「そもそも」と「従来」の意味
「従来」という言葉の意味は「これまでは」や「以前から今まで」という、過去のできごとや経過に沿って模範を示すことを言います。この「従来」という言葉の意味も「そもそも」の意味と非常に近づく点が認められ、多くの会話時には「そもそも」と同じ意味合いで「従来」が使われることもあります。
「そもそも」と「純粋性」
「そもそも」という言葉と「純粋性」という言葉の意味は、意外と知られていませんが、実はとても活用が似ています。「純粋」の意味は「特定の物事や既成物について見るとき、その物にまったく混じりけがないこと・邪魔な不要物がないこと」を言い、また「真実を追求し続けるその姿勢」について意味します。
この「混じりけがない」という純粋性と「真実を追求する」という点で「そもそも」の意味合いが持つ「物事の原点をたどる」という姿勢がつながりを持ち、両者の言葉は「特定の物事の根本を直接追及する言葉」として認められます。
「そもそも」と「本質的に」の用法
「本質的に」という言葉の意味は、特定の物事について見るとき「その物事がそれなしでは存在しないこと」や「その物事が存在している根本的な骨子・土台を示すこと」を言い、この点で「そもそも」の意味合いと同じ用法で使われる場合が認められます。
・そもそも(本質的に)彼の努力は報われています。
・ピューマは自然界においてそもそも(本質的に)捕食者側に立ちます。
・そのパソコンではそもそも(本質的に)ワードを打つことができません。
「そもそも」と論述法
先述でご紹介しましたように「そもそも」という言葉を見るとき、「そもそも論」という論述方がすでにあることが注目されます。
この「そもそも論」というのは「話題が複雑で論述しづらいとき」や「時間の経過によってその物事の根本が忘れ去られている場合」などに用いられる話術であり、この「そもそも論」を使うことによって「あらゆる話題の論旨をブレさせない論述法」を取ることができます。
「そもそも」の英語表記と意味
「そもそも」という言葉を英語に直すと、その文脈や内容・背景によって、実に多くの言葉や表現で示されます。まず「in the first place」という言葉が代表的な表現といわれており、「そもそも」と記す場合の多くはこの表現が使われます。
さらに「first of all(まず、あらかじめ、そもそも)」、「in advance(あらかじめ、前もって、そもそも)」、「first(まず、そもそも)」、「originally(本来、そもそも)」、「essentially(潜在的に、本質的に、そもそも)」などの言葉が一般的に使われます。
「そもそも」は由来を指さない
「由来」という言葉の意味は「その物事の起こりから、現代までにどう受け継がれてきたのか」という継承を主に指して言います。「そもそも」の意味は「その物事が起こった原点」のみを指して言うため、文法上の意味合いや活用・用途によって、両者の言葉の意味は本質的に違ってきます。
「そもそも」と話者の主観