再発防止策の書き方・例文・テンプレート|再発防止策の必要性
更新日:2024年06月25日
再発防止策には、「原因(と思われるのも)」と「対策」をしっかりと記述しましょう。なぜなら、原因だと思ったものが共有されていない場合、対策が的外れになってしまう場合があるからです。
またその際に以下のように3段階で再発防止策を検討するようにしましょう。
1.直接的原因:その不具合が発生した直接的原因
2.その不具合に至るまでの間接的な原因
3.なぜ、このようなパターンの障害が発生したのか
このように3段階なのは、1つの障害にはその前段階で300通りのヒヤリとした事例があるという「ハインリッヒの法則」からきています。また、1つの障害にはメンバーの慣れや習慣、努力によってたまたま防ぐことができている障害などが隠れています。直接的な原因を潰すだけでは、再発防止策としては適さないケースも多いのです。
一段トラブルを引き起こした間接的な原因を探って解決していくことで、本当の再発防止策となるのです。
さらに、上記3項目以外にも以下の内容が必要です。
4.影響範囲:同様の問題が起こっても影響範囲の極小化はできないのか?
5.対応完了までの時間:同様の問題が起こっても、短い時間であるいは自動的に対応できないか?
これらの項目についても再発防止策に入れるべきかを検討することは重要です。
再発防止策の例文
ここでは、事故や不祥事が起こってしまった場合の再発防止策の例文をご紹介します。再発防止策には事の顛末や原因、状況についての説明をしっかりと書きましょう。現場で働いていた人や現場指揮官の意見での対策を記載して、今後仕事上起こりうるリスクを減らします。社内・社外向けの再発防止策の例文が以下になります。
再発防止策-社内向け
今回、B社に提出した見積もりに関しましてミスがあり、お客様ならびに社内に大変なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありませんでした。以下が発生事象とその原因になります。
<事象>
B社に提出した見積もり金額に1,000万のズレが生じた。
<原因>
見積書を作成しているエクセルシートの計算式の設定ミス。また、その結果を通常の上長までの確認を経ずに相手方に知らせてしまった。
<事象発生の経緯>
7月10日:B社への提案が完了し、見積もり送付の依頼を受ける。
7月11日:見積もり作成。上長への確認を行わずに先方へメール送付。
7月15日:先方からの確認で発覚。即日お詫びに伺う。
<結果>
大きなクレームにはならず、再度見積書を送付。
<今後の対応策>
・見積もり作成のためのフォーマットの統一
・見積もり提出前の上長等への確認体制の整備と徹底
今後は、こうしたミスを再び起こすことのないよう上記記載内容の対策など、細心の注意を払っていく所存です。二度とこのようなことのないよう本書を提出いたします。
誠に申し訳ありませんでした。
再発防止策-社外向け
今回、弊社Y誌に掲載させていただきました貴社ページにおいてミスがあり、ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。本件発生の事象、原因、今後の再発防止策に関しましてご報告申し上げます。
<発生事象>
弊社Y誌8月号の貴社ページにおいて誤ったイベント内容の情報が記載された。
<事象発生の原因>
制作担当者が記事作成した際に、誤って前月同様のイベント内容を掲載してしまったため。
<事象発生の過程>
7月10日:貴社への取材完了。制作担当者による作業に入る。その際、イベント内容においては後日情報をいただくことを確認。
7月13日:貴社からイベント情報を拝受。政策担当者は仮原稿として入稿作業を進めており、前月の内容のままとなっていた。
7月18日:本誌発売後にミスが発覚。
<再発防止策>
製作部内で入稿管理の強化を行う。具体的には、その記事のどの記載が仮原稿であるかのチェックを強化し、チェック体制の見直しも行う。
今後はこのようなミスを再び起こすことのないよう、上記記載内容の対策など細心の注意を払う所存です。二度とこのようなことのないよう本書を提出いたします。
誠に申し訳ありませんでした。
再発防止策のテンプレートがダウンロードできるサイト
再発防止策のテンプレートがダウンロードできるサイトをご紹介します。
こちらは、エクセルで作成した再発防止策のテンプレートになります。A4サイズのフリーソフト(無料)です。
再発防止策の必要性
再発防止策を書くことには、社内、社外に向けての謝罪の意味合いと二度とそのミスを起こさないという対策をまとめることでの反省の意味があります。
また、同じようなミスを将来後輩たちが起こさないようにするための文書としても会社の財産となりうるものです。そのため再発防止策は、後で見返したときに誰が見ても具体的に事象や原因、その経緯や対策内容がわかるように書かなければなりません。
相手のことを考えて、事故の原因は何か、どのように解決したのかを明記するようにしましょう。そして、今後会社に不利益をもたらすことのないように再発に細心の注意を払わなければなりません。ミスを犯してしまった場合にはただ反省するだけで終わらずに、再発防止策を書くということで、その後の会社の発展にも結びつくため必要な内容であるということをもう一度しっかりと確認しましょう。
障害の種類と障害報告について
障害には小さなものから会社にとって大きな損害となるものまで様々あります。規模の大小にかかわらず、障害が起こった場合には全て再発防止策を書くのが得策です。
また、大前提として「再発防止策は始末書や反省文ではない」ということをよく覚えておきましょう。仕方なくイヤイヤ恥ずかしい思いをしながら書くというのであれば、後にそれを参照して役に立つのでしょうか?
再発防止策は飽くまで事実と経過、対応に沿って、どんな点に今後気をつければ良いか、後輩達にも見てもらったときに一目で対応方法がわかるような文書にすべきです。
再発防止策検討のサイクル
システムなどのようにチームで仕事をしていて何かしらの障害が発生して再発防止策を検討する場合、定期的に振り返ることが大事になります。再発防止策の検討は、障害を引き起こしたチームメンバーへの糾弾とならないように配慮しましょう。
再発防止策の検討では、必ずファシリテーターを用意し、画面やホワイトボードなどに注目させて、自由闊達な雰囲気の中で行うと良いでしょう。また、この場合に良い再発防止策と悪い再発防止策を互いにチェックし合えるようにしておくと良いかもしれません。
再発防止策のセカンドオピニオン
初回公開日:2017年07月25日
記載されている内容は2017年07月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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