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2017年11月28日

会社退職後の健康保険の手続き|任意継続/切り替え/扶養

勤務先を退職する時に必要な手続に、健康保険があります。身近で頼りになる健康保険ですが、退職後の健康保険選びには迷うことも多いでしょう。今回は退職後の健康保険の手続についてご紹介します。家族状況を踏まえて適切に加入したいものです。

会社を退職後の健康保険の手続きは?

皆さんがお世話になっているものとして、健康保険証があります。病気やけがなどを負った時に病院で受診する際に必要です。

勤務先を退職した場合、健康保険の手続はどのようにすればいいのでしょうか。今かかっている病院には行かれなくなってしまうのでしょうか。そんな疑問にお答えするために、今回は退職した後の保険証の手続きについてケース別にご紹介します。

サラリーマンは勤務先で手続きを忘れずに

サラリーマンやOLの方は、勤務先の状況により異なりますが健康保険組合もしくは協会けんぽ(政管健保)のいずれかに加入しています。退職日を過ぎると保険が喪失してしまいます。

つまり、健康保険証を提示しても使用できない状態となります。そうなっては困ってしまいます。健康保険証が使用できないと、医療機関で受診した際に全額負担となります。一般的に3割負担となっていますので、窓口で3,000円を支払っている場合には10,000円の負担に変わります。これでは支払いが大変になってしまいます。

勤務先から退職日までに任意継続(任継)か脱退かを確認されますので、どちらかを選択し速やかに加入の手続きをとりましょう。

退職後の健康保険の任意継続って?

現在保健指導を受けていたり、すぐに保険を切り替えることができない事情がある場合は、任意継続(任継)を選択することができます。

では、退職後に健康保険の任意継続について話を進めます。企業の健康保険は企業単位でまとまって加入しています。任意継続とは本来その企業に在籍していることが保険加入の前提となりますが、退職後も被保険者が希望すれば2年間に限り加入している保険を引き継ぐことができる制度です。文字が意味するとおり、強制ではなくあくまでも希望者に対しての制度です。

例えば、年1回開催される健康診断や予防接種のワクチン代補助など、最近の健康保険組合のサービスは充実しています。今まで加入していた健康保険に満足している方はいませんか。そのような検診や補助などを2年間の条件付きながらそのまま引き継ぐことができます。

任意継続を選択した場合

任意継続を選択した場合には、これまでと同様の条件で健康保険を利用することができます。ただし、任意継続用の健康保険証が交付され2年間の有効期限が記載されています。任意継続の健康保険料は毎月支払いますが、万が一払い忘れが発生すると直ちに失効してしまう場合もありますので、注意が必要です。

任意継続では、正規の被保険者とは異なるポイントがあります。それは保険料です。これまでは、毎月30,000円控除されていたとしましょう。任意継続では毎月60,0000円が必要になります。どうしてでしょうか。

健康保険をはじめ社会保険料は一般的に労使折半と言われ、勤め先が50%、本人が50%の保険料を負担します。退職することで勤務先との雇用契約がなくなってしまえば、保険料負担の必要もなくなります。給与明細に記載されている社会保険料というのは実際にはその倍の金額が実際の保険料と考えておきましょう。

任意継続した健康保険の場合、通常は被保険者が負担する保険料で扶養家族が何人いても、同じ保険料で済みます。この点が国民健康保険料との違いになります。覚えておきましょう。

退職後の健康保険の切り替え方法は?

退職後の健康保険の切り替え方法について、解説していきます。お勤め先の状況がありますのでどの保険に該当するのかを確認しましょう。

協会けんぽ

以前は政管健保と呼ばれているものでした。中小企業が主に加入している健康保険です。在職中は勤務先と書類のやり取りが可能ですが、退職後は事務局へ郵送するなどの日数を必要とします。退職日が決まったら早めに手続きを行いましょう。

最寄に年金機構の事務所があれば、そこでも手続きが行えます。時期によっては混んでいる場合もありますし遠方にある方にはやや不便に感じるでしょう。事前に確認をして何度も足を運ばないように準備を入念にしておきましょう。

健康保険組合(健保組合)

大企業などの従業員が多い企業は、同業者同士でまたは独自に組合を設けていることがあります。健保組合の場合は、同じ企業のグループですので、社内の連絡ツールで手続が行えることが多いでしょう。退職後の手続きのためには書類のやり取りに郵送も必要となる場合もあります。在職中に書類の提出は済ませておきましょう。

国民年金保険(国保)

退職後に求職活動をするためだったり、定年退職、自営業となる場合などには国民健康保険に加入する場合があります。

国民健康保険に加入する場合には、勤務先では手続きができません。最寄りの市町村役場や出張所で手続きをします。その際に後ほど触れる勤務先から交付される健康保険資格喪失証明書が必要です。手続きは即日可能ですが、退職後14日以内に行う必要があります。

手続中に受診する場合は?

