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「気をやる」の意味は?使い方と類語・英語表現や花魁言葉も紹介

更新日:2023年12月25日

何気なく使ってしまいがちな「気をやる」という表現ですが、どのような意味をもっているかご存じでしょうか。「気をやる」は花魁言葉で、江戸時代の遊女たちの間で使われていました。他にも、様々な花魁言葉を知ることで、当時を偲ぶことができます。

わちき

遊女たちは、自分のことを「わちき、あちき」あるいは「わっち」等と呼んでいました。基本的に、「わちき」「わっち」の語は多く文献に残されています。一方、「あちき」は該当がありませんでした。後世に伝わるうちに、音が変化したものと考えます。

「オイラ」より上品で、「わたし」というよりくだけていて、かわいげがあります。現代でいえば、「ウチ」みたいな感覚でしょう。

ありんす

花魁言葉の中でも有名なのは、語尾の「~ありんす」です。これは、様々な地域から集まって来る遊女たちが、そのお国訛りを隠すために使われたようです。話し言葉の中でも、語尾はもっともその特色がよく出るからでしょう。

遊郭は、客が高額な金を支払って楽しむ場所です。それをもてなす側は、身なり、対応、いずれも上質なものでなければなりませんでした。話し言葉を重視するのは当然といえます。

上記の「わちき」と合わせると、「わちきは酒が好きでありんす」となります。

いさみ

「わちきは酒が好きでありんす」と聞いて、何か違和感はありませんか。そう、「酒」という語がいかにも直接的で、無粋に聞こえます。この、酒に用いられた花魁言葉が「いさみ」です。

遊女の酒といえば、樋口一葉「にごりえ」の主人公、お力が連想されます。彼女は自身の生涯を打ち明けるにあたって、大きな湯呑でがぶがぶと酒を飲んでから語り出します。このように、自分を励ます、勇気を出させるという気持ちが、「勇み」に現れています。

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初回公開日:2022年04月22日

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