Search

検索したいワードを入力してください

2017年12月18日

アナーキーの意味や使い方・よく使われるシーン・使い方例

あなたは、アナーキーという言葉の意味を知っていますか?アナーキーは政治でよく使われる言葉ですが、歴史が深く現代社会での生き方にも大きな示唆を与えています。今回は、アナーキーの意味や語源を、政治史や思想史に絡めてご紹介します。

アナーキーの意味や使い方は?

アナーキーは政治学でよく使われる言葉であり、無政府状態を意味しています。また、内戦や紛争の影響で、政府の影響力がなくなった地域が、権力がまったくない状態として、アナーキーと呼ばれることもあります。

哲学者のイマヌエル・カントは、武力なき法と自由が併存している状態をアナーキーとしています。カントの説明によると、法は残存しているが執行機関がまったく存在せず、人が権力の影響を受けない状態のことがアナーキーです。

いずれにせよ、アナーキーは支配層による法律の力が及ばず、権力や権威が存在しない状態のことを意味しています。

アナーキーがよく使われるシーン

アナーキーは無政府状態という政治的な意味があるため、新聞や時事雑誌などでよく使用されます。

また、アナーキズムは無政府状態がベストとする政治思想、アナキストは無政府状態を目指して活動する人たちを表しますが、これらの言葉は政治思想史などで使用されます。

政治

紛争や内戦などで特定の地域の政治機構が崩壊したときに、その地域の状態を表す意味として、アナーキーと描写されることがあります。

例としては、1930年代のスペイン内戦時のスペイン、1991年以降の内戦が続いているソマリアなどが当てはまります。

また、大地震などで一時的に政治権力が空白になった時にも、アナーキーと描写されることがあります。2010年に地震が発生した、ハイチがこれに当てはまります。

思想

中央政府の権力や権威をなくし、調和的な社会を実現しようとする思想を、アナーキズムと呼びます。アナーキズムを主張する人々は、アナーキストと呼ばれています。

ピエール・ジョゼフ・プルードンやミハイル・アレクサンドロヴィチ・バクーニンが著名なアナーキストであり、政治上は左翼とされています。しかし、労働者に権力を集中させようとしたカール・マルクスとは対立し、マルクスはプルードンやバクーニンを批判していました。

権力機構を廃止するといっても、アナーキズムは個人の助け合いを否定しているわけではありません。中央権力ではなく、組合や地域的な活動を通じて、人々のニーズを満たそうとします。その意味では、ジェレミー・リフキンなどが主張している、共有型経済もアナーキズムに近い意味合いがあります。

パンクロック

パンクロックでも、アナーキーという言葉が使われることがあります。1970年代のパンクロックは、政治的な色が強く、多くの人の思想に影響を与えました。

イギリスを代表するバンドのセックス・ピストルズは、アナーキー・イン・ザ・UKという曲を作りました。ただし、セックス・ピストルズは、政治的なアナーキーを意味した曲ではなく、音楽の改変を目指して多くの曲を作っていました。

日本でもアナーキーというパンクバンドがあり、1978年から2001年まで活動をしていました。

また、甲本ヒロトと真島昌利が中心になっているバンドであるクロマニヨンズも、我が心のアナーキーという曲を2010年に発表しています。

論文や専門書によく出てくる!アナーキーの使い方例

アナーキーは政治的な状況を意味する言葉であり、日本の日常会話で使われることは滅多にありません。しかし、哲学や政治学などの、専門的な本や論文ではよく使用されます。また、規則性に縛られないという意味でも、論文などでアナーキーが使われることもあります。

例えば、「文法に縛られないとするなら、言葉の意味はアナーキーである」という文章では、もし文法が意味をなさないなら、言葉の意味は各自自由にとれることを意味します。

また、本の題名などでもアナーキーはよく使用されています。「アナーキー・国家・ユートピア(ロバート・ノジック著作)」、「アナーキー進化論(グラフィン・グレッグ、 オルソン・スティーヴ著作)」のようにアナーキーは使用されています。

