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ポスドクへの就職・転職について|ポスドクが抱える問題・年収とは

初回公開日:2017年07月24日

更新日:2020年10月02日

記載されている内容は2017年07月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

ポスドクには大学の教授を目指す傾向が強く、民間への転職も年齢などによる制限で困難な現実があります。これらを改善解消するために、国や民間企業もポスドクに対する支援をもっと力を入れると同時に、ポスドク自身も将来をしっかり展望し早くから転職できるよう準備が必要です。

ポスドクとは?

ポスドクとは「ポストドクター」の略で、大学院の博士課程を修了し博士号は取得したものの、正規の研究職または教育職についていない人で、大学や研究機関で任期制の職に就いている研究者のことです。

他に博士研究員あるいは博士後研究員とも呼ばれています。主に数年間の任期制で研究プロジェクトごとに雇用されますが、その後の継続や常勤になれるなど地位の保証はありません。大学にいるポスドクは研究を続けながら大学の准教授や教授を目指し研究などを続けています。

ポスドクになるにはどうしたらいいの?

ポスドクになるには大学や学部によって違いますが修士(博士前期)課程2年制と博士後期課程3年制のコースと博士課程4年制などで博士課程を卒業し、博士号を取得することで大学や研究機関でポスドクになることができます。

ポスドクを希望する理由に、大学で准教授や教授を目指している人が他大学の研究室や所属している大学院に残りポスドクになるというものがあります。また博士号を取得していれば民間企業や専門外の職に就職をした後でもポスドクに転職することが可能です。

ポスドクの仕事とは?

ポスドクは大学院の博士課程を修了し最低26歳からなれますが、大学での仕事としては大学院生と助教の間に位置づけられた任期付きのポジションです。また研究者として一人で研究するというより、研究チームの一員として研究テーマにそった研究を行うのが仕事になります。

仕事の場所としては大学の他に研究機関である日本学術振興会特別研究員や21世紀COE研究員などがポスドクの仕事の場所としてあります。

ポスドクの仕事に対する目標

ポスドクとしての仕事で得られる年収は低いですが、いろいろな実験施設や研究施設が整っているところで研究を続けその結果を見つけたい、好きな研究が継続できるのであればと研究成果を目標にポスドクで頑張りながら准教授や教授を最終目標に目指しているポスドクが多いです。

またハーバード大学などへの研究留学を目標にかかげ年度計画をしっかり準備し、全力で実現できるよう取り組むポスドクもいます。

ポスドクの待遇

ポスドクはどのような高度な研究を行っていても任期制で期間が決められ、研究成果が出ない時などには任期が切れて辞めざるを得ないという不安定な待遇です。また給与面でも正職員と大きな開きがあるばかりでなく年金や健康保険などで所属機関が全く負担しておらず社会保険がない例やひどい例になると無給で研究をしている場合も珍しくないという現実があります。

日本学術会議によるポスドクの実態調査によると福利厚生では、健康保険が無い人が全体の一割、通勤手当がない人が3割、年休がもらえないという人も全体の1割となっています。ポスドクはこれらの待遇面を理解した上で研究等を続けていると言えばそれまでですが、ポスドクにも生活があり、研究成果などに夢があります。

ポスドクとして待遇改善を申し入れるということは任期制という雇用条件であるがゆえに大きな声を出しにくい実態があります。大学など所属機関が安心してさらに良い研究成果が得られるようポスドクの環境整備の一環として待遇改善を真剣に検討するべきであるという動きも出ています。

ポスドクの今後の傾向

文科省の調査によると2012年度のポスドクは約1万6000人で平均年齢は34.6歳(男性34.4歳、女性35.3歳)、2009年度と比較すると男女ともに平均年齢は上昇しています。また正規の仕事を探しポスドクから職種を変更できた人は1割程度しかおらず、変更後の職種として最も多いのは大学教員で、職種変更した人の約6割を占めます。