会社退職後の健康保険の手続き|任意継続/切り替え/扶養

月末日の退職後に保険を切り替えている途中で、医療機関に受診をしなければならない事情が発生する場合があります。その場合は、受診できないのでしょうか。

受診は継続できる


結論としては当然受診できます。しかし、健康保険証が使用できませんので10割負担、つまり実費支払となります。受診時に受付で「保険の切り替え中です。」と申し出れば受診ができます。

では、7割分の診療報酬分はどうなるのでしょうか。次回の受診時に申し出れば差額を支払ってもらえます。ですが、月をまたぐようであれば手続きが難しくなりますので、月1回の受診の場合には、新たに保険証が発行されてから再度出向いてその月のうちに申し出ましょう。手間がかかりますが、7割分が戻ってきます。本来負担してもらえる金額ですので忘れずに申し出ましょう。

退職後の扶養の健康保険の手続方法は?

退職して健康保険の変更手続きをする際に、扶養の家族がいる場合にはどのようにすればよいでしょうか。

本人の喪失届を受理すれば自動的に喪失となる

健康保険の被保険者(みなさんのことです)が喪失手続を済ませると、同時に扶養家族の健康保険も喪失となります。扶養家族だけ健康保険を続けることはできません。速やかに新しい健康保険に加入するようにしましょう。

任意継続の健康保険加入の場合、手続きを行う際に扶養家族がいる旨の理由書を提出する場合があります。これは、後ほど解説しますが国民健康保険の保険料と仕組みが異なるので扶養の可否をチェックをしているからです。

義務教育中の子ともであれば条件なく健康保険に加入できます。高校生以上になるとアルバイトや社会人などになって所得がある場合があります。その場合には所得によっては健康保険に加入できないケースもあります。

子どもに所得がある場合には、子どもの勤務先もしくは子ども本人に所得がいくらになるのか(見込み額で構いません)確認をしておきましょう。

退職後の健康保険料はいくらになるの?

では、退職後の健康保険料はいくらになるのでしょうか。気になるところです。どこの健康保険に加入していても同じではないのか、と思う人もいるでしょう。実は異なります。特に扶養家族がいる場合に、大きく異なるポイントがあります。

新たな勤務先での健康保険料は各々のケースで異なる

退職後に新たな勤務先で健康保険に加入する場合は、その健康保険の種類によって異なります。給与が確定した際に確認をしてみましょう。問題となるのは、退職後に任意継続を申し出た場合と国民健康保険に加入した場合です。

国民健康保険に加入する場合の保険料は?

勤め先を退職後は、無職で過ごすか自営業になるかの選択となるでしょう。国民健康保険は市町村に保険料を納める保険、つまり公共性の高い健康保険です。

公共性の原則である受益者負担の観点から、国民健康保険の保険料は扶養する家族がいた場合にはその家族分の健康保険料を徴収されます。つまり、扶養する人数が多ければ多いほど健康保険料は高くなります。

保険料は市町村でバラバラ

国民健康保険は、地方自治体が運営しています。そのため、地小村によって保険料の基準はバラつきがあります。各々の自治体で健康保険料がバラつきがあるのは、自治体によって均等割や所得割部分の金額や割合が異なるためです。地方の中核市の一例を挙げてみましょう。

世帯主は前年所得が500万円、扶養家族は配偶者と子どもが2人いる場合の保険料です。

区分など金額または割合
(1)平均割22,700円
(2)加入者割18,800円
(3)所得割(前年所得-基礎控除330,000円)×9.1%
(1)から(3)の合計額550,890円

この都市の例では550,890円となり、月額45,900円ほどになります。扶養家族がいない場合には、466,470円で月額38,900円ほどになります。一概に比較はできませんが、協会けんぽや健康保険組合などに比べていかがでしょうか。

労使折半ですので給与から差し引かれている金額は半分ですので、2倍にすると比較ができます。ここには40才以降に加入する介護保険料は含まれていません。

退職後自営業や無職となる場合には、翌年の保険料も頭に入れておきましょう。現在の所得よりも下がる見込みがある場合、保険料の負担が重く感じることになります。その分の貯えも備えておくべきでしょう。

退職後に手渡される健康保険資格喪失証明書って?

健康保険資格喪失証明書というものを見たことのある方は転職や結婚や出産などで退職などを経験した方でないと目にしたことがない書類でしょう。

被保険者の資格を喪失したと証明する書類

退職して健康保険の資格を喪失したことを証明する書類です。これは健康保険の二重加入を防止する観点から発行されます。国民健康保険に加入する際には提示が必要です。他の健康保険組合に加入する場合にも必要がある場合がありますので、手元に届かない場合には依頼をしてみましょう。

派遣社員の退職後の健康保険の手続は?

