「心底から」という言葉の意味は「心の奥底から」という誠心誠意を表す人の心理描写にはじまり、「人が物事に対して持つ正直さ」や「人の本心」について言います。この「心底から」という言葉は主に「人の心理・心情に関する表現」として扱われるため、客観的に物事を見定めようとする「そもそも」の意味合いとは用途において違ってきます。
「そもそも」と「本来」の意味
「本来あるべき姿」などの言葉で知られる「本来」ですが、この意味は「もともとのあり方」や「生来はどのように存在したのか」、また「その物事を語る際のテーマを純粋に考えるとどうなのか」といった、「特定の物事の生粋の姿勢」を示す際の表現となります。
上記の点で「そもそも」と「本来」の意味合い・活用は非常に近くなり、論述によっては「そもそも」と「本来」を同じ意味合いで使う場合も多くあります。
「そもそも」と「もともと」の使い方
「もともと」という言葉の意味は「元来」と同じで、特定の物事の生い立ちを見る際などに、「その物事がもともとはどんな形をしていたのか」や「その物事の性質は生来どんなだったのか」などという、生粋・純粋な物事のあり方をうかがう姿勢を指します。
この点で「物事の起こり」を意味する「そもそも」の用途と同じになり、「これから考えようとする・論じようとするその物事やテーマの根本」を把握する際の「原点に立ち戻らせる表現」として認められます。
「そもそも」と「根っから」の違い
「根っから」という言葉は「従来」、「本来」「生来」の意味合いと同じになり、「特定の人物や対象物が、もとから持ち合わせている性質や才能」を指して言われる表現になります。この「もともとから」という意味合いによって「そもそも」の「物事の起こり」や「従来・生来」を指す意味合いと同じに認められます。
・彼は根っから(そもそも)野球が嫌いです。
・彼女の論文は根っから(そもそも)そのテーマを扱っていません。
・そのコンピューターでは根っから(そもそも)エクセル機能が乏しいです。
「そもそも」と「古来」の用法
「古来」という言葉の意味は「昔からあるもの」や「以前から変わらないで続けられていること」、「太古から現代までにかけてずっと存在するもの」などを指して言い、この「古来」も「そもそも」の意味合いと近い意味合いを持ち合わせています。
・恐竜は太古の昔から(そもそも)存在していました。
・貝という生物は古来(そもそも)、アンモナイトが進化して誕生しました。
・ダーウィンは生物学について問うとき、生物進化における古来(そもそも)の理由を整理しました。
「そもそも」と「何と言っても」の違い
「何て言っても」という言葉の意味は「先に認めた内容と後に認めた内容を見比べて、優先される方を指すこと」を言い、よく「比較論」を問うときに使われやすい慣用句に認められます。
この「何と言っても」という言葉の意味と「そもそも」の意味を見比べるとき、「何て言っても」の意味・活用の方にはどうしても「人の主観・感情」が含まれてしまうため、客観的に説明する用語としてある「そもそも」の意味の用途から見て大きく違ってくる側面があります。
「そもそも」と「生来」との違い
「生来」という言葉の基本的な意味は、「その人や事物が、生まれた時点に具えている性質や才能」のことを言い、「そもそも」の意味合いとは少し違う点がうかがえてきます。
「そもそも」の意味合いは主に「論述する際に、そのテーマの発端や従来のあり方」について言うため、「生来」は比較的「生物に対して当てられる言葉」、「そもそも」は「論述するテーマに当てられる言葉」として認められます。
意味合いとしては非常に似てきますが、決定的な違いとして言える点は「誰もが共有して認めることができる原点を述べる姿勢」で、「生来」の意味合いで示される「原点」はいわば「個性・個別によって違う原点」が指し示されることになります。
1つのテーマについて論述する際、たとえば「化学の発足」という点は誰でも共通するテーマになりますが、「生まれ持った性質」というのは個別によって理解される場合とされない場合とが出てきます。
「そもそも」と「決定的」の違い