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マトリックス組織の特徴・メリットとデメリット・本

初回公開日:2018年04月10日

更新日:2020年08月28日

記載されている内容は2018年04月10日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

組織形態の一つにマトリックス組織があります。ここでは企業経営や組織形態理論を学び始めの方のために、マトリックス組織の成り立ちからメリット、デメリット、実際にマトリックス組織を採用している企業の事例を交えて紹介しています。ご興味あればお読み下さい。

マトリックス組織の特徴

マトリックス組織とは、経営理論などで用いられる用語で、社員がプロジェクトごとの部門と職能部門の2つの部門に属する組織形態を指します。特徴として、指揮する立場にあたる人物が異なる部門それぞれから指示をする事により、複数の目標を達成する場合や、業務に柔軟に対応することが必要な時に採用される組織形態です。

このマトリックス組織を運用するにあたって、通常の組織とは違った配慮や姿勢が問われる場面が出てきます。ここからはマトリックス組織の特徴から派生するメリットや注意点、問題点を項目別に紹介します。

組織図

成長期から成熟期にかけて、企業は規模が大きくなるとともに部門別または職能別に分化されていきます。それらを視覚化したものが組織図と呼ばれる物です。この組織図に基づいた形態は主に2つあり、うち一つがヒエラルキー組織でもう一つがマトリックス組織です。

ヒエラルキー組織はピラミッド型の組織形態で、頂上に社長や経営者、取締役会をおき、以下部門別に生産、営業、総務と枝分かれしたものを指します。この組織のメリットとしては指揮命令がトップダウンで誰が誰に指示を出しているのかが明確であること、部門のどこに属しているかで社員の業務がはっきりしていることなどです。

デメリットとしては上からの判断による命令系統が強いため、臨機応変な対応に乏しいなどの点があります。これに対してマトリックス組織は2つの部門に属するので柔軟な業務ができること、デメリットは権限と責任の二重化が起こるおそれのある点です。

マトリックス組織の成功例と失敗例

マトリックス組織を採用した組織・企業は国内外多数存在しますが、ここでは事例を交えてマトリックス組織の成功例と失敗例を紹介します。

成功例

マトリックス組織の特徴・メリットとデメリット・本
※画像はイメージです

マトリックス組織の成り立ちは、アメリカ航空宇宙産業に始まり、各職能部門からメンバーを選抜してプロジェクトを作る形でマトリックス組織が登場したとされています。マトリックス組織導入の代表例として、ダウ・コーニング社を紹介します。

同社は製品革新の起こりにくいシリコン製品を扱う会社で、従来のまま生産を続けていましたが、ある時新製品開発が急務となり、各事業部に分散されていた職能を統合する形でマトリックス組織が完成しました。

失敗例

マトリックス組織の特徴・メリットとデメリット・本
※画像はイメージです

マトリックス組織の失敗例ですが、成功例に比べて多数確認できます。理由として評価が煩雑になりがちになること、責任の所在があいまいになるなどがありますが、最も大きい失敗要因として、組織内の葛藤や対立が増大することがあります。

伝統的な経営組織理論は組織の置かれた条件や環境に左右されることなく普遍的に有効な組織原則の理論の確立を目指してきましたが、これに対して組織の有効性は技術や市場といった環境に依存する考えも出てきました。これを条件適合理論と呼びます。

この理論によれば、業績の高い企業ほど部門別の分化程度が高く、分化から生じる葛藤や対立を解消するため高度な部門の統合機能を持つとされています。その機能を果たすもののひとつがマトリックス組織であることを示唆しています。

ここからはマトリックス組織のメリットやデメリットを掘り下げて説明します。

マトリックス組織のメリットとデメリット

マトリックス組織のメリット、デメリットですが、これは機能、製品といった二つの軸からなる格子型の組織ですが、上記で紹介したように成功例もありますが組織としての有効性を持続することが難しく、失敗事例も多くあります。

ではマトリックス組織が不要なのかというと、そんなこともありません。むしろ業績がのびている企業にとって、高度な組織統合は避けて通れませんし、より実践的な経営を行う上でもマトリックス組織の概要をつかむ事は重要です。

マトリックス組織の背景にある組織統合化の中核部分を把握することを目標として、マトリックス組織の長所と短所、問題点について説明します。

長所

マトリックス組織の特徴・メリットとデメリット・本
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マトリックス組織は機能、製品など多次元に基づいた組織的統合を図ることが可能です。また人的資源の共有、課題への柔軟な対応、情報の共有により情報処理が迅速になることも期待できます。また意思決定の速度を早め、各社員のモチベーション向上させる面もあります。

一般的に、マトリックス組織は小さいほど機能するとされていて、業績が右肩上がりの小規模な企業はより有効であると言えます。組織を活性化させる方法として、プロジェクトチームの結成と並び代表的な手法です。

短所

マトリックス組織の特徴・メリットとデメリット・本
※画像はイメージです

マトリックス組織の短所として、命令統一性の原則に反し組織構成員が二人の上司から指示を受ける事になります。各部門は、それぞれ異なった環境の当面しているので、それぞれ異なる環境に適応して分化した上で統合されているほうが組織の効率は高くなるますが、その組織内の分化が進むほど統合は難しくなります。

この分化と統合の矛盾を解消するために、部門間の葛藤・対立の解決が不可欠となります。

問題点

マトリックス組織の問題点として、この組織の短所を要因とした組織内の葛藤・対立の出現が大きいと言えます。この対策として、企業によってはプロジェクトマネージャーを配置する場合があります。これは目的達成のための全体の進捗状況を管理する立場を指します。

プロジェクトマネージャーを配置するかどうか、また権限の強弱によりマトリックス組織の類型はさらに細分化されます。注意点として、プロジェクトマネージャーを配置すればただちに葛藤・対立が解消されるというわけではなく、部門報告とプロジェクト管理報告が混同するといったより深刻な混乱を招く可能性も出てきます。

一方で、葛藤や対立の問題点が解消されればマネージャーを配置する必要性もなくなります。葛藤・対立への改善、改革のプロセスが確立されればマトリックス組織は有効に機能します。

マトリックス組織を取り入れる企業の特徴

マトリックス組織を採用する企業の特徴として、黎明期、創業期の機能別組織をとり、ここから業績が伸びて規模が大きくなると事業部制組織に変遷し、さらに大きくなるとマトリクスックス組織を取り入れる傾向にあります。

ここでいう機能別組織とは一つの事業に向けて全社体制で動く組織で、事業部制組織とは経営層を筆頭に製品、サービス、地域、顧客などを基準に一事業部を一つの組織として編成された物です。

マトリックス組織は経営戦略のうちの一つの選択肢ですが、上記で紹介したように取り入れるリスクも少なからずあり、構成員への負担も増加します。しかしマトリックス組織の問題点への対策をしっかり練っていれば、より動的な経営戦略として有効に機能します。

ここからはいくつかの企業の事例を交えてマトリックス組織導入企業を紹介します。

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