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【業界研究】ゲーム業界の現状・動向・課題について

ブラウン管につないだテレビゲームから始まったゲーム業界はいまやテレビゲーム、ブラウザゲーム、ポータブルゲームにスマホゲームと多種多様に広がり社会に娯楽を提供する重要な役割を果たしています。

オンラインゲームは、ウェブブラウザで提供される「ブラウザゲーム」、SNS上で提供される場合は「ソーシャルゲーム」、ストリーミング配信で提供される場合は「クラウドゲーム」というように呼ばれます。

これらはみな専用ソフトをダウンロードしなくても、ユーザーIDを登録するだけでプレイできるのが特徴であり、インターネット環境さえあれば世界中のどこでもプレイすることができます。スマートフォンが流行となった2010年代以降は、専用のアプリをダウンロードしてプレイする「アプリゲーム」という形態も出現することになりました。

ポーカーやブラックジャック、スロットといった現実のカジノと同等のプレイができる「オンラインカジノ」も広義ではオンラインゲームの一種であるといえるでしょう。なお従来の「家庭用ゲーム」の中にも、ゲームの成績を世界中のプレーヤーと比較しで表示する形式のものがありますがこれらは「オンラインゲーム」ではなく「オンライン対応」と呼ぶのが一般的です。

現在主流となっているオンラインゲームですが、意外とその歴史は古く1997年の「ウルティマオンライン」が商業的に成功して以降、オンラインゲームは普及し続け「クロスファイア」「League of Legends」「World of Tanks」などが世界で最も成功したオンラインゲームとして世界中に100万人単位のユーザーを擁しています。

日本ではいまだ発展途上であるものの、海外ではeSports(electronic sports)としてコンピュータゲームの競技が盛んで世界規模の大会では非常に高額な賞金がかけられ、プロ選手含めて5500万人程度の競技人口であると推定されているほどです。

米国では「League of Legends」や「スタークラフト2」などはプロフェッショナルスポーツと認定されてアスリートビザも発行されています。

出現時期でゲームを並べてみるとまず初めに登場したのが「家庭用ゲーム」でした。そして20世紀の終わりごろに「ブラウザゲーム」という形から「オンラインゲーム」が登場して、やがてSNSの登場から新たに「ソーシャルゲーム」が誕生しました。

国内において「釣り★スタ」(グリー)や「怪盗ロワイヤルシリーズ」(DeNA)のようにソーシャルゲームは流行しましたがやがて、フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が進む中でSNSプラットフォームを通さずにApp StoreやGoogle Playを介して直接配信するタイプの「アプリゲーム」が一般的となったことで現在は下火となっています。

スマートフォンに専用アプリをダウンロードしてプレイする「アプリゲーム」のビジネスモデルは課金を中心としていますのでオンラインゲームの系譜にあるとみてよいでしょう(多人数プレイ型のオンラインゲームもあれば、単なるオンライン対応アプリゲーム、オンライン非対応アプリゲームと種類は様々です)。

国内におけるアプリゲームの成功例としては2012年にガンホー・オンライン・エンターテイメントが出した「パズル&ドラゴンズ」が挙げられるでしょう。

発表と同時にを博し、無課金でプレイできるにも関わらず2012年の国内App Storeアプリ内課金売り上げ1位、世界Google Play売り上げ1位を記録するほどの収益性の高さを見せつけ、2012年のガンホーの売上高は前年比2.7倍、経常利益が前年比6倍と「アプリゲーム」市場の可能性をゲーム業界に突きつけることとなったのです。

動向2:業界の課題

「スーパーマリオ」シリーズを始めとして「ポケットモンスターシリーズ」、「ドラゴンクエストシリーズ」、「ファイナルファンタジーシリーズ」など日本のゲームは海外ユーザーからも広く愛好されています。

「日本と言えばゲーム」と答える外国人も少なくはないでしょう。しかし、今挙げたようなコンテンツはみな家庭用ゲーム機時代に生み出されたものです。オンラインゲーム全盛時代の今、日本は海外のゲームに比べるとユーザー獲得能力は高いとは言えない状況にあります。

「RPG」の分野では日本に一日の長があるものの、現在海外で主流の「FPS」は日本企業は苦手だとの声もあります。家庭用ゲーム機だけではなく、オンラインゲームの世界的ヒットが望まれているのです。

また、北米市場、ヨーロッパ市場以外の市場展開がこれまではおざなりにされがちでしたが、中国・韓国といったアジア諸国のゲームユーザー人口の増大は目を見張るものがあります。アジア市場への展開と現地企業との協業・競合がこれからはカギとなりそうです。

先ほど少し述べましたがソーシャルゲームの「ガチャ課金」に代表される「課金制度」の中には詐欺同然のものもあり社会問題となっています。任天堂のように「ガチャ課金」のようなビジネスモデルは採らないと明言する大手企業まであるほどです。

ユーザーから搾り取れるだけ短期間で収益を上げる、という安易な高額課金はソーシャルゲーム業界自体を衰退させかねない危険なものです。海外展開を考える上でもメリットも何もありません。現状の異常な課金制度を改める必要があるでしょう。

国内の少子高齢化に従って国内ゲーム人口の平均年齢も上昇気味の傾向となっています。若年層ユーザーの取り込みを図るか、海外市場にユーザーを求めるか、資金力がある既存ユーザー向けハイエンド商品を出すか、各メーカーによって戦略の軸はさまざまでしょう。

一つ言えることは市場規模はともかく市場人口自体は縮小し、高齢化しつつあるのが日本市場だということです。

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