家賃収入の割合・税金・確定申告の方法・家賃収入のやり方と目安
家賃収入の利益の割合は?
家賃収入と聞くと、「働かなくても収入が得られる」というイメージを持つ人が多いでしょう。確かに、入居者がいれば家賃を得ることで収入を得ることができます。また、飲食業や販売業のように、常に従業員を雇う必要がなく、人件費もかかりません。
そのため、「利益率が高い」と考えている人が多いですが、本当のところ、家賃収入の利益の割合は高いと言えるのでしょうか。家賃収入の利益の割合について解説していきます。
利益率は言うほど高くない
家賃収入は他の仕事に比べて、人件費がかからないのでかなり利益率が高いと思っている人が多いですが、実のところ、利益率は言うほど高くありません。
家賃収入は、「満室」状態の場合は利益率が高いと言えますが、家賃収入の落とし穴は「空室」が出現することです。家賃収入を得ようと思うと、必ずこの「空室」が悩みの種になります。
マンションやアパートを所有していても、空室ばかりなら家賃収入を得ることはできません。しかも、アパートやマンションの部屋は、人が使っていない方が劣化が激しいとも言われています。
そのため、入居者がいなくても定期的なメンテナンスや修繕が必要になり、かえって経費がかさむ恐れもあります。「空室」状態によっては、家賃収入の利益率は言うほど高くないことがわかります。
思っているよりリスクが高い
家賃収入を得ることは、思っているよりリスクが高いです。やはり挙げられるリスクとしては、「空室」のリスクです。
マンションやアパートなどの物件は、「生きる資産」とも言えます。その物件付近の治安や商業施設の有無、交通の便などは、時代と共に変わっていきます。マンションやアパートの購入時には人気があっても、次第に環境が変わり、人気がなくなり空室が増えるリスクもあります。
また、「事故物件」になってしまうリスクももちろん孕んでいます。賃貸として貸し出している部屋で自殺や事件が起きないとは言い切れず、もしそうなってしまった場合は、リフォームなどしてもかなり格安の家賃にしないと借り主が見つからないこともあるでしょう。
家賃収入にはこういったリスクも孕んでいるため、利益率が安定しにくく、むしろ不安定な収入とも言えます。
家賃収入にかかる税金は?
家賃収入として収入を得る場合にも、もちろん税金がかかります。家賃収入にかかる税金とは、いったいどのような税金があるのでしょうか。家賃収入にかかる税金について解説していきます。
消費税
家賃収入にかかる税金の1つに、「消費税」があります。賃貸として貸し出しているのにどうして「消費税」がかかるのか不思議な人が多いでしょう。
家賃収入で消費税が課せられるのは、課税売り上げが1000万円以上になった時にプラスして、その物件を「住居」として使用していない場合に「消費税」が課せられます。
例えば、「お店」などの商用として賃貸物件を利用している場合は、消費税が課せられる対象になります。家賃収入の消費税の計算方法は、ケースによってかなり違い、計算方法が複雑なため、お近くの税務署や税理士に相談することがおすすめになります。
所得税
家賃収入を得る場合には、普通に働いている場合と同様に、所得税が課せられます。家賃収入で得られる利益から、修繕費などの経費を引いた金額が所得税の課税対象になります。
家賃収入で得られる収入に対しては、一般の給与所得と違い所得控除が受けられないため、家賃収入で得られる所得に対して一律〇%の所得税が課せられます。
何%の所得税になるかどうかは、家賃収入での所得の金額によって違ってきます。195万円未満なら5%、330万円未満なら10%というように、所得が増えるに従って所得税の金額も増えていきます。
固定資産税
家賃収入を得る場合には、何らかの物件を所有しており、その物件を借り主に貸し出すことになるでしょう。ということは、「不動産」として物件を所有していることになるので、「固定資産税」が課されます。
固定資産税はその物件の評価額などによって税額が変わるので、広さや大きさで一律に税額が決まるわけではありません。その物件の評価額が高ければ高いほど固定資産税が高くなるので、新築時には家賃収入が多くても、固定資産税が思ったよりかかる場合があります。
家賃収入の確定申告の方法は?
家賃収入を得る場合は、必ず「確定申告」を行う必要がありますが、家賃収入で確定申告をする場合は、いったいどうすれば良いのでしょうか。家賃収入の確定申告の方法を紹介していきます。
青色申告がおすすめ
家賃収入の確定申告を行う場合は、「青色申告」がおすすめになります。青色申告の場合は、利益から10万円を差し引くことができるので、納税額を減らすことができます。
また、赤字経営が続いた場合でも、3年間繰り越しすることができるため、黒字になった年の納税額を減税することが可能です。
青色申告にはこのようにたくさんのメリットがあるため、家賃収入の確定申告を行う場合には、「青色申告」を行うことがおすすめになります。
青色申告を行う場合には、最寄りの税務署へ事前の届け出が必要になるため、確定申告の時期の前に届け出を行うようにしましょう。
必要書類を集める
確定申告を行う際には、必要書類を集める必要があります。必要書類とは、家賃送金明細書や賃貸借契約書などです。また、家賃収入を得るために物件を購入した場合には、不動産売買契約書なども必要になります。また、修繕などの経費がかかった場合には、修繕費の領収証などが必要になります。
確定申告書を作成し税務署に提出する
確定申告に必よな書類がそろったら、確定申告書を作成し税務署に提出します。確定申告書にはその年の収支や経費などを記入することになります。
税務署に確定申告書を提出し、問題がなければ確定申告は終了です。ただし、確定申告に使用した領収証や契約書などは、一定期間保管しておかなくてはいけないため、捨てたり紛失したりしないようにしっかりと保管しておきましょう。
後々税務署で税務調査が来た場合に、申告に使用した領収証などが提出できない場合は、「脱税」などの罪に問われる場合があります。
家賃収入の目安は?
