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【業界研究】繊維業界の現状・動向・課題について

繊維産業は、明治時代の初期に富国強兵策の一環として綿の生産が奨励されたことを発端としています。

業界の現状

繊維業界の歴史

繊維産業は、明治時代の初期に富国強兵策の一環として綿の生産が奨励されたことを発端としています。

その後、レーヨン(人造絹糸)製造を主体としながらも、繊維各社が海外のデュポン社などから積極的に技術導入をしたこともあり、1940年代の高度経済成長期のはじめまで生産・輸出・雇用のすべてにわたって重要な地位を占め、日本の工業化を大きくリードしました。

現在、繊維業界は、高度経済成長の終焉から続く長い衰退期のなかにありますが、その長い歴史によって培われた技術は建築、自動車、医療、ITなどに応用され、毎日の生活になくてはならないものとなっています。

繊維の種類

糸を織ったり編んだりする技術は人類の歴史とともに発展してきました。その原料である繊維は天然繊維と化学繊維に分類することができます。

天然繊維とは、自然界にすでに繊維の状態で存在し、古来から人類に使われてきた繊維のことで、植物(セルロース)繊維、動物繊維に分けられます。


  • 植物(セルロース)繊維:綿、亜麻(リネン)、苧麻(ラミー)

  • 動物繊維:羊毛、カシミヤ、モヘア、らくだ、絹、羽毛、ダウン、フェザー

化学繊維とは、人間が化学的な方法を用いて人工的に作り出した繊維のことで、再生セルロース繊維、半合成繊維、合成繊維、高性能繊維、無機繊維の5つに分けられます。


  • 再生セルロース繊維:レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リオセル

  • 半合成繊維:アセテート、トリアセテート、プロミックス

  • 合成繊維:ナイロン、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン

  • 高性能繊維:アラミド、ポリアリレート、超強力ポリエチレン、ポリアセタール

  • 無機繊維:グラスファイバー、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維

現在、化学繊維が全繊維供給量のほぼ7割を占め、そのなかでも合成繊維が8割強を占めます。そして、合成繊維のなかで最も生産量が多いのはポリエステルになります。

主要大手メーカー

繊維業界の主要大手メーカーは、化学繊維系が東レ、帝人、クラレ、旭化成、三菱レイヨン、ユニチカの6社、天然繊維系が日清紡ホールディングス、クラボウ、ニッケ、日東紡、富士紡ホールディングス、オーミケンシの6社、化学繊維&天然繊維系が東洋紡、ダイワボウホールディングスの2社となっています。

近年の傾向としては、国内衣料用繊維の需要低下にともない、化学繊維系メーカーを中心に世界的な需要や価格競争力のある高付加価値商品へとシフトしています。とくに、航空機の機体などに使われている炭素繊維や海水淡水化などに使われる水処理膜は、世界のなかでも日本メーカーが高いシェアを誇っています。

基本情報


  • 市場規模:3兆8,223億円

  • 労働者数:32,143人

  • 平均年齢:42.0歳

  • 平均勤続年数:16.5年

  • 平均年収:533万円

繊維業界は、他の業界と比較すると給与水準が低いと言われているように、平均年収が少しさみしい数字になっています。日本の給与水準の平均は超えていますが、これは長いあいだ続く業界全体の低迷を反映しているとも考えられます。

ただ、平均年齢が高く、平均勤続年数も長いことから、仕事をする上での環境は整っているとみていいでしょう。

仕事内容

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