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2018年02月14日

「啓発」の意味と使い方・論語での意味と「啓蒙」との意味の違い

意識を高めるために社会人は「自己啓発本」を読むことがあります。「啓発」という言葉は一見難しく現実離れした意味だと思いがちで、説明できる方は少ないのではないでしょうか。この記事では「啓発」の意味や使い方について解説いたします。

「啓発」の意味や使い方は?

「啓発」の意味と使い方・論語での意味と「啓蒙」との意味の違い

「啓発」という言葉に見覚えや聞き覚えはありませんか。プラスイメージな良い言葉であることはわかる気はするけど、難しい表現だからイマイチ意味がつかみにくいという方もご安心ください。

この記事では「啓発」という言葉の意味や使い方、類語や例文についてわかりやすく解説いたします。論語での「啓発」の意味や、「普及啓発」という言葉、「啓発」と「啓蒙」の違いについても合わせて紹介いたします。

辞書的な意味は?

全国的に知名度の高い、分厚い辞書として「広辞苑」や「広辞林」があります。まずはこちらに掲載されている「啓発」の意味から紹介いたしましょう。

ちなみにこの2つの辞書は名前がよく似ておりますが、出版社が違うまったく別のものです。出版社や出版された時代が異なると、表現方法や情報量がそれぞれ違っています。

現在はわからない言葉に対してネットで調べることが主な方法となっておりますが、紙の辞書には「比べる」ことで知る楽しみがあります。興味が出てきましたら、ぜひ紙の辞書も手にしてみてください。

広辞苑での「啓発」の意味は?

岩波書店が出版している「広辞苑」には「知識をひらきおこすこと」と意味が掲載されております。

知識を得て賢くなるという印象は理解できるのですが、「ひらきおこす」という言葉が抽象的です。

広辞林での「啓発」の意味は?

三省堂が出版している「広辞林」には、「無知な人を教え導き、知識を与えること」と意味が掲載されております。

こちらは広辞苑と比べると言葉数が増えており、対象が「無知な人」で、「教え導かれる」ということまで書かれています。しかしその内容は具体的には書かれておりません。

2つの辞書での意味を紹介しましたが、ピンとこない人もいるのではないでしょうか。それでは、「啓発」の意味をくだけた表現で具体的に説明いたします。

簡単に説明すると?

人間は自分一人で道を開拓していくと、どうしても偏った方向だけに進んでしまいます。視野や経験や知識量は一人では限界があるからです。

そこで「外部」からの刺激を受けると、その人間は急速に世界が広がり、新たなものを得やすくなります。その「外部」というのは、自然環境であるときもあれば、他人であるときもあります。

「啓発」の場合は、他人から刺激を受けることです。世界には70億人という多くの人間がいますが、似ていることはあってもまったく同じ人間はいません。異なる存在からの言葉はとても良い成長の糧になります。

「啓発」を簡単に言うと、「他の人に新しい世界を示してあげること」という意味になります。

「啓発」とは向上心に満ち溢れた光輝く言葉

「啓発」の意味と使い方・論語での意味と「啓蒙」との意味の違い

人生は一度きりで、あまりに広大すぎる世界のすべてを楽しむことは不可能です。そんな中であなたは偶然か必然か「友」に出会います。もしくはこの記事をご覧になっているように、「誰か」が書いた言葉に出会います。

自分以外の人や、その人の書いた言葉に刺激を受ければ、それが「啓発」のスタート地点となります。お互いの長所などをギブ・アンド・テイクすれば、きっとより華やかな人生が待っているでしょう。

相手を啓発することも、自分が啓発されることも素晴らしいことです。そういった意味で、「啓発」という言葉はもっと普及されてほしい言葉ではあります。

さて、今「普及」という言葉が出てきましたが、「普及啓発」という言葉もあります。こちらは「啓発」より知名度は低いもので、聞いたことがない方も多いでしょう。それでは、続きまして「普及啓発」の意味について説明いたします。

「普及啓発」の意味や使い方は?

「普及啓発」の意味を簡単に言うと、「あるものごとを知ってもらうための活動」です。現状世間にあまり知られていないものを「普及」させるために、人々に教え「啓発」する活動ということです。

普及啓発されるものには2種類あります。それは「知っておくべきこと」と「知っておかなければならないこと」です。

「知っておくべき」普及啓発の内容とは?

