「パトス」の意味・類義語|アリストテレスの説得の3要素
更新日:2020年08月20日
「パトス」の意味
今回は、日常生活ではあまり使用しないものの、さまざまな分野で使用されることが多い「パトス」という言葉をテーマにして、意味や使い方などをご紹介していきます。
「パトス」とは、アリストテレスが哲学や倫理の分野で使用した言葉として知られています。
倫理においては、外部からの刺激や影響によって湧き起こるさまざまな感情全般を意味する言葉でした。最近では、強い感情を意味する言葉として使われています。
「パトス」の由来
「パトス」という言葉の語源や意味の由来について考察していきます。「パトス」という言葉の語源はギリシャ語にあるといわれています。
「パトス」はギリシア語の中性名詞 で、あるモノのなかに生じたでき事または変化のことを指して使う言葉です。
倫理などの分野で使用される言葉であり、倫理的な概念が多分に含まれています。日常生活における会話などでは、あまり使用しない言葉といえるでしょう。
「パトス」に関連する言葉
「パトス」という言葉について調べたり学んだりしていると、「エトス」や「ロゴス」と呼ばれる言葉が登場するケースがあります。「パトス」と音の響きが似ている「エトス」「ロゴス」という言葉ですが、これら3つの言葉には、どんな違いがあるのでしょうか。
続いて、「エトス」「ロゴス」と「パトス」の意味の違いなどについてご紹介していきます。
アリストテレスの説得の3要素
「エトス」「ロゴス」「パトス」は、アリストテレスの説得の3要素と呼ばれています。
「エトス」は信頼、「ロゴス」は論理、「パトス」は情熱を意味しています。この3要素があれば人を説得できるという、哲学上の倫理です。
「エトス」「ロゴス」と「パトス」の違いについて考えていくためには、それぞれの言葉の意味について調べていく必要があります。以下にこれらの言葉の詳しい意味について説明してあります。
1:エトス
「エトス」とは一般的に、個人や社会集団の特徴や性質・性格などを意味する言葉です。
「エトス」は、持続的な特徴や特性を意味している言葉です。そのため、「パトス」のような一時的な言動や感情は、「エトス」には含まれないと予想できます。
「エトス」と「パトス」の2つの言葉の大きな違いは、持続的なものであるのか、一時的なものであるのかという点です。
2:パトス
「パトス」とは倫理学の分野の言葉の1つで、喜怒哀楽などの一瞬・一時的な感情状態を表現する言葉です。日本語では「情念」などと訳されることが多い単語です。
「エトス」が慣習的なものに対して使われるのに対して、「パトス」は突発的だったり衝動的だったりするものに使用される言葉です。
3:ロゴス
「ロゴス」という言葉にはさまざまな意味がありますが、「言葉」や「理性」といった意味合いで使われる場合が多いです。
「パトス」が一時的な感情や情念を意味する言葉なので、「言葉」や「理性」を意味する「ロゴス」とは、性質やニュアンスがまったく異なっていると考えられます。
「パトス」の類語
熱心な気持ちを表す「パトス」という言葉には、たくさんの類語があります。
以下に「パトス」の4つの類語を挙げておきます。類語を知ることで、「パトス」という語の認識をより深めていくことが可能です。
「パトス」の類語は他にも、「情熱」や「熱意」「熱い・激しい感情」「抑えがたい気持ち」「意気込み」など、いろいろあります。
ペーソス
「パトスの類語である「ペーソス」には、物悲しい・哀愁・哀感などの意味があります。
「ペーソス漂う話しだ」などという表現に使われます。ギリシャ語のパトスが語源です。寂しく苦しい情感を表現する言葉として、劇の説明などによく使用されています。
初回公開日:2018年01月07日
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