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正しい引用の書き方と例・文中での引用の仕方・引用と参考の違い

更新日:2024年10月27日

論文やビジネス文章などあらゆる文章の執筆で活用できる「引用」の手法と基本的な考え方、例文などを分かりやすく解説します。著作権を守りながら引用を正しく活用できるようになるために、必要最低限の基本情報をお伝えしておりますので、ご活用ください。

これまで述べてきたとおり、引用の基本原則に基づいていれば、文章に限らず、図やグラフなどを引用することも可能です。例えば、マーケットリサーチ会社である、矢野経済研究所の調査資料は、新聞などの多くのメディアで引用されており、文章だけでなくさまざまなグラフも一緒に掲載されていることが分かります。
 
これは、メディア側の見解や主張を裏付けるデータとして、文章だけを引用するより、図やグラフも一緒に掲載した方が、読者の理解が促進されるため、引用の手法としての必然性が認められるからと言えます。

繰り返し述べているように、資料に記載内容をそのまま転記するのは引用として認められませんが、一部の情報やグラフなどを上手に引用することによって、資料の完成度を高めることに役立てると良いでしょう。

画像・写真の引用

図やグラフなどは読者の理解度を促進させるために、引用が適切であると判断できる場合が多いですが、画像や写真を引用する際には、それを使う必然性があるかどうかという観点から慎重に考える必要があります。例えば、文章の引用だけで十分に自身の主張や論考の裏付けになる場合には、わざわざ画像まで引用する必然性がないため、著作権違反を疑われる可能性があります。
 
また、特に人物が映っている写真については、肖像権とパブリシティ権という、著作権以外の2つの権利も関わってくるため、より慎重な扱いが求められます。

他人のプライバシーを侵害するような写真であったり、芸能人などの有名な人物の写真を誤って使ってしまうと、最悪の場合、民事訴訟などに発展する可能性がありますので、使って問題のない写真かどうかはしっかりと確認するようにしましょう。

引用と参考の違い

論文などのアカデミックの世界では、引用文献と参考文献において、著作権上の差異はありません。冒頭で述べたように、直接的な引用であっても、間接的に参照先の資料を要約して記載する形でも、どちらも引用の形式に当たります。
 
日本語の文脈における「参考」とは、物事を決めるために手助けする要素のことですから、より厳密に定義するのであれば、具体的な資料などの対象ではなく、その人が経験し、見聞きしたすべての要素が参考の対象に当たります。
 
ただ、実際に、論文などを執筆する際には、その論拠を示すためにさまざまな文献を参照することが必要ですから、これら具体的な参照先がある場合には、引用としての用法が必要になるということになります。

正しい引用の使い方をマスターし、信頼性の高い文章を書こう

これまで述べてきたように、引用は、正しく使えば、自身の論考や提案に対する非常に有力な根拠を示す要素となり、文章の信頼性が飛躍的に高まります。しかし、引用と盗用に近い転載の違いを明確に区別する必要があります。
 
引用を使う際は、「主従関係」「明瞭区別性」「必然性」の3つの原則をいつも思い返し、著作権で許容されている範囲を守ることを徹底しましょう。この記事で紹介した具体的な引用の例文などを参考に、ぜひこの機会に引用の使い方をマスターし、効果的な文章作成に役立ててください。

初回公開日:2017年12月26日

記載されている内容は2017年12月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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