派遣社員で勤務されている方は、退職後の健康保険の手続はどうすればよいでしょうか。

契約満了日が退職日

派遣契約の場合、正社員と異なり雇用契約が有期契約という特徴があります。派遣先が変わったとしても契約の更新があれば加入している健康保険はそのまま継続されます。契約更新がなされず次の派遣先もすぐに決まっていなければ、契約満了日が退職日となります。

次の派遣先が決定していない以上、健康保険の加入を改めて行わなければなりません。契約期間中に更新の有無や今後の予定について派遣会社の方と話をする機会があります。しっかりとその機会に話をしておきましょう。

所得が130万円以上になるようなら扶養はできない

既婚者であれば、ただちに配偶者の方の健康保険に加入したいと思われるでしょうが、所得が130万円以上になる見込みがある場合には、扶養に入ることはできません。ご自身で国民健康保険に加入するなどの手続が必要です。

その際、2年間は国民健康保険の保険料と現在加入している健康保険の任意継続の保険料を検討する方法もあります。保険料は2倍になりますが、既婚者であっても他に扶養する人がいなければ任意継続を選択する方法がベターな場合もあります。その期間内に派遣先が決定していれば新たに保険の再加入手続きもできます。保険料の未納にはくれぐれも注意しましょう。

退職後の健康保険の手続に必要な書類って?

では、退職後に健康保険の手続を行う上で必要な書類についてご紹介しましょう。健康保険の種類にかかわらず共通して必要なものとしては、以下のものが挙げられます。

①年金手帳
②身分証明書(運転免許証など)
③マイナンバーが確認できるもの
④印鑑(三文判でよい)

勤務先の協会けんぽや健康保険組合の場合は?

退職後に新しい勤務先で協会けんぽや健康保険組合に加入する場合は、勤務先で手続きを代行してもらえますので、入社時に手渡される書類に記入することで済みます。

扶養の家族がいる場合には、所得のないお子さんであればよいですが、アルバイトや社会人となっているお子さんもいるでしょう。扶養の必要がある場合には、直近3か月の所得を証明する者(給与明細のコピーなど)を用意しておくと手続きがスムーズになります。扶養の可否は続柄や年齢に関係なく、所得があるか否かで判定されます。

国民健康保険の場合は?

退職後に国民健康保険に加入する場合には、前述していますが最寄りの市町村役場に出向いて手続きを行います。その際、忘れずに健康保険資格喪失証明書を持参しましょう。扶養家族がいる場合、特に必要な書類はありません。扶養欄に記入すれば判定されます。

その際に、配偶者の方やお子さんが自分で社会保険に加入している場合、二重に加入してしまうことになります。扶養欄に記入する際には確認をして二重加入にならないように注意が必要です。

退職後の健康保険料の計算方法って?

会社退職後の健康保険の手続き|任意継続/切り替え/扶養

次に、退職後の健康保険料について進めます。下にリンク先を示しておきますので、皆さんの給与額から保険料を確認してみましょう。

協会けんぽ

協会けんぽに加入している中小企業は多く存在します。みなさんの中にも該当者がいるでしょう。

協会けんぽの場合、報酬月額という基準があります。国民健康保険は前年度の収入に応じて決定されますが、協会けんぽの場合は現在の給与で決定されますので、収入が減った場合であってもそれに応じて保険料も下がる仕組みとなっています。報酬月額は50等級に分けられています。

国民健康保険と異なり、保険料は労使折半の原則により半分の負担で保険に加入できること、扶養家族が何人いても保険料は変わらないのが特徴です。

全額部分が退職後の金額、本来の保険料です。折半分が皆さんが実際に負担している金額です。大きく助けられていることが分かります。

国民健康保険

国民健康保険の保険料については、先ほど一例をご紹介しました。自治体により保険料率が異なったり、毎年保険料の改定が行われますので、保険料は毎年一定ではありません。

保険料の算定方法は、次に示す3階建ての構造になっています。

①平均割(人数に関係なく、世帯数に応じて割り振られた金額)
②均等割(加入者一人に対してかかる金額)
③所得割(前年度の所得に応じてかかる金額。基礎控除は330,000円)

前年度の所得を確認し基礎控除額を控除した金額に保険料率を乗じた所得割がベースです。そこに平均割と均等割を加算した金額が年額の保険料となります。扶養家族が一人増えるごとに保険料も上がります。前年の収入が今年度よりも高い場合には、逆ザヤのように保険料が重くのしかかってくることになります。

健保組合

健保組合はさまざまな形態があります。先述していますが同業者で管掌しているもの、その企業グループ内を管掌しているものなどです。各々で保険料率を設定していますので、入社時の書類を確認しておきましょう。

所得に応じて算定されますが、協会けんぽ同様に国民健康保険のように扶養人数によって健康保険料が加算されることはありません。

退職すれば直ちに健康保険が失効となります。退職後に任意継続を選択した場合には保険料が2倍に上がります。退職時に扶養家族がいる場合には選択の一つとして検討します。

退職後の生活を考えて選択を

会社退職後の健康保険の手続き|任意継続/切り替え/扶養

社会人にはデビューがあれば退職という引退もあります。結婚退職で家庭に入ったり、事情で勤め先を変えざるを得ない退職など、人それぞれ抱えている退職事情は違います。退職後の健康保険の手続についてご紹介しました。

既婚者と独身者では健康保険に関する負担は大きく異なります。皆さんが加入している健康保険が実は大変ありがたいものに思えてきませんか。

40代を迎えると、健康保険料に加え介護保険料がかかります。65才からは前期高齢者、75才からは後期高齢者と区分されます。親御さんを扶養に入れたりするなど生活の変化があります。退職後にどのように生活を送るのかを見極めて、適切に退職後の健康保険を選択しましょう。

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