。
フォトショップの魅力
フォトショップ関連の技法書はたくさん販売されているので、まずは初心者用で説明文がわかりやすいものから初めてみるといいでしょう。フォトショップのグラフィックソフトを既に購入しているなら、本を見ながら操作してみましょう。
フォトショップは、画像の補正、加工などイラストに幅広く応用できますが、同じグラフィックソフトに、ロゴやマークなど作成できるイラストレーターというソフトがあります。これもできれば学んでおいてほしいソフトで、フォトショップと機能などが似ていて、併用して練習しても無理なく覚えられるでしょう。
イラストレーターの仕事の種類と内容は?
イラストレーターの仕事は、みなそれぞれ請け負う仕事がちがいます。リアルな動物や植物を描くベテランのイラストレーターは、雑誌などに野生動物のいる風景などを描いています。
またあるプロのイラストレーターは、水彩や、ペンで描いた墨一色の雑誌のさし絵、コンピュータグラフィックで描いたWEB用のイラストなど多くの画材を使いこなすなど、任せられる仕事はみなそれぞれです。
イラストの仕事
イラストの仕事には、小説や児童書の装画、絵本、生活実用書や学習書表紙、本文のイラスト、カット、マンガ(コミックイラスト)、カレンダー、ポスター、パンフレット、会報のイラスト制作、WEB用のイラスト制作、年賀状などの素材イラストなど媒体は多くの種類があります。
児童書や小説の装画を主に描く人、絵本やさし絵に力を入れている人、フォトショップなどのコンピュータグラフィックでWEB用のイラストや、携帯やカードゲームのイラスト制作、ロゴやマークなどを得意とする人など、イラストレーターの仕事は色々あります。
イラストの仕事の流れ
フォトショップとペインターというソフトを使うイラストレーターの場合、下絵を手描きで仕上げて、スキャンしてパソコンに取り込みます。修正や彩色を繰り返して完成させ、データを納品して完了です。
写実的な景色や物を得意とするイラストレーターの仕事は、イラスト10点の依頼を受けて資料を送ってもらい、数日でラフを提出し、その約1週間後にデータ納品とかなり忙しい期日をこなしています。
かわいい絵本やさし絵を描くあるイラストレーターは、ラフで1週間、納品に1週間くらいかかるということです。
イラストレーターの仕事の給料の相場は?
イラストレーターの給料の年収相場は平均400~500万ほどです。イラストの単価は、クライアント企業の規模や、出版物か広告かなどによって大きく違ってきます。出版社からの単行本、雑誌の仕事は各社の規定があります。
デザイン会社や広告代理店、ゲーム制作会社などの場合、クライアントの規模や、全体の予算で料金は変わってくるので、アルバイトの時給以下になるような、あまりにも安い仕事なら大量に受けないようにしましょう。
初めのうちは少し安くても引き受けるのもいいでしょうが、いつまでもその状態だと身動き取れなくなるので、極端に安い仕事はやめる、具体例を出してギャラ交渉して考えてもらうなどするようにしましょう。
イラストレーターの仕事のつらい点は?
多くのイラストレーターがつらく感じている点は、将来性や収入が不安定、単価が低い、クライアントから、簡単で楽な仕事のように見られるなど切実な声が聞こえてきます。イラストレーターは職業としての地位や社会的信用が低いのが現状です。
また健康面でも問題点がでてきます。徹夜など生活が不規則になりがち、1日中座り仕事で運動不足、肩こり、腰痛、パソコンに長いこと向かっているので目が疲れやすく、視力が低下してしまうなどです。健康管理と体力つくりがフリーとして働く上で大事なことです。
クライアントの求めるものに答えていけるか、絵の質を高めスピードを上げられるかなど、イラストの仕事自体の悩みとなっています。自分の描く絵のスタイルの模索、違ったものを求められるジレンマなどクリエイティブな仕事ならではの悩みといえます。
初心者でもイラストレーターの仕事はできるの?
実質仕事として成り立ってなくても、自らイラストレーターと周囲に名乗って全くかまいません。実際にまだイラストレーターの活動をしていなくても、周りに伝えて認識してもらうことで、仕事の紹介が来ることなどにつながっていきます。
イラストレーターと名乗って、自分なりのタイミングで営業活動をしても大丈夫です。
イラストレーターの仕事登録サイトは?
クラウドソーシングという、仕事を探している人と仕事を依頼したい企業などを、ネット上でマッチングする仕事登録サイトで、具体的にはクラウドワークスやランサーズ、SOHOじんざい市場などです。
クラウドワークスは、雇用契約を交わさない不特定多数の人々に仕事を委託することで、ネットを通じて仕事を探せるので、直接企業などを訪問営業するよりも、時間や費用をかけずに済みます。
多くの仕事の依頼が集中していて、内容も小さなものから大きいなものまであり、金額設定や業務内容も企業や団体などによりさまざまです。システム手数料は取られますが、時間など自分の都合に合わせて選べるので、まずは小さな仕事を受けて実積を増やしていけるのでおすすめします。
イラストレーターは自由で楽しい仕事
イラストレーターの仕事はバブル期やそれ以前の昔に比べると、現在の方が厳しい状況です。若い方でこの道を目指そうという人はかなりの覚悟が必要でしょう。
それでもプロのイラストレーターたちは、この仕事をするようになってうれしいこと、よかったことなど述べています。
好きなことをしてお金がもらえる、自分の描いたイラストが世に出て名前がのる、時間を自由に使える、自分独自の表現で収入を得られる、仕事をやればやるほど収入がアップしていく、仕事をやり終えた後の達成感、好きな絵を描いているときが楽しい、クライアントに褒められたときなど喜びや充実感がたくさんあります。
イラストレーターは5~10年ほどはまだ安定せず、やめてしまおうかと悩む時期もありますが、スキルとともに収入が上がっていくので、粘り強くあきらめないことが大事です。