しかし仕事に就けずに次年度もやむなくポスドクのまま年齢を重ねていく、高齢ポスドクも増えていく傾向にあります。

ポスドクの転職市場傾向

ポスドクの転職についての傾向として大学や研究機関の定員は限られており、民間でもこれまでポスドクを採用していた日本国内のグローバル企業が研究機関を中国など海外に移転したこともポスドクの民間企業の研究職への転職をさらに困難にしていることが現状です。

しかし国や大学が共同して転職市場を開拓しマッチングする機会を作り、また民間企業でも一般求人とは別に研究開発部門などでポスドクから採用する企業もでてきています。さらに転職に不慣れなポスドクに対して支援する転職エージェントや転職サイトもあり転職市場の傾向として支援が広がりつつあります。


ポスドクからの転職

文科省の2012年の調査ではポスドクから正規雇用の仕事に移れたのは年間わずか6%という中卒や高卒よりも低い数字が出ています。また転職に成功できたポスドクの転職先は同じ大学の教員への任用や他大学教員への任用が一番多くポスドクとしての性格もあり転職先としては他の職業への広がりがまだまだ少ない状況です。

また大学では教員の人数の枠が決められており、ポスドクから教員に移れる人数も定年退職教員の補充ということが中心で人数が限られてしまいます。大学がこれまでにない学部学科の開設や、授業科目の増加または新しい研究の取り組みなどがない限りポスドクから教員に転職できる人数は限られ、大学や公的研究機関の現状ではでは採用ポストが増えることを期待することもできません。

このようなことから大学での准教授・教授になれるのも順序などが想像でき、結果高齢ポスドクも増え職種変更が大変困難ではありますが大学教員などアカデミアのポジション以外に転職を希望する人も増えています。民間企業でも企業のさらなる発展のためにこれまでの研究員に加え、外部から新しい優秀な人材を招きたいということでポスドクに限った採用枠を設ける企業も増えてきました。

海外学振の活用

日本と海外ではポスドクの考え方も異なり、海外では研究環境や待遇面なども恵まれており、海外のポスドクへ転職を考える人もいます。海外ポスドクにチャレンジする方法としては、海外学振を取る方法もあります。

日本での筆頭著者としての実績などが認められれば、国から二年間の期限付きですが補助金で研究ができますが、安定して続けるためには論文が認められ資金のあるラボで受け入れられるよう情報収集しながら転職活動をすることが必要です。

ポスドクへの就職・転職

ポスドクは正職員ではなく任期制で不安定な身分であることを知ったうえであえてポスドクになろうという人も多くはないですがいます。ポスドクをしていた人が民間企業に転職した後いろいろな事情でまたポスドクに戻る人、あるいは博士課程を修了したあと民間企業に就職したものの大学に戻りポスドクとして研究を続けたい人などがいます。

ポスドクへ就職または転職した人で、民間企業などでの経験も活かしながら新たなやりがいを感じポスドクになって良かったと喜んでいる人もいます。ポスドクへの転職など考えた時には好きな研究だけでなく、生活面での収入も検討しなければ安心してポスドクへの転職は困難です。そのような時利用できるものに学振があります。

学振を利用してポスドクになる

学振とは日本学術振興会が優れた若手研究者に対して設けた特別研究員という制度です。この制度は「自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を若手研究員に与え、研究者としての養成や確保を図る制度」です。

この制度には初めて特別研究員を目指す人、出産や育児による中断から研究現場に復帰を目指す人などが申請を行い厳しい審査のうえで採択されると申請内容により毎月の生活費と年間の研究費を得ることができます。

この学振を利用し採用されることで民間などからポスドクに戻っても安心して研究が続けられるようになります。学振は仕事の進め方の自由度の高さも魅力の一つになります。

学振で採択される方法の一つ

学振の審査における採択率は20%強と言われ狭き門となっています。また審査の中でも業績が重要視されることから、大学内で論文の投稿・査読・受理だけでなく採択までもっていくためには民間などで経験・実績を積むことも採択に有利になる場合があります。

また民間などでの経験は申請書つくりなども内容を深め、時間的にも効率的に進めるうえで役に立ちます。学振で採択される方法の一つとして民間での経験を大いに活用することです。


ポスドクに戻って研究再開

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