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正しい引用の書き方と例・文中での引用の仕方・引用と参考の違い

更新日:2023年12月02日

論文やビジネス文章などあらゆる文章の執筆で活用できる「引用」の手法と基本的な考え方、例文などを分かりやすく解説します。著作権を守りながら引用を正しく活用できるようになるために、必要最低限の基本情報をお伝えしておりますので、ご活用ください。

書籍の引用例

子供の能力を伸ばすためには、そのための環境整備が非常に重要です。そこで問題になるのは、どのような能力が、子供の成功に結びついているか、ということです。「やり抜く力」で有名なアンジェラ・ダックワース教授は、自身の著書で以下のように述べています。
 
 「やり抜く力」の強い人々は、ふつうの人にくらべて、「意義のある生き方」「他の人々の役に立つ生き方」をしたい、というモチベーションが著しく高い。
(出展:「やり抜く力」アンジェラ・ダックワース著 / 神崎朗子訳 / ダイヤモンド社 / 2016年9月9日出版)
 
この言葉を深く分析すると、単なる表面的なスキルだけではなく、生きるモチベーションの根本となっている目的やビジョン、それを遂行する実行力についても、焦点を当てる必要があると気づきます。

新聞の引用

メディアの業界では、今でも、新聞が取り上げた記事を、テレビや雑誌などの他のメディアが追いかけるという現象が多く、新聞は、非常に信頼性が高い媒体であると言えます。そのため、論文でもビジネス文章でも、新聞の引用を効果的に活用することによって、より格調高く、正確性を期した内容に仕上げることができます。
  
新聞の引用に関しても、基本原則を踏襲しましょう。また、出展の書き方については、新聞社の名前だけでなく、日付も記載する必要があります。例えば、(出展:『朝日新聞』2017.11.3 朝刊)といった記載内容です。デジタル版の新聞を引用する際は、URLも添えておくと無難です。

文献の引用

文献の引用に関しても、参考文献や引用文献という欄を設け、しっかりと明記しましょう。書籍や新聞などと比べて、文献資料は著作権の観点から厳密に管理されていることが多く、さまざまな要素を引用文献情報として併記する必要があります。一般的には、下記のような要素を書くことが多いので、参考にしてください。

<参考文献の書き方>

① 著者に関する書誌要素: 著者名、 編者名 等
② 標題に関する書誌要素: 書名、 誌名、 論文標題 等
③ 出版・物理的特徴に関する書誌要素: 版表示、 出版者、 出版年、巻・ 号・ ページ、 DOI 等
④ 注記的な書誌要素: 媒体表示、 入手方法、 入手日付 等

実際に参考文献を記述するには、これらの書誌要素を原則的に
「 ① → ② → ③ → ④ 」の順に記述します。
 
<書き方の事例>

岩坂泰信. 特集, 東アジア環境共生系: 黄砂は何を運んでくるのか.
科学. 2008, vol. 78, no. 7, p. 729-735.

出典: https://jipsti.jst.go.jp/sist/pdf/SIST_booklet2011.pdf |

広辞苑の引用

広辞苑とは、岩波書店によって1955年に発刊され、時代とともに改正されてきた日本語国語辞典です。日本語の論文や資料において、語句の正確な説明が求められる際に、頻繁に引用先として利用されています。
 
一般的によく利用されている日本語であれば、わざわざ引用して解説する必要はありませんが、専門用語や、一般的な用語でありつつも定義が曖昧な語句に対して、正確な説明が必要な際に、広辞苑の引用を活用できます。
 
Wikipedia など、Web上の百科事典や国語辞典は、論文などの格式が高い資料の作成の際に利用すると、信頼性が低いと見なされることが多いため、そのような状況において広辞苑を活用すると良いでしょう。

判例の引用

一般的な資料作成では、ほとんど利用することはありませんが、法律などの専門分野においては、しばしば判例の引用が求められることがあります。また、論文の執筆においても、刑事や民事の裁判の結果を引用する必要がある内容などの場合には、判例の引用をした方が効果的です。判例引用の書き方については、下記の立命館大学図書館の公開情報を参考にすると良いでしょう。

和歌の引用

万葉集や百人一首などに収められている和歌は、日本人であれば誰でも知っているような内容も多く、文学的な論考や、歴史学の論文などでは、引用したいと考えることもあるでしょう。
 
著作権には、著作者が死亡してから50年間、あるいは、団体や無名の著作者の場合には公表してから50年間、という権利の保護期間が設けられており、この期間が切れた著作物については利用にできることになっています。つまり、和歌のように、昔に作られた著作物は、その権利に配慮することなく、自由に転載して良いということになります。

図・グラフの引用

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初回公開日:2017年12月26日

記載されている内容は2017年12月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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