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2018年04月05日

【年代別】おすすめの孔子の言葉・本|論語/中学/教育出版

「論語」といえば古くより大変よく知られた典籍ですが、そこに書かれた言葉についてよく知る人は今日では多くはありません。紀元前に書かれたとされながらも現代でもなお人生の指針となり、勇気を与え、心を打つ数々の言葉のうちから代表的なものをご紹介します。

『論語』にみられる孔子の言葉の数々とは?

【年代別】おすすめの孔子の言葉・本|論語/中学/教育出版

東洋哲学はよくわからないという人でも、「論語」という書物については聞いたことがあるのではないでしょうか。

中国に起源を持ち日本を含む東アジア圏の文化や思想に非常に大きな影響を与えた儒教、その文典として特に重要とされる「四書五経」の四書のうちのひとつが「論語」です。

儒教の始祖であるとされる人物である孔子の言葉を弟子たちがまとめたものとされるのが「論語」ですので、儒教の典籍として重要視されるのは当然のことといえるでしょう。実際、儒教が道徳規範とされた少なくとも近世までの日本においても、「論語」は教養と学問の中心でした。

それほどまでに重きを置かれてきた「論語」ですが、寺小屋で「子曰わく…(しのたまわく)」と訓読されていた時代は遠ざかった今日、それらの孔子の言葉は残念ながらあまり知られていないのが実情です。

ここでは「論語」に記されている孔子の言葉のうち代表的なものをご紹介します。

「吾れ十有五にして学に志す」

「子曰 吾十有五而志于学 三十而立 四十而不惑 五十而知天命 六十而耳順 七十而従心所欲 不踰矩(子曰わく、吾れ十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う。七十にして心の欲する所に従えども矩を踰(こ)えず。」

「私は15歳で学問を志し、30歳で自立し、40歳で生き方について迷うことがなくなり、50歳で自らの生涯における使命を自覚し、60歳で他人の言葉に素直な気持ちで耳を傾けることができるようになり、70歳になったら思いのまま行動しても人の道を外れたり度を越したりということがなくなった」という意味です。

あまりに有名なこの一節、「論語」に書かれている孔子の言葉であったかと驚いた人も少なくないのではないでしょうか。

15歳を「立志」、30歳を「自立」、40歳を「不惑(ふわく)」、50歳を「知命」と称するのはこの文章がもととなっています。

「子、釣して綱せず。弋して宿を射ず」

【年代別】おすすめの孔子の言葉・本|論語/中学/教育出版

「子釣而不綱 弋不射宿(子、釣して綱(こう)せず。弋(よく)して宿(しゅく)を射ず。)」

「孔子は、釣りをするのに釣り竿で一匹ずつ釣り上げることはしても、網で一網打尽に魚を捕りはしない。鳥を捕るのに糸をつけた矢で射ることはしても、巣で休んでいる鳥を狙うことはしない」という意味です。

この孔子の言葉は、何事も極端に走らず節度を持って行うことの重要性を説いていると解釈されます。

この「極端に陥らないこと、偏らないこと」を意味する言葉として「中庸」というものがありますが、孔子はこの中庸をきわめて重要な徳のひとつであると位置づけています。

「中庸の徳為るや、其れ至れるかな」

「中庸之爲徳也 其至矣乎 民鮮久矣(中庸の徳為(た)るや、其(そ)れ至れるかな、民(たみ)鮮(すく)なきこと久し)」

「両極に偏ることのない中庸の道は最高の徳目であるが、この徳が人々の間ですたれてしまって久しいことは残念なことである」という意味です。この孔子の言葉は、前半の「〜至れるかな」までが独立して取り上げられることも多いです。

前項でも触れた中庸の重要性を説いています。

「詩に興り、礼に立ち、楽に成る」

【年代別】おすすめの孔子の言葉・本|論語/中学/教育出版

「子曰 興於詩 立於礼 成於楽(子曰わく、詩に興(おこ)り、礼に立ち、楽に成る)」

「人は詩によって心を震わせ、守るべき決まりや礼儀によって自らの行ないを確立し、音楽によって人格を完成させる」という意味です。

この孔子の言葉は、一般的な解釈では学問や人格形成の段階について説いているとされていますが、これは大人にも子どもにも当てはまる内容であると考えられます。

たとえば子どもの教育についていえば、「まず美しく正しい言葉で語りかけてきちんとした言葉遣いが身につくようにし、躾を行ない礼儀をわきまえて行動できるように導き、音楽により豊かな感性をはぐくむようにする」という解釈もなされます。

孔子の時代にあって琴などの楽器の演奏は教養のひとつとされていたこともありますが、この孔子の言葉にも見えるように決して学問だけではなく音楽による情操教育も重要視していたという事実は興味深いことといえるでしょう。

