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2018年10月23日

「呵呵大笑」の読み方・由来・使い方・例文・破顔一笑との違い

呵呵大笑ということばがありますが、これはどのような笑い方を示すのでしょう。話しことばでも、普通に書く文章でも使う機会はあまりないと思います。少し気取った文章を作るときに使うことばですが、なかなかよい言葉ですので、理解しておくといろいろ使えます。

「呵呵大笑」の読み方

「呵呵大笑」の読み方・由来・使い方・例文・破顔一笑との違い

呵呵大笑の読み方は「かかたいしょう」または「かかだいしょう」です。

意味は大声をあげて笑うことです。「呵呵」は口を開けて大きな声で笑う様子を、「大笑」は大笑いする様子を指します。

呵は口+可の形声文字で、音符の可は擬声語で、叱ったり、笑ったりする声を意味します。笑は若い巫女の象形文字で、意味はわらうです。竹の部分が巫女の長い髪を表します。

かかたいしょう

呵呵大笑の一般的な読みは「かかたいしょう」です。「呵呵」は「呵々」と表記することもありますが、どちらでも問題はありません。

呵呵大笑は文語の表現であり、口語で使うことはあまりありません。

かかだいしょう

呵呵大笑は「かかだいしょう」と読むこともできます。

「かかたいしょう」と「かかだいしょう」の間に意味の違いはありません。どちらも大笑いすることを指します。

「呵呵大笑」の由来

「呵呵大笑」の読み方・由来・使い方・例文・破顔一笑との違い

呵呵大笑の出典は禅宗の歴史書である灯録の一つである「景徳伝灯録(けいとくでんとうろく)」とされています。

灯録は歴史書ではありますが、禅宗の各宗派が自宗の正当性を主張するために書かれているため、史記のような厳密さはありません。

それぞれの宗派の禅の極意を表すものでもあり、考案として後世までさまざまな人たちに考察されている事例が多く含まれています。宗派ごとにたくさんある灯録からは、呵呵大笑以外にも多くの四字熟語が現在に引き継がれています。

由来の一つである相手の名前を尋ねる話

呵呵大笑は、禅問答で意を得た僧の、会心の笑いでした。禅僧の仰山慧寂(きょうさんえじゃく)が、同じく禅僧の三聖慧然(さんしょうえねん)と交わした問答です。

仰山:あなたの名前は何ですか。
三聖:慧寂です。
仰山:慧寂はわたしの名です。
三聖:わたしの名は慧然です。
仰山はこれを聞いて、呵呵大笑しました。

自分の名を尋ねられて相手の名前を答えて、「それは私の名だ」と突っ込まれてから自分の名前を答えるって、まるでお笑いのネタのようですが、相手の名前を奪って、とがめられるとすぐに捨て去る早さが、禅宗としては気持ちがいい受け答えと受け取られました。

その気持ちよさのために、大口を開けての大笑いとなったのですが、それが「呵呵大笑」という言葉になりました。禅問答らしく、解説するのが野暮なものであり、意味を考えずにこの対話の流れの呼吸を会承知するのが理想です。

「呵呵大笑」の使い方

「呵呵大笑」の読み方・由来・使い方・例文・破顔一笑との違い

呵呵大笑は、裏によくない意思を持つことなく、顔を上げて気持ちよく大笑いする時に使える言葉です。仲間と一緒にやった仕事が大成功した時や、信頼できる相手が圧倒的な力量を見せた時、ライバルが素直に讃えられるようなすごい技術を見せた時などに使えます。

自分が素直に無条件に認められる力を見た時に、気持ちよく笑う時の笑いです。従って、呵呵大笑は、笑う人の人としての度量の大きさがないと使うことができない言葉です。呵呵大笑ができるような、ふところの深い人間になりましょう。

呵呵大笑の使い方の例

呵呵大笑は底抜けに大笑いする時に使うのがもっともふさわしいです。「我が意を得て呵呵大笑する」「一緒になって呵呵大笑する」「呵呵大笑しながらとおり過ぎて行った」などと使います。

自分の言うことを誤解せず、正しくくみ取ってもらえるような相手といる時に、大きな声で、何も考えずに笑えるときに使えます。

「呵呵大笑」の例文

「呵呵大笑」の読み方・由来・使い方・例文・破顔一笑との違い

呵呵大笑はかなり文芸的な表現なので、普通の状況で使うことはあまりないでしょう。文学作品の中ではたくさん使われています。

文学の中の呵々大笑

呵呵大笑はいろいろな文学でも使われており、頭の中でいろいろ考えずに大笑いする様子を表しています。少し大時代な言葉ですので、昔風の文体や雰囲気を出したい場合以外は、現代の文学ではあまり使われることはありません。

あっけらかんとした呵呵大笑

気の置けない仲間とものを考えず行動している時は、呵呵大笑することが多くなります。下記のような例だと、難しいことを考えることなく、することをしているだけですので、純粋な大笑いになってしまいます。

塾生達は下が樋とい状になった男子用に雀のように何人も並び、呵々大笑しながら悠々と小用を足している。

出典: https://dictionary.goo.ne.jp/leaf/idiom/%E5%91%B5%E5%91%B... |

大きな声でごまかす呵呵大笑

物事を深く考えたくない時は、他人だけでなく自分をもごまかすために大きな声で笑ってしまいます。カラ元気で大きな声で笑うようなときも、呵呵大笑という笑い方が似合ってしまいます。