歴史はとても古い!アナーキーの語源や由来

アナーキーは外来語であり、日本発祥の言葉ではありません。日本でも、幸徳秋水や大杉栄のように、日本史の教科書に出てくるアナキストは存在していました。

しかし、彼らの思想はロシアの思想家から影響された部分が多く、日本独自のものは多くありませんでした。

しかし、日本のアナキストは帝国主義批判に大きな意味を持たせ、第二次大戦後の政治運動にも大きな影響を与えています。

アナーキーの由来

アナーキーの語源は古代ギリシャ語の「ἀναρχία」であり、支配するものがいないという意味を表しています。

アナーキーは当初、支配するものがいないという意味のみで使われていました。1840年ごろにピエール・ジョゼフ・プルードンが、政治思想としてアナーキズムを主張しだし、政治用語としても使用されるようになりました。

使われるようになった背景

アナーキーが使われるようになった背景には、帝国主義的な国家拡張と重税、政府の援助を受けた資本家による、労働者の酷使がありました。

帝国主義を乗り越え、労働者が資本家に影響されずに、豊かに暮らせるようになるためにアナーキズムとアナーキーという言葉は広まりました。

また、政治的には相反するとはいえ、当時大きな影響力を持っていたカール・マルクス、フリードリヒ・エンゲルスとアナーキストが共闘していたことも、アナーキーという言葉が広まった一因です。

混乱しやすい点!アナーキーの間違った意味

アナーキズムは政治的には左派とされていますが、共産主義とは意味が異なります。

カール・マルクスが主張していた共産主義は、労働者に権力を持たせ資本家を撤廃するという主義であり、あくまで中央権力は残ったままです。

それに対してアナーキズムは、中央権力そのものを否定することが多く、政府の存在を害とすることが多いです。

しかし、アナーキストに位置付けられている論者でも主張が異なることが多く、時代によってもアナーキストが理想とする政治形態は変化しています。

アナーキと同じ意味で使われやすい類語・同義語

アナーキーと同じ意味として使われやすい言葉には、無秩序や混乱があります。

しかし、一概にアナーキーと無秩序や混乱が、同じ意味というわけではありません。アナーキーはあくまで中央権力がないだけで、地方自治や地域コミュニティーが機能していれば、人々は生活することができます。

例えば、1945年に沖縄の八重島では、県の出張機関である八重山支庁が機能を停止してしまいました。そのため、1945年11月より準備が進められ、同年12月15日に島民の自治が開始されました。

同年12月23日には米軍が八重島を訪れ、八重山支庁が復活しました。島民の自治機関は1946年1月中には解散しました。しかし、八重山支庁が完全に機能する前でも、島民の自治機関が機能を続け、島内の生活は安定していました。

支庁が機能していないという点では、八重島はアナーキーでした。ただ、自治組織の活躍により、混乱はしていませんでした。

アナーキーと反対の意味の言葉

アナーキーの反対の意味の言葉としては、権威主義があります。権威主義は権威に人民が服従する政治体制であり、専制や独裁、全体主義が含まれています。

ヨーロッパやアジア、アフリカなどの多くの国は権威主義を経験しており、建国当初から権威主義でなかったのはアメリカ合衆国程度です。

今を生きるためにアナーキーを知る

アナーキズムが盛んだったのは19世紀から20世紀であり、今ではマイナーな政治思想になってしまっています。しかし、インターネットが発達し、政府や資本家に頼らなくても、情報を集め生活することが可能な人が多くなっています。

無政府状態とは言えなくても、地方自治や個人として活動することは、以前より簡単になってきています。強力な権力機構がなくなったからといって、直ちに混乱するわけではありません。

また、アナーキズムでは、個人が自分の行動を統治し、行動の責任を負うことを教えています。アナーキーを知ることは、行政や規制に縛られず、自由に活動するための思想的助けになります。この機会に、身近では知ることが難しい思想や哲学、政治などを勉強してみてください。

Latests