家賃収入の割合や確定申告について解説しましたが、家賃収入の目安とは、いったいいくらくらいなのでしょうか。家賃収入の目安について解説していきます。
物件の相場を確認
家賃収入を得る場合にはまずはその土地の物件の相場を確認してみましょう。たいていの場合は物件の購入額や建設額よりも、その土地の相場から家賃を決定する場合が多いです。逆を言えば、まずは土地の相場を確認し、そのうえで物件の購入額や建設額を決めることになります。
また、部屋の広さや築年数、周囲の商業施設の有無などでも物件の価値や家賃相場が違ってきます。まずは周辺の賃貸物件の賃料を参考にして賃料を決めてみましょう。
付加価値も必要
家賃収入を得る場合には、少しでも高い家賃で貸し出したいという方が多いでしょう。周辺の物件と似たり寄ったりの場合は、ライバルに借り主をとられてしまう場合もあります。
賃貸物件を高く貸し出したい場合には、付加価値をつけることが大切になります。例えば、女性の一人暮らし向けの物件なら「オートロック」や「女性限定」などが人気になり、多少家賃が高くても住む方もいるでしょう。
いま流行りのシェアハウス向け物件など、独自の特徴を生かした賃貸運営を行うこともおすすめです。また、最寄り駅からの距離や周辺の商業施設の有無などでも、賃料は大きく変わってきます。
家賃収入のやり方は?
家賃収入を得る場合には、いったいどのようなことから始めれば良いのでしょうか。家賃収入のやり方について解説していきます。
土地の購入
家賃収入を得る場合には、まずは土地の購入が不可欠になります。家賃収入を得る場合、たいていの場合はアパートやマンションを建てたり買ったりして、その部屋を賃貸として貸し出す場合がほとんどでしょう。
そのため、まずは土台になる土地の購入が必要になります。土地を購入する場合は、最低でも数千万円規模のお金が必要になります。また、土地の購入場所も、家賃収入を得ることができる土地なのかということをよく考えて検討する必要があります。
賃貸物件を建てても、借りる人がいなければ家賃収入を得ることはできません。
物件の購入や建設
土地を購入した場合は、その土地に賃貸にする物件を建設します。また、すでに建っているアパートやマンション、ビルなどを購入することも1つの方法になります。
物件を購入・建設する時も、土地を購入する際と同じように、その土地での需要を考慮する必要があります。ファミリーが多い場所では、ファミリー向けの賃貸物件を建設したり、反対に単身者が多い場合は、単身者向けの賃貸の建設がおすすめになります。
また、繁華街の土地を所有している場合は、マンションやアパートではなく、「貸しビル」として家賃収入を得る方法もあります。
広告の掲載
賃貸物件を購入・建設することが決まれば、広告の掲載が必要になります。広告がなければ、基本的には借り主が勝手に現れるということはありません。
不動産会社と契約し、不動産会社から物件に借り主を斡旋してもらったり、広告を出してもらうという方法が主流になります。不動産会社にマージンを支払う必要がありますが、個人で借り主と契約をしたり広告を出すことはとても大変なため、不動産と契約する形が一般的になります。
家賃収入にかかる経費は?
家賃収入を得る際には、他の職業と同じように「経費」がかかります。家賃収入にはいったいどのような経費がかかるのでしょうか。
修繕費
家賃収入にかかる大きな経費の1つに、「修繕費」があります。物件は経年劣化してくることはもちろん、入居者の退去時や入居時に壊れたところを修繕したり、クロスの張替えなどが必要になることがあります。
入居者が故意に破損した物に関しては、契約によっては入居者に請求できる場合がありますが、入居者が壊したという確固たる証拠がない場合には、基本的には「経年劣化」として貸主が修繕する必要があります。
賃貸物件などを所有する時には、あらかじめ年間どのくらいの修繕費が必要になるのかシミュレーションすることが大切になります。
広告費や仲介手数料
賃貸物件を所有している場合は、たいていの場合は不動産会社と契約し、広告費や仲介手数料を支払うことになります。不動産会社を介して借り主と契約を行うことが多くなるため、不動産会社に支払う仲介手数料などの経費も、あらかじめシミュレーションすることが大切になります。
家賃収入に失敗する原因は?

最後に、家賃収入に失敗する原因について解説していきます。家賃収入にしてしまう原因には、いったいどのようなことがあるのでしょうか。
副業として始める
家賃収入が失敗する原因の1つに、「副業として始める」という原因があります。家賃収入を得ることは簡単と思われていますが、意外とやることが多く、副業として始めると疎かになってしまうことがあります。
さまざまなことが疎かになると、借り主とのトラブルが増えたり、思ったより経費がかさむなどして赤字になってしまうことも多く、失敗してしまう原因になってしまいます。
ニーズを考えない
家賃収入が失敗する原因には、「ニーズを考えない」ことも原因として挙げられます。借り主のニーズを考えずして家賃収入を得ることはできません。そこが疎かになると、家賃収入で失敗してしまう原因になってしまいます。
上手に家賃収入を得よう!
今回は、家賃収入の割合や税金、確定申告の方法などについて解説しました。家賃収入は簡単なように思えて、実はとても奥が深いビジネスになります。軽く考えていると、失敗してしまう原因になってしまいます。
ぜひ今回の記事を参考にして、上手に家賃収入を得てみてください。