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確証バイアスとは・確証バイアスの例・対策・本

更新日:2020年08月20日

心理学の「確証バイアス」という言葉をご存知でしょうか。言い換えれば偏見のことで、私たちが当たり前と考えている常識が、じつは単なる思い込みや偏見に過ぎないというのです。では、確証バイアスの何が問題なのでしょう。というわけで、今回は「確証バイアス」について探ります

確証バイアスとは

「確証バイアス(Confirmation bias)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。何となく難しそうな印象を受けるのは、「確証バイアス」という言葉が、認知心理学や社会心理学の用語のような響きだからでしょう。しかし実は、私たちの生活に非常に密接した思考作用の事を指します。例えば、自分の気付かない所で、自らの考え方を左右しているのが確証バイアスなのです。ここでは、そんな確証バイアスについて考えてみます。

「バイアス」ってなに?

確証バイアスの「バイアス」とは、簡単にいうと“偏見”という意味で、語源はフランス語の「傾斜」です。例えばハンカチを対角線で引っ張ったとき、ハンカチが斜めに伸びるのを見た事はないでしょうか。ハンカチが斜め45度の正バイアスに向かって伸びるのは、織物の性質による現象ですが、そんな風に物事のカタチを歪めてしまう作用を「バイアス」と呼びます。

お弁当箱がハンカチできれいに包めるのも、バンダナやハチマキがきりっと決まるのも、先ほど説明した「バイアス」のおかげなのですが、この「バイアス」が私たちの思考にも作用しているとなると少し問題です。なぜなら、この物事のカタチを歪めるバイアスという作用が人々にとっては差別の主な要因でもあるからです。例えば、「家事は女性の仕事。」のような性差別的な思考は「ジェンダーバイアス」と訳されることからも明白です。

信念を補足する

「確証バイアス」は、認知バイアスと呼ばれる“思い込み”の一種で、人が自分の信念をより強固なものとするために役立つ情報だけを集め、それ以外の情報には価値がないと感じてしまう傾向のことです。

先ほどのジェンダーバイアスを例にすれば、「男性は家族を養うもの。」のように、今まで多くの人々の間で「常識」だったことが、時代の変化に応じて「偏見」になったわけですから、この変化を自然なこととして認め、認識を変えることで解決する問題だといえます。

ところが、確証バイアスに囚われて「女性は理数系科目が苦手」とか、「女性の運転は怖い」と主張する人達は、同時に「男性と女性とでは脳や生殖器の機能が違い、それは自然の摂理なのだから、社会的役割も不易である。」とも主張します。つまり彼らは、決して差別主義というわけでなく、この事が偏見であると認識できていないだけなのです。

認識できない偏見

確証バイアスは、そうした無意識下に潜んだ先入観が私たちの心理を左右し、時に認識を歪めているという事実を示唆しています。ふだん私たちは、それぞれの個人的な尺度から導き出した結果を“自分の考え”だと思っていますが、そのほとんどが単なる思い込みに過ぎないという説もあるのです。

確証バイアスの例

では、なぜ確証バイアスを回避するべきなのでしょうか。ここでは、実際に確証バイアスが原因で生じてしまった実例から、それが日常に及ぼす影響についてまとめます。なんだか辛いと感じるときは、確証バイアスが原因かもしれません。それだけではなく、確証バイアスが原因で、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうことだってあるのです。あらかじめ実例を知っておくことで、確証バイアスの習性を他者から利用されるのを防ぐことができます。

世紀の大発見「STAP細胞」

確証バイアスの分かりやすい実例は、つねに自分の仮説の正しさを検証し続けている学者や研究者の論文に見られます。例えば、遺伝学の祖として名高い19世紀ドイツの学者グレゴール・ヨハン・メンデル(Gregor Johann Mendel)は、「メンデルの法則」で遺伝子の神秘に迫っていますが、メンデルの論文の中には自身の法則と不自然に一致する実験結果も確認されていることから、一部のデータが確証バイアスによる作為的なものである可能性が指摘されています。

また、記憶に新しいところでは、2016年3月にドイツ・ハイデルベルク大学の研究グループが発表した「STAP細胞」の例があります。周知のように、これは日本国内で詐欺事件のように取り沙汰されてしまった研究ですが、今となってはSTAP細胞があるなしの問題ではなく、論文の確証バイアスが研究者を破滅させた例とも考えられます。実際に、米国ハーバード大学では現在STAP現象が特許申請されています。

もっと日常的な例で

早い話が単なる思い込みに過ぎない確証バイアスは、私たちの身近なところにもたくさん潜んでいます。例えば、時に私達は、個性豊かな職場の同僚や友人達を、たった4パターンしかない血液型占いにこじつけて、「O型は大ざっぱ、A型は几帳面、B寄りのAB型は〜」と分析して楽しんだりします。

血液型や誕生月などを持ちだして場を楽しませる確証バイアスなら大歓迎なのですが、ネガティブな確証バイアスは良い結果につながりません。

「どうしてそんなに愚図なの?」「容姿が悪いんだからせめて愛想よくしなさい。」など、小さい頃に母親から言われた何気ない言葉が心に残って、ずっと確証バイアスの刃先が自分に向いている。というケースも少なくないのです。

知ることで回避できる

自分なら絶対騙されない、という人に限って引っかかってしまうといわれる「振り込め詐欺」なども、確証バイアスを上手く利用した手口と言えます。自分の息子がたいへんな粗相をしでかしたかもしれないと想像したとき、息子がそれまでに起こした小さなトラブルが次々に脳裏をよぎって、最後は「あの子ならやりかねない」という結論に達してしまうというわけです。

訪問販売なども同じで、上手く断れないけれども早く帰って欲しいと感じたとき、人はその商品を買うことで場が収まることに気づき、商品のメリットを考え始めます。その先は確証バイアスで、買うと決めた自分の意志を強化します。そうして最後は、買った自分を正当化します。1985年(昭和60年)に起きた史上最悪の詐欺事件「豊田商事事件」は、まさにそんな被害者の心理が浮き彫りになった事件といえるでしょう。

確証バイアスの対策

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初回公開日:2017年07月25日

記載されている内容は2017年07月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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