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【部位別】鮭にいる寄生虫の種類・症状・対策|アニサキス

更新日:2023年12月20日

皆さんは、鮭に寄生虫がいる場合があるのを知っていますか。寄生している寄生虫は、人にもうつる可能性があります。鮭を食べるときに工夫することで、寄生虫症にならないようにする方法があります。ぜひ、その方法を習得して鮭を美味しく召し上がってください。

サナダムシは、別名を「日本海裂頭条虫」とも呼ばれています。そんなサナダムシの特徴を紹介します。

・色:成虫は、淡いベージュ色で、幼虫は白色をしています。

・大きさは、幼虫が体長2~3㎝になり、成虫は体長5~10mで体幅15~20mmにもなります。

・寄生場所:被嚢幼虫は、魚の背びれやアブラビレのすぐ下辺りの筋肉内に寄生します。

・特徴:サナダムシの終宿主は、人を含んだ哺乳類になります。人がサナダムシに寄生され、サナダムシが体内で成虫に成長した場合には、下痢・腹部膨満感などの軽度になりますが、消化器症状を起こします。

・寄生する主な魚介類:サナダムシが多く寄生している魚介類は、鮭や鱒です。そんな鱒の中でも、特にサクラマスに多く寄生しているといわれています。

・予防方法:サナダムシの予防法は、鮭・鱒などを生で食べないことです。高温で焼くか、冷凍処理をしてから食べましょう。

鮭の部位別にいる寄生虫

白子

鮭の白子に多く寄生している寄生虫は、「アニキサス」になります。このアニキサスの成長サイクルは、イルカやクジラなどのほ乳類に寄生し、アニキサスの卵をイルカなどの便をとおして排出します。その便にオキアミが感染し、それを食べた鮭の体内に入り成長し、その鮭を食べたイルカやクジラに感染するという成長サイクルの中で生きています。

そんなアニキサスは、感染している鮭などを食べた人間などにも感染し、感染したアニキサスの幼虫が胃や腸を食いちぎるため、数時間の潜伏期間をおいて腹部の激痛などの消化器症状を発症します。

表面

鮭の表皮には、「サケジラミ」という寄生虫が寄生していることがあります。そんなサケジラミは、外部寄生性の甲殻類になり虫体は1㎝前後の大きさの海水性寄生虫になります。そんなサケジラミを詳しく紹介します。

・寄生する魚:鮭・鱒類に寄生しており、特にアトランティックサーモン(タイセイヨウサケ)に寄生している確率が高くなっています。

・寄生する場所:主に魚の皮に寄生している寄生虫になります。サケジラミは、宿主の体表組織や粘液を摂食しており、寄生数が多いと体表に損傷や出血を起こしてしまい、酷い場合は、筋肉が露出するほどの傷になります。その傷から二次感染をしてしまうこともあります。そんなサケジラミの寄生は、鮭などにとって致命傷になり死に至ります。

・人への被害:サケジラミは、見てみつけることができるので、調理の際に取り除けますし、人間には寄生しないため食品衛生上の問題はありません。

鮭にいる寄生虫にあたったときの症状

アニキサス症

アニサキスが人の体内に入ってしまい、寄生虫にあたったときの症状を詳しく紹介します。

・潜伏時間:アニサキスが寄生していた生魚を食べた後、アニキサスがどこで症状を起こすかにより、潜伏時間が違います。「胃アニキサス症」の場合には2~8時間後、「腸アニキサス症」の場合だと、10時間以上経過してから症状が起きることが多いです。

・症状:胃アニサキス症では、激しい腹痛・悪心・嘔吐が症状になり、腸アニキサス症では、激しい腹痛は同じですが、プラスで腹膜炎の症状を起こしてしまう場合があります。胃や腸どちらのアニキサス症でも、幼虫が消化器官を食いちぎって移動するので激しい腹痛に襲われます。ただ、細菌性ではないので下痢などがないのが特徴です。

・治療法:治療法は、内視鏡をのみアニサキスの幼虫を探し除くことです。幼虫の動きが激しく内視鏡で見つけられない場合は、開腹手術で取り除く場合もあります。

アニキサスのアレルギー

アニサキスの幼虫が消化器官を食いちぎってしまうことでおこる消化器の症状を紹介しましたが、アニキサス症になった方の中で、アニキサスアレルギーになる方がいます。

アニサキスアレルギーは、生きている幼虫に対する即時型のアレルギーではなく、アルサス型のアレルギー反応になります。なので、初回の感染時は無症状ですが再感染したときに発症する可能性が強くなります。

イカ・鯖・ハマチなどを食べた場合に、発疹やじんま疹のアレルギー症状はでるが、アレルギー検査で魚介類に陽性反応がない場合には、アニサキスのアレルギーの可能性があります。

またアニサキスアレルギーの原因物質は、冷凍や加熱しても残っています。その他に、アニキサスに寄生されていた魚介類を加工した商品を食べた場合にもアレルギー症状が現れます。ただし、鮮度の低い魚介類を食べたことによるヒスタミン型の食中毒と混同している場合もあります。

予防方法

アニキサス症の予防法は、魚を丸ごと購入する場合は、魚は鮮度のいいものから購入しましょう。そして購入後には、できるだけ早く内臓を取り除きましょう。調理時には、アニサキスの幼虫がいないかしっかり目視しながら調理をし、幼虫がいた場合は取り除きましょう。ただし、アニサキスの幼虫を全て取り除くことは無理です。

そんな、アニキサスは加熱に弱く70℃の場合だと瞬時に、60℃では1分間加熱すると死滅させることができます。それ以外の方法としては、-20℃以下の冷凍処理を24時間以上することになります。この冷凍処理をすることでアニサキスの幼虫は死亡するので、この冷凍処理の方法も有効な手段になります。

一般的に、塩・酢・わさびなどアニサキスは死ぬと言い伝えられている地域もあるようですが、一般的な食事で取る量では死ぬことはありません。また、魚の内臓を生食しようとする方もいますが、危険ですのでやめてください。

その他寄生虫に罹ったときの症状

アニキサス症に罹った場合を紹介しましたが、人に寄生して害を与える寄生虫はアニキサス以外にも多種おり、総称して食品媒介寄生虫といいます。その寄生虫の中には、寄生されると重症化する場合があるので注意してください。食品媒介寄生虫に寄生された場合の大半が消化器症状が主な症状になります。

そんな食品媒介寄生虫の一般的な予防ポイントを紹介します。予防には次のような点に注意しましょう。まず、魚を触った手、調理器具、食材などはよく洗浄しましょう。そして、食品媒介寄生虫の1番の予防法は、加熱になります。食べる食品は、中心部までしっかり加熱しましょう。また、冷凍処理をすることで死滅できる種類の寄生虫もいるので、冷凍することも予防の1つです。

魚の内臓やその周辺は、食品媒介寄生虫の感染が多くなっているので、内臓の生食は絶対避けましょう。そして、魚を処理する場合は、内臓を早く取り除くことが大切です。

鮭にいる寄生虫への対策

焼く

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初回公開日:2018年02月05日

記載されている内容は2018年02月05日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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