今の世界は「情報過多」と言われる程に、ものやサービスで溢れています。一つの商品を買ったときに、あまりに多くの特典を同時に紹介されて混乱したことはありませんか。それらの中には、情報の受け手側からすればとても得をするものもあります。

数年使っている商品やサービスで、「こんな無料サービスがあったんだ。最初から知っておけばよかった」と思ったことはありませんか。国や地方自治体のサービスでもこう思う例がよくみられます。

知っておくことで新しい良いことができるようになる、これが「知っておくべき」普及啓発です。

今紹介したサービスなどの例は「個人的な」ものですが、防災情報や応急処置の方法などの「社会的な」普及啓発も存在します。

「知っておかなければならない」普及啓発の内容とは?

今紹介いたしましたのは、知らないことが多いけど、知っておくと「プラス」になる普及啓発の内容でした。

次に紹介いたしますのは、知らないことが多いけど、知っておかないと「マイナス」になる普及啓発の内容です。

アスリートのドーピング

「啓発」の意味と使い方・論語での意味と「啓蒙」との意味の違い

スポーツ選手であれば、ドーピングがわかりやすい例です。記録を更新し続けるトップアスリートにドーピング陽性反応の報道が出ると、そのアスリート関係者やスポンサーはもちろん、世界中のファンが失望します。

富や名声を求めて意図的にドーピングを行ったという可能性もありますが、中には本人が意図せずドーピングになってしまうこともあります。これはアスリート側の知識不足、さらには大会運営者側の知識提供不足が原因です。

インストラクターなどに何気なくいただいたサプリメントの中に禁止薬物となるものが入っていれば元も子もありません。大会主催者側は、どの物質が禁止に相当するのかを普及啓発するべきです。

身近なところでも普及啓発が必要

個人情報保護という観点でも普及啓発が必要です。SNSで動画や画像が誰でも容易に投稿できるようになりましたが、その情報の中に個人情報保護法に触れるものが含まれている可能性があります。

しかし、どれが法律的にアウトなのかを具体的に説明できる人は少ないでしょう。よって、SNSの運営側も法律に抵触しないものをユーザーに投稿されるように普及啓発する必要があります。

普及啓発も困難な時代

相手が理解してくれないと普及啓発はできません。しかし現在の日本では、多くの外国人観光客がいるので複数の言語での説明が必要となってきています。

さらに高齢者も増えていることから、文字のサイズにも気を遣う必要があり、どの年齢層にも伝わり、かつ興味を惹くような言葉を厳選する必要もあります。

さまざまな要素を考慮しなければならないので、普及啓発を一つ行おうと思うと大変な労力を要します。

論語での「啓発」の意味は?

「啓発」の意味と使い方・論語での意味と「啓蒙」との意味の違い

「啓発」という言葉は、孔子の論語に出てくる言葉が元になっています。論語で「啓発」に相当する部分を解説しましょう。

漢文

学問・述而に「子曰、不憤不啓、不非不発、挙一隅不以隅反、則不復也。」という部分があり、この中に「啓」と「発」の文字があります。

現在使われている「啓発」という言葉はこの文からきています。

読み方

上に紹介した漢文は次のように読みます。

子曰く、「憤せずんば啓せず、非せずんば発せず、一隅を挙げて三隅を以て反らざれば、即ち復せざるなり。」

しいわく、「ふんせずんばけいせず、ひせずんばはっせず、いちぐうをあげてさんぐうをもってかえらざれば、すなわちふくせざるなり。」

それでは、この文を現代語訳しましょう。

意味の解説

この文は先生(孔子)が弟子に対して宣言した言葉です。

「憤る」とは「なかなか理解できずに苦しんでいる」状態です。弟子はそのような状態になるほど学問に対して深く思考し、意欲や情熱をもつ必要があります。その意志がないのであれば、孔子は物事を教えないと言っています。

たとえ理解(インプット)できても、それを発言(アウトプット)することは難しいことです。誰かに伝えようと悩む姿がないのであれば、それはすなわち理解できていないということを意味してします。そのような弟子に対して孔子は物事を教えないと言っています。

悩む弟子に対して1つのヒントを与えたとします。そこから弟子は思考し、その1つのヒントから3つの答えを得なければなりません。そのような姿勢がなければ孔子は物事を教えないと言っています。

孔子の教育に対する情熱と、弟子がもつべき「志学の精神」を表した文です。

「啓発」の類語は?

