介護の仕事の種類・介護と仕事を両立させる方法・仕事の探し方
介護の仕事の種類
介護の仕事は現場で直接利用者と関わる仕事からケアプランに基づいて介護計画を作成する仕事など、いろいろあります。ここでは介護の仕事の種類について説明します。
1,介護士(介護福祉士)
現場で利用者に関わり、食事、排泄、入浴のサービスを提供する職種です。介護福祉士は国家資格であり、介護施設での介護職の中心的存在であり、利用者の訴えなどを傾聴し、適切なアドバイスなどを提供することができ、看護師などと連携してサービスを提供できます。
2,介護士(ホームヘルパー)
現場で利用者に関わり、食事、排泄、入浴のサービスを提供する職種です。ホームヘルパーは在宅での活動が主で、在宅の利用者にサービスを提供を行います。
3,生活相談員
施設での利用者に対する相談業務を中心に利用者の生活内容を検討し、介護職や看護職などと一緒にサービスを提供します。
4,介護支援専門員(ケアマネージャー)
介護保険法に基づき、施設でのケアプランの作成をし、介護職や看護職とともにケアプランを実行に移す役割りをします。
介護と仕事を両立させる方法
在宅で介護をしている家庭では、仕事ができない場合が多く、働いていても介護のために離職する場合もあります。これらは「介護離職」として社会問題にもなっています。現状の日本の労働環境では介護と仕事は両立できないと言われていますが、介護保険におけるサービス利用をすれば、可能な場合もあります。
その一つが「ホームヘルパー」の利用です。ホームヘルパーを使えば、在宅でケアサービスを利用できます。市役所などに申し込んでサービスを利用できるようになれば、週何回か1時間単位で在宅にホームヘルパーが派遣され、食事、排泄、入浴、掃除などのサービスが受けられます。
その他のサービスでは、利用者を一時的に特別養護老人ホームなどに預ける、「ショートスティ」や、日帰りでサービスを提供する、「ディサービス」、これらを複合で提供する、「小規模多機能施設」もあります。
施設サービスでは特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどの入所があります。このサービスは入所扱いとなるので、家族は仕事を続けることができるようになります。
サービスを市役所などに申し込む際に、自宅の状況を説明することで適切なサービスを受けることができるので、家族は仕事を続ける可能性が出てきます。
介護の仕事の探し方

介護の仕事は人材不足なので、ハローワークや新聞の折り込みで探すことができます。しかし仕事は楽ではなく、またほとんどの職場で24時間365日の変則勤務で、また夜勤もありますので、家族の理解が得られない場合は働くことは難しいです。
日勤だけのディサービスもありますが、給与が安い場合が多いです。またホームヘルパーも介護保険での単価が低いので、給与が安いですし、夜間体制の事業所の場合は夜間も働くことになります。
介護の仕事は人材不足ですが、賃金面でも安いという問題があります。正規職員でも給料が安く、生活ができない場合もあります。介護の仕事を探す場合は、ハローワークで相談した上で実際に事業所に行って、可能なら賃金面の話をした方が、入職した後に後悔はしません。
介護の仕事は大変なのか
介護の仕事は3K(辛い、きつい、きたない)と言われています。本当にそんな仕事でしょうか。ここでは介護の仕事内容について考えてみます。
辛い
どんな仕事も「辛い」と思う時はあります。介護の仕事は人間相手の仕事です。人間関係の仕事は相手と意思の疎通が取れなければ成立しません。介護の仕事での「辛い」は利用者との意思の疎通が取れなくて「辛くなる」こともあるということです。
また介護の仕事は人間の移動などが中心になることが多く、体にも多くのダメージを受ける場合があります。時には腰痛や筋肉痛になる場合もあります。体の痛みがあると「辛い」と思う時もあります。
きつい
介護の仕事は時間との闘いです。業務時間内に仕事をこなさなければなりません。どこの施設も人員不足の中での仕事なので、自分の能力以上の業務をこなさなければならない時もありますので、「きつい」と感じる時もあります。
また利用者の移動、移乗や入浴、排泄介助などの体を使う業務が多く、体力を限界まで使う場合もあります。そんな時にも「きつい」と感じる時もあります。
汚い
介護の仕事は利用者の排泄を介助する場面があります。時には尿を、時には便を処理しなければなりません。また失禁して衣類を汚す利用者もいるので、その後始末もしなければなりません。感染症になる恐れもあります。
そんな環境を「汚い」と表現する場合もあります。人間相手の仕事でも幼児を扱っていれば量も少ないですが、大人の場合は量も多いですし、下痢便などの排泄は汚染率も高くなりますし、認知症の利用者などの行動などで汚染物を扱うこともあります。
介護で仕事を辞めたい場合
介護の仕事は離職率が高く、求人は常に出ている状態です。しかし体力、気力とも限界に達した場合に離職を考えることは仕方ないです。ここでは介護で仕事を辞めたいと感じた時の対応を考えてみます。
辞めたい理由
介護の仕事で辞めたい理由は次のとおりです。
1,仕事に対して体力が続かない。
2,仕事に対して気力が続かない。
3,利用者とうまくコミュニケーションがとれない。
4,同僚とうまく仕事ができない。
5,給料が仕事の内容に対して少ない。
このように介護の仕事は多くの要因で離職につながります。ニュースなどで言われているように、賃金だけの問題ではないです。介護の人材確保は、職場環境などの改善が行われる事が大事です。
辞める方法
介護の仕事を辞める事は普通の会社と同じです。辞める日の一カ月前に退職願を出すだけです。
しかし介護福祉士や初任者研修の有資格者は引き止められる場合もあります。その際には辞める理由をはっきり言えば、続く離職者を出さないで済む場合もあります。
介護の離職は事業所だけでは改善できない場合が多く、介護保険の不足している部分を法律的な部分で改善されなければ、今後も離職者を出すことになります。
介護の仕事の給料の平均
介護の仕事は給料が安いと言われていますが、給料の平均額はいくらぐらいでしょうか。ここでは介護の仕事の給料について考えます。
介護福祉士の場合
介護福祉士は国家資格ですが、給料額は差があります。ここでは月給の平均額を下記に示します。
1,15万円未満 4%
2,15~20万円未満 40.1%
3,20~25万円未満 48.1%
4,25~30万円未満 7.2%
これら見ると、20~25万円未満の金額が一番多いです。介護福祉士の平均年収は279万円9720円、平均月収は19万9980円で、国内の100職種中49位で、平均的な給与水準です。
介護福祉士は、高齢者などを介護する仕事です。介護福祉士は、専門系の学校を卒業していなくても3年間の実務経験があれば受験できます。
介護福祉士は夜勤が月に数回程度あり、日曜祝日も出勤する場合もあって変則勤務になることが多いです。介護福祉・社会福祉の資格手当は勤務先によって優遇面に差がでますのであらかじめ確認しておくと良いでしょう。
本当は素敵な介護の仕事
メディアではひどい表現をされている介護の仕事ですが、本当にひどい仕事でしょうか。
介護の仕事は人を相手にするゆえに、悩んだりする時もありますが、「人を支える」素敵な仕事です。確かに給料は仕事の内容に比べて安い部類に入りますが、それでも国内の100職種中49位で平均的な給与水準です。
介護の仕事では利用者から感謝の言葉をかけてもらう時がありますが、その際には今まで感じたことのない感動が生まれてきます。これが介護の仕事の醍醐味です。
多くの仕事がありますが、人に心から感謝される仕事は、介護の仕事しかないでしょう。世間の風潮に流されないように、介護の仕事を働いてみれば、感じたことのない感動を味わえることでしょう。