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2018年04月12日

【症例報告】抄録の書き方例|看護/老健大会/看護研究/学会

論文や発表などで必ず必要になってくるのが「抄録」です。抄録とは、自分の論文の伝えたいことを、分かりやすく簡潔にまとめたもののことを指します。抄録を意味のある内容にして、自分の論文をより多くの人に見てもらえるようにしましょう。

医学における抄録の書き方とは?

医療に携わる人は、学生時代も勤め始めるようになってからも、研究という名目で論文やレポートをたくさん提出しなければなりません。あまりの量に困っている人も大勢いるでしょう。そこで重要になってくるのが「抄録」です。抄録とは簡単な言葉に言い換えると「要約」のことで、論文を要約・抜粋したものということになります。

少し前までは特に規定のない中で書かれてきましたが、1987年からは構造化抄録ガイドラインを使い、項目ごとに記載内容を定め、研究内容を情報として読み取りやすくすることになっています。構造化抄録では、目的・方法・結果・結論に分けて記載することが原則です。

学術論文を提出する際も必要になりますし、研究発表を行うときに手持ちの資料として配られることもあります。抄録にも論文やレポート同じように基本的な形やルールがありますので、きちんと覚えておくことが大切です。

論文

論文と抄録では必要な要素が一致しているため、卒論などで既に論文が完成しているなかで抄録を作成する場合には、「まとめ」をベースとして作成できます。

具体的には、論文のまとめで記述される研究の目的をテーマや序文の要素で補うことで、「この研究の目的は何か」を示すことができます。また、研究の方法のほかにも「この研究で得られた結果」や「主張したい結論」についても、まとめに必要な情報や具体的な内容を補足して行くことで作成できます。

構造化抄録の、この研究の目的は何かという「 目的」、どのような方法で研究が行われたのかという「 方法」、 この研究によって得られた結果は何かの「結果」、この研究で主張したい結論とは何かの「結論」を、順序立てて簡潔に記述すれば抄録ができ上がります。

考察

一般的な研究報告では、抄録の結果と結論の間に「考察」を入れることもありますが、文字数に制限のある抄録では考察と結論を割愛しても良いことになっています。

考察を入れる場合は、客観的な数値や過去の信頼できる先行研究の結果に基づいて作成することがすることが何より重要です。結果に対して、仮説をもとに解釈を試みる場合は、その仮説を裏付ける先行研究があるなど、根拠があるものでなくてはなりません。現象を上手に説明できたとしても、自分の頭で考えただけで事実に基づかない仮説では、仮説として失格だからです。

看護

看護抄録で重要視すべきなのは、何よりも「タイトル」です。ありがちなタイトルでは誰の目にも留まりませんし、研究内容が充実していても印象に残りづらくなってしまいます。抄録を読むほかの看護師や医師たちが、どうすれば注意を向けてくれるのか頭に入れながら考えてみてください。

少なくともタイトルから研究のあらまし(対象は誰で・何をしたのか・または何がわかったのか)が予想できると良いです。自分の研究を頑張って1行で表現しましょう。

看護研究

看護研究では学術集会などで抄録選考が行われることがあります。目的・方法・結果・結論の4項目で研究について簡潔に分かりやすく作成する必要のある抄録ですが、共通する基本的なルールはあるものの、学会ごとなどで遵守するべき規定もあります。作成後は規定と合わせて、誤字脱字といったポイントから構造化に問題がないかといった点についてもよく見直しましょう。

症例報告


症例報告抄録では、タイトル・背景・目的・対象・説明と同意・方法・結果・考察の8項目で構成される場合がほとんどです。必要に応じて項目を増やしても良いですが、症例報告抄録では文字数が決まっている場合が多いです。ですので、要約すべき項目が増えるとそれだけ情報過多になりやすくなってしまい、分かりづらくなる可能性があります。

また、症例報告抄録の場合は、説明と同意の項目で、研究の実施にあたり対象者に同意を得たことと、倫理審査委員会の承諾を得たことを記載したほうが良いです。記載されていない抄録もたまに存在しますが、自分の身を守る観点からも説明と同意の項目はきちんと記載しましょう。

リハビリ

症例報告抄録では、リハビリアプローチなどを集約化します。つまり、リハビリアプローチを展開して改善できたかどうかを要約した書面を作ることになりますので、具体性が必要です。

特に意識すべきなのは、対象者・対象者の問題・問題点への具体的なアプローチ方法です。これはタイトルをつけるときにも有効で、アプローチ方法は、その概要と結果となる具体的な指標であるメインアウトカムを中心として考えていきましょう。メインアウトカムを客観的数値にして簡潔に記載するのがポイントです。

学会

スライドを使い口頭で発表する口演発表と、ポスターを掲示し発表する示説(ポスター)発表があります。ポスター発表では1時間程度ポスターの前で待機しディスカッションする形になります。どちらの抄録も30年度から文字数が1000字以内になりましたので、注意が必要です。

シンポジウム

シンポジウムには演者の体験を自分の仕事に生かそうと、たくさんの人が貴重な時間を割いてやってきます。たまに考察のみで自分の経験談がうまく入れられていない講演をする人がいますが、聴者は一瞬で価値がないと判断します。体験したことでないと説得力もありませんし、講義のような内容は意味がないからです。

まず、自分の経験を抄録で伝えましょう。どんなに小さなことでも、自分の経験を抄録にうまくまとめ、より多くの人が有益性があると判断すれば、あなたの講演はたくさんの人の印象に残るものになるはずです。

老健大会

老健大会では、医療の現場で従事者が感じた「高齢者の気持ち」を抄録に入れると、分かりやすいですし目を引きます。従事者が共感できるようなものも良いでしょう。

また、何となく暗くなりがちな印象を受けてしまう高齢者医療ですが、従事している皆さんは明るく快活な方が多いです。それでも高齢者の看護は大変で、だからこそ皆さん希望を求めてやってきます。ですので抄録は、そういった人達に向けて、希望を持てるような明るいイメージの書き方をするのが良いでしょう。

英語の抄録の場合

研究の実行・その具体的内容・結果の説明の場合には、現在完了形と過去形を用いることもありますが、英文抄録では基本的に現在進行形で書きます。また、同じ表現を使いまわさないように、定冠詞を上手に用いましょう。

その他注意することは、抄録では分かりやすくするために、文章の前のほうに動詞を用いることがあります。「扱った」「論じた」という動詞を用いることも便利ですので、使ってみてください。

抄録はただのタイトルではない

抄録はただのタイトルではありません。書き方によって論文に対する読み手・聴者の評価が変わります。言うなれば、「自分の論文の良さを伝える広告塔」でしょう。ですので、抄録が分かりやすく意味のある内容であれば苦労して書いた論文はより評価されますし、つまらない代わり映えのしない抄録では、せっかくの努力も水の泡になってしまう可能性が高くなります。

抄録は、自分の論文は誰を対象として何を伝えたいのか、また、その内容をいかに魅力的で簡潔にまとめるかが重要です。自分の言いたいことがはっきりと伝わるように、自分の伝えたいことを常に念頭に置いて、限られた字数のなかで考えてみましょう。客観的に見たときに内容が具体的にイメージできれば良い抄録といえます。

抄録という「自分の論文の広告」をうまくまとめて活用し、論文がより多くの人から評価されるように、自分でどんどん宣伝していきましょう。

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