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2017年09月11日

歯科技工士とは|資格・平均年収・独立する場合・男女での違い

歯科技工士という国家資格を知っていますか?歯医者に関係した職業のようだし、きっと年収が高いいことと思われていますが、歯科技工士をとりまく環境はなかなか厳しいという声が聞かれます。今回、歯科技工士についてその実態や特に年収について確認していきます。

歯科技工士とは

歯科技工士とは|資格・平均年収・独立する場合・男女での違い

歯科技工士という職業について聞いたことがあるでしょうか。歯科技工士とは、口内で使用する、銀歯や入れ歯、インプラントといった人工の歯科技工物を作成、加工、修理をすることを仕事にしています。この歯科技工士ですが、国家資格であり、歯科技工士法によって職務や資格について定められています。

しかし、国家資格である歯科技工士を取得し、いざ歯科技工士として働き始めても、他の国家資格や同じ歯科関連の職種に比べ、年収が低く離職率が高いと言われています。今回、歯科技工士という職業についてその実態を確認し、中でも年収について注目していきたいと思います。

歯科技工士になるためには?

歯科技工士になるためには、厚生労働省主催の歯科技工士国家試験に合格する必要があります。

この歯科技工士国家試験には受験資格があり、歯科技工士学校もしくは歯科技工士養成所を卒業もしくは卒業見込み、もしくは歯科医師免許を受験資格を満たすような、知識と技能を習得できている必要があります。

平成29年2月実施の試験合格率は97.5パーセントと高くなっています。平成27年度より全国統一試験へ変更されていますが、それ以前の都道府県別実施の頃から高い数値で推移しており、学校での知識と技術が習得できていれば合格できる試験のようです。

歯科技工士の活躍の場所

歯科技工士は歯科というだけに歯科診療所、いわゆる町の歯医者さんや歯科を置く病院で働いています。といっても、会える機会はそうないと思います。普段診療時に対応してくれるのは、歯科衛生士です。混同してしまうかもしれませんが全く別の職業です。

歯科診療所や病院以外ににも活躍の場所がたくさんあります。歯医者や病院から委託され義歯や歯冠、矯正装置などを作る歯科技工所、器材の開発や材料を研究開発する企業、歯科技工士教育機関、また最近では日本の高い技術力が買われ海外で活躍されている歯科技工士もいます。

歯科技工士のうち約7割の方たちは歯科技工所で働いているようです。歯科技工所は歯科技工士は1人から始めることができるため、独立して開業しているという方も多いです。

歯科技工士の現状は?

歯科技工士とは|資格・平均年収・独立する場合・男女での違い

頑張って勉強し晴れて歯科技工士の資格を取得し、そのまま順当に歯科技工士として就職することができたのにも関わらず、多くの方が年収やその他の待遇に不満が絶えないようです。結果として5年以内離職率が8割と非常に高い水準であるといわれています。

歯科技工士をとりまく環境は一体どうなっているのでしょうか。

以下では、日本歯科技工士会によって3年ごと公開されている「歯科技工士実態調査」の2015年度版の結果をもとに歯科技工士の実態を確認します。

歯科技工士の実態

全体の平均年齢は50.1歳で年齢分布も若年層の人数が少ない状況となっています。また女性の割合は10.8パーセントと男性優位の状況です。

就労時間については、週平均5.8日、有給休暇取得日数の平均は6.6日となっています。1日の平均就労時間は10.5時間、週の平均就業時間も61.5時間となっていて常習的な長時間労働の現状が浮き彫りとなっており、低価格、低賃金に続き、長時間労働が歯科技工士を続ける上で問題となっている項目に挙げられています。

勤務先についても、育児・介護休暇はもとより各種保険や有給休暇がなかったりと社会保障の整備が遅れていていたり、そもそも労働契約を結んでいなかったりと、労働環境に問題がある可能性が確認できます。給与について満足していない割合が高くなっていました。

歯科技工士の平均年収は?

歯科技工士とは|資格・平均年収・独立する場合・男女での違い

歯科技工士は労働環境に恵まれた職業ではないという実態が浮き彫りとなりましたが、続いて他の資格と比べ低水準とされる歯科技工士の年収について確認していきます。

具体的な数字を確認する前に、歯科技工士実態調査にて、勤務先よりボーナスや残業手当が支給されないというケースがあることが複数確認できました。このことが、年収全体を引き下げる大きな要因の一つであるといえます。

以下で、平均年収の推移や、女性の年収、手取りなどについて確認していきます。

歯科技工士の平均年収の推移

歯科技工士の平均年収ですが、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の「職種別第1表  職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」にて、情報を確認することができます。

この統計が10人以上規模の企業に限っているようですので、全体の平均というわけではありませんが、平成28年度が434.06万円でした。過去の情報を確認すると、300万円台のこともあったりと多少の変動はありますが、概ね400万円程度のようです。

特に女性の年収は?

歯科技工士は器用さが必要とされ、女性に向いているのでは、と言われていますが、実際には女性の歯科技工士は少ないです。

更に、その年収も全体平均より少なくなっています。「賃金構造基本統計調査」では男性の情報しか確認できず、計算結果ですが、平成28年度の女性の平均年収は316.19万円でした。過去の情報を確認しても300万円程度のようです。

歯科技工士の手取りは?

実際に歯科技工士の手取りだと年収がいくらになるかということですが、平均年収の400万円から各税金や各種保険料などが差し引かれた金額ということになります。しかし、実態のところでも触れましたが、勤務先によっては各種社会保険に加入すらしていないところもあるようなので、その場合には給与から引かれる金額は少なくなります。

開業・独立した場合の年収

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「歯科技工士実態調査」によると、自営の割合が40パーセントを超えて高い状況です。多くは歯科技工所を開業しています。このような自営の歯科技工士の年収はいくらぐらいなのでしょうか。

残念ながら統計として出ているものはありません。開業費用については、独立するまでには平均してだいたい1000万程度かかるといわれています。また、開業・独立する上で大事なことは技術力もさることながら、対人対応力や営業力にあるようです。独立する以前から、話のできる歯科医を数人確保しておくのが成功のコツのようです。価格競争もある世界なので、優位性を持っておくことも重要です。

歯科技工士で年収1000万は可能?

開業している方の中には年収が1000万円以上の方は存在するようです。ただ、開業して少し頑張れば年収1000万かといえば、そのようなことはなく、年収1000万を超えるているのはレアケースです。

運があり、営業や経営手腕にも長けていた上でようやく早期に開業資金を回収し、年収1000万の壁を越えられるでしょう。歯科技工士は裏方の技術者です。例えば製造業でいうところの町のネジ工場のような存在だと思います。歯科技工士が自力でお金儲けるをするにはとても厳しいと言わざるを得ません。

技術を磨き、働く場所を選ぼう!

歯科技工士とは|資格・平均年収・独立する場合・男女での違い

以上のように歯科技工士について、歯科技工士をとりまく現状の確認や中でも年収について注目してきました。

一般的に言われているように、国家資格である割には、高い年収を期待できない職業なのかもしれません。働く現場もブラックな環境も多くあるように思われます。我慢して独立すれば年収アップにつながるのかといえば、往々にして開業のリスクはつきものです。日本で社会的に歯科技工士の生活を守ってくれるようになるのかわからない状況ですが、日本の歯科技工士の技術力は世界に通用するものです。

どの職業も同じですが、最初のうちはがむしゃらに働くしかありません。その中で歯科技術士として技術を磨き、出会いを大切にしながら、自分に見合った年収を手に入れるような働く場所を自ら選べるようになるでしょう。

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