エントリーシートの自己紹介の書き方・例文
企業によっては、面接官は1日何百枚ものエントリーシートに目を通しています。文字数ギリギリまで書かれたエントリーシートでは、よほどユニークで目をひく文章でも書かない限り、読み飛ばされる可能性が高いのです。
長い文字数の自己紹介を書けば、やる気は伝わるかもしれませんが、逆に「話を短くまとめるのが下手」だと判断されかねません。自己紹介文は読みやすく、簡潔に済ませることで面接官に好印象を与えます。
逆に、自己紹介文が短すぎるのも問題です。いくら簡潔に済ませるべきだからといっても、「山田太郎です。よろしくお願いします」という一文で済ませるような自己紹介文はアウトです。これでは読みやすさ以前に、「やる気が無い」と判断されてしまいます。
少なくとも、出身校または前の勤務先と、自分の専門分野くらいは説明しておきましょう。それだけでも、およそ100文字~200文字程度にはなるはずです。
文字数が少ないからといって無駄な情報を付け加えるのも良くありません。スムーズに文章を構成するための情報なら問題ありませんが、明らかに文字数稼ぎだと思われるような情報を付け加えると面接官に悪印象を与えます。エントリーシートの自己紹介欄は、読みやすさと情報量のバランスを取って適度な文字数で作成しましょう。
自己紹介と自己PRの違い
エントリーシートの自己紹介欄を書くときに注意したいポイントは、「自己紹介と自己PRを混同しない」ことです。自己紹介と自己PRを混同してしまうことは、エントリーシートを作成するときにやってしまいがちなミスではないでしょうか。
一般的なエントリーシートのフォーマットには、自己紹介欄とは別に自己PR欄が用意されています。この2つを混同すると、ほとんど同じ文章を2回続けて書くはめになり、エントリーシート全体が「少ない情報をダラダラと引き延ばして書いた薄い文章」という印象になってしまいます。間延びしたエントリーシートを作ってしまわないためには、「自己紹介」「自己PR」という2つの項目の違いをハッキリとさせておく必要があります。
自己紹介は、自分のこれまでの経歴や専門分野などの説明を中心に、「自分がどんな人間であるか」を説明する文章です。自己PRは、自分の経験や知識の深さを売り込み、「自分が企業にとってどれくらい有益か」をアピールするための文章です。名前こそ似ていますが、自己紹介と自己PRでは文章に込める意味が全く異なるのです。
商品を売り込む時に例えると違いが分かりやすいかもしれません。
例えば、従来品よりも効率的に汚れを落とす洗剤があったとしましょう。販売員は「これはA社が発売した○○という洗剤です。××という成分を含んでいるので従来品よりもよく汚れを落とします」というように商品を説明します。
この場合、最初の「これはA社が発売した○○という洗剤です」の部分が紹介、後半の「××という成分を含んでいるので従来品よりも汚れをよく落とします」がPRにあたります。お客さんに対していきなり「××という成分を含んでいるので従来品よりも汚れをよく落とします」とだけ説明しても、「何が?」となりますよね。先に「これはA社が発売した○○という洗剤です」という説明を入れているからこそ、そのあとにPR文が活きてくるわけです。
この例文のように紹介とPRが一文で済むなら話が早いのですが、エントリーシートの場合は「自己紹介」と「自己PR」の部分が分かれています。そのため、自己紹介欄にPR文を書きこんでしまうと後半の自己PR欄で書くことが無くなってしまうのです。あくまで最初の自己紹介欄では、自分がどのような人間であるのか、どんな経歴があるのか、という紹介に終始しましょう。
自己紹介と自己PRの共通点
自己紹介と自己PRは似ていますが、書き込むべき内容が違います。自分の経歴などの「事実」を紹介するのが自己紹介であり、自分の有益性などの「可能性」をアピールするのが自己PRです。それぞれ書き方は全く異なり、エントリーシートを作成するときは自己紹介と自己PRを混同してはいけません。
しかし、「企業に自分を売り込む」という最終目的は、自己紹介も自己PRも同じです。そのため、この2つの項目を使って、いかに自分の力を企業にアピールできるかということが大切なのです。自己紹介と自己PRは、自分のアピールポイントを簡潔に表現するという点で共通しています。
自己紹介と自己PRはどちらも「アピールの場」であり、本質的には同じものであるといえます。しかし、素性も知らない人間の自己PRを長々と書いた文章は、読み手にとって解りにくい文章にしかなりません。
どれだけ素晴らしい経歴を紹介しても、それがどんな人物の経歴なのかが解らなければ、印象に残らないのです。そのため、自己PRの前に人物像を紹介しておくことで、自分の存在を読み手である面接官に想像させるのです。