社会人向けの大学院の種類と入試の難易度｜奨学金/費用/理系
更新日：2023年11月30日
社会人向けの大学院とは
大学へ進学する人が珍しくなくなった今、大学院まで進学する人も少なくありません。そんななかで、高校や大学を卒業した後社会人になってから、さらにスキルアップを目指そうという人のために、社会人枠を設けた大学院が増えています。
社会人に限らず、リタイアした人や主婦など知的関心を高めようという人も多いです。そのような人にも社会人大学院は門戸を広げています。一般の大学院に比べ、履修期間が短いコースがあったり、高卒や専門学校卒など大卒でなくても入学できるところや入試がないところもあります。
社会人は就学条件が厳しいので、多くの社会人大学院ではそのような条件に配慮した夜間でのカリキュラムを組んだり、駅のそばなど交通の便の良いところにサテライトキャンパスを設置するなどして利便性を高めているそうです。現在、全国の大学院には10万人強の学生がいますが、そのうち社会人の大学院生は2割程度に達していると言われています。
社会人向けの大学院の種類
社会人枠のある大学院は全国に約450弱あります。学費が低めに設定されている国公立の大学院も126校ありますので、社会人でも通える大学院があるのではないでしょうか。通信制の大学院や夜間の大学院などを紹介しましょう。
通信制の大学院
通信制の大学院は、地理的や時間的制約などから大学院レベルの学習を希望しても、それが叶わない社会人が少なくなかったことから、文部科学省が平成10年、1998年に制度化した大学院です。1999年に日本大学、佛教大学、明星大学、聖徳大学で開設され、現在27の大学で通信制大学院が設置されています。
通信制大学院の授業は、テキストなどによる授業、放送授業、スクーリングによる面接授業、メディアを利用して行なう授業の4つがあります。テキストなどによる授業は、大学から送付されたテキストなどを学習し、与えられた課題に沿って学習成果をレポート報告して、添削指導と評価を受けるシステムです。
修士課程の修了要件は、2年以上の在学と30単位以上を修得し、必要な研究指導を受けた上で修士論文の審査および試験に合格することが条件です。博士課程では3年以上の在学が必須になります。参考に放送大学のサイトを紹介します。
夜間制の大学院
昼間企業に勤めている社会人が、昼間に大学院に通うのは難しいことです。そのような社会人のために、多くの社会人大学院が夜間の講座を開設しています。ただ、夜間の講座、学習だけで大学院を修了できるところは、まだありません。
平日の夜間だけでは講義数が足りないので、土・日にも授業が行なう大学院が多いのですが、中には、土曜日に朝9時から夜9時まで集中的に講義を実施して日曜日は休日にしたり、日曜日や祝日、夏休み期間を使って集中講義を行なう大学院もあります。
社会人が働きながら自分の勤務形態にあわせて大学院の授業を受けるのは難しいことです。大学院を選ぶときには、講義のカリキュラムなどをよく調べて選ぶことが重要です。「大学入学情報図書館RENA」というサイトで、全国の大学院で夜間などの授業を実施している研究科を紹介しているので参考にしてください。
国立の社会人大学院
社会人大学院を開設している国立大学は全国に73校あります。夜間の講座がある大学も多いのですが、国立大学の良いところは学費が安いことです。入学金は28万円強、1年間の授業料が53万円強と、私立の大学院と比べると格安となっています。
国立の社会人大学院の先駆けとなったのは、1989年に開設された筑波大学大学院です。ビジネス科学研究科と人間総合科学研究科があって、修士課程だけでなく、博士課程まで併設されています。筑波大学東京キャンパス文京校舎は茗荷谷にあり、社会人を対象とした主に夜間開講制の大学院が設置されています。
アカデミックな視点でビジネスを見つめたい人にで、すでに100名を超える大学教員を輩出している大学院です。また、起業の道を選ぶ修了生も多く現在20数名が起業家として活躍しています。筑波大学東京キャンパス社会人大学院のサイトを紹介しましょう。
市立の社会人大学院
市立の大学院で社会人枠があるのは全国で15校程度です。市立の大学院は国立の大学院よりもさらに学費が安いのが特徴です。
例えば、名古屋市立大学の大学院は入学金が約23万円、1年間の授業料は約27万円となります。授業料は国立の半額程度です。
名古屋市立大学では、医学研究科には社会人枠がありませんが、薬学研究科、経済学研究科、人間文化研究科、芸術工学研究科、看護学研究科、システム自然科学研究科の理系、文系、芸術系などの6研究科に社会人枠があります。幅広い分野から選択できるのが魅力です。名古屋市立大学のサイトを紹介します。
東京の社会人向けの大学院
東京には社会人大学院が数多くあります。地方の大学院が都内に東京キャンパスを開設している例もあります。都内の社会人にとっては受講しやすい環境が整っていると言えます。そのなかから4校を紹介しましょう。
初回公開日：2018年01月08日
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