「一陣の風」の言葉の正しい使い方・類語・例文・歌詞・俳句
更新日:2024年11月12日
「一陣の風」の類語
さまざまな場面で使われている「一陣の風」ですが、他の言葉に言い換えることはできるのでしょうか。
ご紹介していきます。
旋風を巻き起こす
世間を騒がせたり、大きな喝采や注目を浴びたりすることを、「旋風を巻き起こす」と表現します。ワイドショーやニュースなどで聞いたことがある人もいるでしょう。話題になっている事柄の後につけ「〇〇旋風」とし、流行を表す言葉としても使われています。
旋風(せんぷう)は、つむじかぜとも読みます。いずれも渦巻き状に起こる激しい風のことを指します。「〇〇旋風」とすることで、対象を中心に周りが盛り上がっている様子を表現できます。
〇今年はブルゾンちえみが旋風を巻き起こした。〇ポケモンGOのアプリが配信され、日本各地にポケモン旋風が巻き起こった。
センセーションを巻き起こす
冒頭で触れたとおり、「一陣の風」という言葉には「一番乗り」「先駆け」という意味があります。
「センセーション」とは、世間を驚かせる出来事という意味をもつ言葉です。「一陣の風」と同様、非常に勢いのある言葉といえます。また、「巻き起こす」を使うことで、まるで「センセーション」が風のように吹き荒れているようなイメージを表現できます。
〇何気ない発明がセンセーションを巻き起こし、彼は一躍時の人となった。〇いずれアイドルとなり、センセーションを巻き起こしたい。
波乱
大きな騒ぎや揉め事、変化などを、激しい波に例えて「波乱」と表現します。激しい風雨、転じて大変な出来事を表す「一陣の風」と、似ている表現と言えます。〇彼は波乱の人生を送ってきた。〇波乱万丈
怒涛
「怒涛」とは、激しく打ち寄せる大きな波のことです。一番乗りという意味はありませんが、物凄い勢いで何かが起きる時や、何かをしている時に使う言葉です。
〇怒涛の如く上司が怒っている。〇怒涛の如く雨が降る。〇仕事が怒涛の如く押し寄せてくる。〇疾風怒濤
「一陣の風」の正しい使い方
「一陣の風」は「風」ですので、後に「吹く」や「巻き起こす」「巻き起こる」とつなげるのが一般的に使われる法用です。また、「駆け抜ける」と続けることもあります。
「一陣の風」を起こしているのが自分なのか他のものであるのかによって、表現の仕方が変わります。使い分けるようにしましょう。
また、風は吹くものだという前提は周知されている事実なので、「一陣の風。」と体言止めにしても意味が伝わります。文章ではよくある表現法ですので、覚えておきましょう。
「一陣の風」を使った例文
「一陣の風」は、小説や歌詞など、さまざまなジャンルで使われる表現です。また、使われ方も一様ではなく、ニュアンスにかなり幅があります。
この記事ではその中の一部をご紹介します。それぞれの作家による「一陣の風」の使い方の違いを、ぜひ感じてください。
芥川龍之介 「金春会の「隅田川」」
下記は芥川龍之介の「金春会の「隅田川」」の一節です。ここでは「一陣の風」が、何かを予感させるものであるように書かれています。芥川は、「杜子春」や「滝」など、他の複数の作品でも「一陣の風」という表現を使用しています。どれも微妙に違うニュアンスで使われているので、読み比べてみるのも面白いでしょう。芥川にとって、「一陣の風」はお気に入りの表現だったのでしょうか。
僕は一陣の風の中に餌ものを嗅ぎつけた猟犬のやうに、かすかな戦慄の伝はるのを感じた。
出典: http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/1134_6760.html |
初回公開日:2017年11月27日
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