年代別おすすめの孔子の言葉

おすすめの孔子の言葉を年代別にご紹介します。

小学生におすすめの孔子の言葉

「子曰 性相近也 習相遠也(性、相近し。習い、相遠し)」

「人の生まれ持った性質というものにほとんど差はない。生まれた後の習慣や教育といったものの違いによって差が大きく開いていくのである」という意味の孔子の言葉です。

人の素質に大差はなく、よい習慣を身につけ正しく学ぶことによってその素質が磨かれていきます。大人になったときにどういった人間となっているかはその人の努力次第ということです。

とりわけ成長著しい子ども時代に身につけた習慣はその後の人生に大きく影響しますので、小学生の頃に特に心に留めおきたい孔子の言葉であるといえるでしょう。

中学生におすすめの孔子の言葉

「子曰 不曰如之何 如之何者 吾末如之何也已矣(子曰わく、之(これ)を如何(いかん)せん、之を如何せんと曰(い)わざる者は、吾(われ)之を如何ともすること末(な)きのみ。)」

「自分でどうすればよいのだろうか、どうすればよいのだろうかと疑問を持たず、悩むこともないような人を教え導くことはできない」という意味の孔子の言葉です。

学びたい、上達したいという気持ちがなければ、教える側が懸命になったところでどうしようもないというのは今も昔も変わらない真理です。反対に、熱心さをもって学べば眼を見張る勢いで伸び、無限の可能性さえ開けてくるのが中学生の年頃ですので、時折思い起こしたいこの孔子の言葉です。

学生・新社会人におすすめの孔子の言葉

「知之者不如好之者 好之者不如楽之者(之を知る者は、之を好む者に如(し)かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず)」

「あることを知っているだけの人は、そのことを好きな人にはかなわない。しかしそのことを好きなだけの人よりも、それを楽しんでいる人のほうが一層すぐれている」という意味の孔子の言葉です。

何事も「好きこそものの上手なれ」ですが、この孔子の言葉もまさしくそのことを説いています。逆に嫌々行なっていれば、たとえどれだけ時間をかけ量をこなしたとしても、最終的に自らの成長につながることはないでしょう。

勉強であれ仕事であれ、楽しみながら身につけ、上達し、成果を上げることができたなら素晴らしいことです。物事に取り組む際の極意といってもよいでしょう。

中高年におすすめの孔子の言葉

「君子不器(君子は器(うつわ)ならず)」

「人徳を持ち人の上に立つ者は、ひとつの用途にしか使えない器のようであってはならない。その培った経験や幅広い視点をもって万事を見極める能力を発揮することが大切である」という意味の孔子の言葉です。

部下を持つ立場ともなれば、ゼネラリスト的な対応が必須です。まだ若い人たちを教え導く立場であれば、偏らない広い視野が求められます。

これまでどちらかというとスペシャリスト的な働き方をしていたという人には特におすすめしたい孔子の言葉です。

孔子の言葉について書かれているおすすめの本は?

朽ちることなく、時代を経てなおその深遠さと叡智に多くの人が感銘を受ける孔子の言葉は、家庭やビジネスの現場、生きづらい現代社会、先行きの見えにくい時代、単純ではない子どもたちを取り巻く環境など、さまざまなシチュエーションに応用されて解釈されています。

孔子の言葉はいろいろな切り口から読み取られ、解説本も数多く出版されています。そうした孔子の言葉を解説している本のうちで特におすすめのものをご紹介しましょう。

「孔子のことば」白帝社

孔子の言葉に興味は持っているものの「難しそうな漢文」のイメージがあってなかなか手が伸びないという人も少なくないと思われますが、広く知られ長く親しまれている言葉にはきっとなにか理由があるはずです。

「論語」に書かれている孔子の言葉のうち代表的な言葉に絞って解説している同書は、まずは「論語」の世界を垣間見たいという人にとって水先案内人となってくれるような本であるといえるでしょう。

「指導者として人物を磨く・論語」コスモ教育出版

人の上に立つ者に必要な心得にはどういったものがあるでしょうか。人の道や天命を深く求めた孔子の言葉は、指導者にとり大切なこととは何かを示唆してくれるはずです。

現代社会に生きるリーダーに、論語の精神は指針となってくれることでしょう。

誰の心にも響く孔子の言葉の持つやさしさ

孔子と聞くとただただお固いイメージを持ってしまう人も多いのではないでしょうか。

実は、孔子は当時の社会において決して成功者とはいえない境遇でした。多くの弟子を抱える立場ではありましたが、各国の諸侯に為政者の心構えや理想の統治などについて説いて回ったものの、結論をいえば戦乱の世にあって孔子の理想論ともいえる提言は用いられることはありませんでした。

しかし、不遇であったともいえる孔子だからこそ、その言葉には乱れた世の中をなんとかしたいという強い思いや人間に対する尽きないやさしさがあふれているといえます。

二千年以上の時を超えて今なお精神の拠り所とされる孔子の言葉の数々にもっと柔らかな気持ちで接してみれば、ずっと心に引っかかっていたことに対する解決策を見出すこともあるのではないでしょうか。

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