心の微妙な問題をすりぬけるのにいつも呵々大笑ですましてきた侯爵は、同じ微妙さに対して怒るべきときには、どうしてよいかわからなかった。
●三島由紀夫『春の雪』

出典: http://erohaa.blog66.fc2.com/blog-entry-298.html |

見破られた仙人の呵呵大笑

仙人が人間界に入り込んで暇つぶしをしているようなときに、見破られてしまったことをさとると、子どもがいたずらを見つかった時のようにあっけらかんと大笑いをしてしまいます。こんな時にも呵呵大笑はぴったりです。

鴎外の『寒山拾得』は、長々と官位職名を名乗った閭をみて呵々大笑した二人は、国清寺の厨を一目散に逃げだした、逃げしなに寒山が、「豊干がしやべつたな」と云ったのが聞えた、というところで終っている。 …
唐木順三『無用者の系譜』より引用

出典: http://yourei.jp/%E3%81%A6%E5%91%B5%E3%80%85%E5%A4%A7%E7%... |

「呵呵大笑」の類語

「呵呵大笑」の読み方・由来・使い方・例文・破顔一笑との違い

呵呵大笑以外にも、大笑いを表現することばはいくつかありますので、ここではそれをそれぞれの含んでいるニュアンスの違いを含めて紹介していきます。

ここに挙げたのは大笑いをする場合のことばですが、微笑や苦笑、微苦笑など、日本語の笑いのニュアンスを表すことばはとても多彩で、世界の中でも破格に多いです。笑いは前向きの感情を表出するための感情表現ですので、さまざまな表現を知ることで、相手の感情を知り、自分の気持ちを表出するのに役立てていきましょう。

破顔一笑

破顔一笑は呵呵大笑と違い、表情をやわらげてにっこりと笑うことです。破顔は表情をやわらげて笑うことや微笑むことを表します。

呵々大笑のように声をあげた笑いではなく、表情だけで笑う笑い方です。

おかしいことがあって笑う時に使うのではなく、自分が意図したとおりに物事が進んだ時や、相手と共感を持てた時に浮かべる笑いです。

抱腹絶倒

抱腹絶倒は、呵呵大笑よりさらに激しい笑い方で、腹を抱えて転げまわるほど大笑いすることを表します。漢字は「捧腹絶倒」が正しいのですが、今は「抱腹絶倒」で表記することの方が多いです。

棒服(抱腹)は腹を抱えて大笑いすることで、絶倒は倒れてしまうほど、あるいは転げまわってしまうほどの様子を示します。

呵々大笑が姿勢は変えずに天を仰いで笑うのに対し、抱腹絶倒は姿勢を保てないほどのおかしさを表します。呵呵大笑より多少下世話な笑いになります。

哄笑

哄笑は大口を開けて大声で笑うことを示し、呵呵大笑と似ていますが、呵呵大笑が人数を問わないのに対し、哄笑は大勢でどっと笑うことを示します。

「哄」が大勢でどっと一斉に大声を出すことを意味するので、大勢で笑うことを示しますが、現在はひとりで笑う時も使われています。周りに響き渡るような笑いです。

高笑い

高笑いはあたり構わず大きな声で笑うことです。呵呵大笑は周りの人間と感情を共有する意味合いを持つのに対し、高笑いは得意気に周りを圧倒するように笑う様子を示します。どちらかというと悪役の笑いに多い類の笑いです。

バカ笑い

バカ笑いはやたらに大声であげて笑う、下品な大笑いのことです。行為のさまは高笑いと変わらないのですが、バカ笑いは周りへの配慮もなく、みっともないというニュアンスを含みます。笑っている人への非難の意味をのせて使われます。

爆笑

爆笑は大勢が一度にどっと笑うことを示し、一人でも使用できる呵呵大笑と異なります。大勢が一つのことに対して、同じおかしみを感じた時に起こる笑いです。

ほかの笑い方が大声で笑うことを表すのに対し、爆笑は弾けるような大きな笑い声であるところが異なります。

「呵呵大笑」と「破顔一笑」の違い

「呵呵大笑」の読み方・由来・使い方・例文・破顔一笑との違い

呵々大笑も破顔一笑も、同じく「我が意を得たり」という時に漏らす笑いですが、呵呵大笑が大声をあげて笑うことを示すのに対し、破顔一笑は大声をあげることなく微笑えむ様子を示します。

呵呵大笑が「よくぞ言った。愉快愉快」と大笑いするというニュアンスであるのに対し、破顔一笑は口には出さずに「まさにそのとおり」と、顔をぱっとほころばせて、にっこりと微笑む様子を示します。

呵呵大笑は周りの人間に相手が正鵠を射たことを伝える意図を持つのに対し、破顔一笑はマンツーマンで相手に正しい答えを出したことを伝えます。

呵呵大笑できる人になりましょう

「呵呵大笑」の読み方・由来・使い方・例文・破顔一笑との違い

呵呵大笑は、相手が自分の要求を満たすような答えを見せた時に、我が意を得たりということを伝えるための笑いです。

基本的に快を感じた時に出る笑いですので、とても気持ちのいい笑いであり、聞いている人たちも笑いたくなり、笑ったあとの雰囲気もよくなります。

呵呵大笑は、笑う本人も聞いている人たちも、お互いを認め合っている、ひとかどの人物でないとできません。

笑う門には福来たると言いますが、耳ざわりな大笑いではない、呵々大笑ができるような人になり、信頼のおける人間とつきあっていきましょう。

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