「啓発」の意味と使い方・論語での意味と「啓蒙」との意味の違い

「啓蒙」の類語は何かと問われると、その答えは難しいです。抽象的な表現になりますが「教育」や「コーチング」も類語であると言えます。

インスピレーション

英語で「insupiration」という言葉があります。この言葉には「吹き込まれたもの」という意味があります。

物事を考えたり作ったりする過程で突如浮かんでくる考えを指します。外部から刺激を受けるという意味では「啓蒙」と同じなのですが、インスピレーションは「人」だけでなく、「風景」などからも受けます。

よって完全に「啓蒙」と同じ意味であるとは言えません。英語で「啓発」を意味する単語はたくさんあり、developmentやhelp、educateなどが相当します。

啓蒙

「啓」という漢字を使っており、かつ漢字2字、さらには難しそうな響きであることから、「啓発」の類語としてこの「啓蒙」を想像なさった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

意味としてはほとんど同じで、「他の無知な人に知識を与える」という意味を含んでいるのですが、誰から誰に知識を与えるかという意味で、この2つの言葉は使い方が異なります。

「啓発」と「啓蒙」の意味の違いは?

「啓発」の意味と使い方・論語での意味と「啓蒙」との意味の違い

それでは、「啓発」と「啓蒙」の意味の違いを説明いたしましょう。先生、教授、講師、先輩、師匠など、人に物事を教える方は特にこの言葉を使い分けられるようにしておきましょう。

「啓蒙」は使い方が限定される

啓蒙する人は、啓蒙される人よりはるかに高い知識や思考をもっております。「啓蒙される」という言葉をもっとわかりやすく言えば「お偉いさんに伝授してもらう」というニュアンスになります。

「啓蒙」は先生から生徒に対してなされることが一般的であって、生徒から先生に対して「啓蒙」するという表現はありません。

「啓発」はより自由に使える

それに対して、先生から生徒、生徒から先生のどちらでも「啓発」は使えます。

「啓発」には単に「他人に知的な刺激を与える」というニュアンスだけがあり、そこには上下関係や身分の意味合いは含まれておりません。

「啓発」の漢字の意味は?

「啓発」は漢字2字を組み合わせてできた熟語です。それぞれの漢字の意味を知ることで、より一層「啓発」の意味を理解することができます。それぞれの意味を説明いたしましょう。

「発」は内側から外側へのアウトプット

「発熱」といえば、内部に蓄えられている熱エネルギーが外部に出ることを意味します。熱が移動するので、外部は熱くなり、内部は冷たくなります。

「発言」といえば、心の中で思っていることや脳内で考えていることを他の人に声に出して伝えることを意味します。「声」が媒体となって、「自分」という存在から、外部の「相手」に意見や主張、意思が伝わります。

「発」には、内部から外部にものごとを出すという意味があります。「啓発」では、他人や本などに知識などを出してもらうという意味になります。

「啓」は導くこと

「啓示」や「拝啓」などで使われる「啓」という漢字には、「わからないことを教えて導く」という意味があります。

「啓発」はこれら2つの漢字の意味を組み合わせた意味となっています。

「啓発」の意味を使った例文

「啓発」の意味と使い方・論語での意味と「啓蒙」との意味の違い

それでは最後に、「啓発」を使った例文を2つ紹介いたします。ここまでの内容をご理解いただいたあなたであれば、解説がなくてもどういう意味で使われているかが把握できるでしょう。

ここでは孔子の論語の「啓発」に従って、意味の説明はあえていたしません。

感動を友人に伝える場面で

「○○先生の言葉はとても重くて深かった。あの人の授業を受けたら、君も間違いなく啓発されると思うよ」

向上心をもったつぶやきをSNSで

「せっかくの連休だから、有効に使って自己啓発に努めようと思っています」

「啓発」は人生をより豊かにする

「啓発」の意味と使い方・論語での意味と「啓蒙」との意味の違い

いかがだったでしょうか。「啓発」の意味について理解していただけましたでしょうか。どんな人でも1日は24時間と決まっており、その量を増やすことはできません。自らの人生をより良くするには、いかに質を良くするかが大切になります。

高いモチベーションを維持した状態で、楽しみつつも作業や仕事、遊びをサクサク処理していくときには「啓発」が強力この上ない武器になります。

「啓発」の意味がイマイチわからなくてこの記事をみてくださったあなたは、すでに「啓発」の第一歩を踏み出しています。「啓発」のきっかけは読書や調べ物、人との会話など、些細なところに存在しています。

誰かに啓発されたり、自己啓発をしたりすることで、彩り深いライフスタイルに変えてみませんか。そこにはまだ見ぬあなたの無限の可能性が秘められています。

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