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「カタルシス」の意味と使い方・由来・心理|国語辞典/福祉

初回公開日:2017年12月26日

更新日:2020年08月14日

記載されている内容は2017年12月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

「カタルシス」と言う言葉は、聞いたことがあり、なんとなく意味を知っているものの、詳しくは知らないという方が多いのではないでしょうか。今回はカタルシスの意味、由来から、音楽におけるカタルシスとは、精神分析におけるカタルシスとは何かなどを説明します。

国語辞典での「カタルシス」の意味

「カタルシス」という言葉をドラマのセリフや歌詞などで知っているという方もいるでしょう。しかし、いざ意味を問われると詳しくは分からないという方も多いです。そこで、今回は「カタルシス」の意味と使い方を学びましょう。

まず、ネットの辞書であるweblioで「カタルシス」の意味を引いてみると以下のようになります。浄化とか、アリストテレスとか、なにやら難しい内容が並んでいます。それでは、次項より、カタルシスの意味を詳しくご説明します。


悲劇がもっている、観る人の心に怖れと憐れみを呼び起こし、その感情を浄化するという効果。アリストテレスが「詩学」で展開した語。

精神分析で、抑圧された感情や体験を言葉や行動として外部に表出して、心の緊張を解消すること。

心の中に解消されないで残っていたある気持ちが、何かをきっかけにして一気に取り除かれること。

出典: https://www.weblio.jp/content/%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%83%AB... |

「カタルシス」の意味の由来

「カタルシス」の意味と使い方・由来・心理|国語辞典/福祉
※画像はイメージです

意味の本質を知るには、その由来となったものを理解してしまうのが近道です。「カタルシス」はギリシア語の「浄化」や「排泄」の意味がある「katharsis」から来ています。ちなみに、英語では「catharsis」と書き方が違っています。

その歴史は古く、古代ギリシャの演劇用語として登場します。演劇を見た人々が泣き、笑い、恐れ、それによって心が浄化される効果に着目したアリストテレスは、その現象を「カタルシス」という言葉によって意味づけしました。しかし、無類の分類好きのアリストテレスでさえも、この言葉の詳細な定義は残しておりません。

あいまいな使われ方

難しい意味を持つためか、カタルシスはあいまいな意味の使われ方をされるケースがあります。また、言葉の響きが良いためか、単に気の利いた言葉として使われているケースも多いです。本来はかなり重い意味をもつカタルシスですが、ここでは、軽い意味で使われる場合を見ていきましょう。

すっきり

「浄化」「排泄」という意味があることから転じて、心のもやもやが取れたという意味でカタルシスを使う場合があります。例えば、

・仕事が忙しい日々が続いたので、夏休みにロックフェスに行ったらカタルシスを感じた。

などというときは、心の鬱屈が取れて楽しい気分になったというような意味になります。確かにカタルシスの意味も含まれていますので間違いではないでしょう。

嫌な気持ちがなくなった・癒される

「癒し」という言葉がブームとなったのは2000年ごろと言われます。それから「癒し」「癒される」という言葉も定着し、意味としても重い意味で使われることもあれば、軽い意味で使われることもあり、ある意味では便利な言葉として定着してきました。

そして、この「癒される」と似た意味でカタルシスを使うケースもあります。例えば、

・猫の肉球を触っていると、なんともいえないカタルシスに満たされる。

などが最も軽い使い方になるでしょう。少々重い使い方としては、

・遠距離恋愛しているので、たまに彼の純粋さを目の当たりにすると、カタルシスをいつも感じる。

もあります。このように嫌な気持ちがなくなることや、癒されるという意味でカタルシスを使う場合もあります。これらも本来の意味からは少しずれており、必ずしもカタルシスを使わなくてはいけなくはありませんが、全く間違っているとも言えないです。

「カタルシス」の意味と使い方

「カタルシス」が起こるためには、「悲しみ」「恐れ」「憐み」といった感情が沸き起こることが必要ということはお分かりいただけたでしょう。つまり、他者との共感というのがカタルシスを引き起こすキーワードになります。

したがって、厳密に言えば、音楽を聴いてカタルシスを感じたというのはあてはまらないと言えるでしょう。この場合、「陶酔」とか「忘我の境地」という言葉が適当な場合もあります。簡単に言えば「気持ちが良かった」という意味なります。にもかかわらず、音楽などの分野でカタルシスという表現と意味が使われることがあります。なぜなのかを次項で説明していきましょう。

音楽での「カタルシス」の意味と使い方

音楽のテーマが悲劇であるから起きるカタルシス

なぜ、音楽でカタルシスという意味の言葉が使われるのでしょう。また、音楽以外でも、絵画を評して、カタルシスを感じさせるというような場合もあります。

この場合、音楽や絵画が扱っているテーマが悲劇である場合があります。例えば、バッハのマタイ受難曲などはキリストの悲劇を描いているので分かりやすい例です。絵画ではピカソのゲルニカなどは、かなり直接的な題材を描いています。

この場合、悲劇によって喚起される共感覚によってカタルシスが生まれることを意味するでしょう。また、アリストテレスの時代により近い形式としては、音楽と演劇、詩を融合させたリヒャルト・ワーグナーが有名です。熱狂的なファンが多いことで知られるワーグナーですが、魅力のひとつにカタルシスという要素があることは間違いありません。

アーティスト自体が悲劇であることから起きるカタルシス

先ほどの例は、音楽の中で取り上げられたテーマ、歌詞の意味などによって、悲劇を見たと同じ効果が発揮されることによって起きるカタルシスでした。

しかし、歌詞やテーマが明確でないジャズやクラシックの分野においてもカタルシスが起きることがあります。この場合では、アーティスト自体が悲劇性を持っているためということがあります。

例えば、ジャズミュージシャンのバド・パウエルは悲劇的な生涯を送ったことで知られますが、それらが音楽を通して伝わってくると感じる人も多いです。そして、なぜだかわからないが、彼の音楽を聴くとカタルシスを感じると言います。これはバド・パウエルを通じて悲劇を体験していることから起きているカタルシスと言えるでしょう。

同じように、クラシックの世界ではジャクリーヌ・デュ・プレの音楽にそれを感じる方もいるでしょう。また、歌手でも、例えば尾崎豊などにカタルシスを感じる人もいます。

身体表現(ダンス)によるカタルシス

音楽における上記2つのカタルシスは、どちらかというと頭脳で発生するカタルシスと言えるでしょう。しかし、音楽を聴き、自然と体が動きだし、ダンスをすることによってカタルシスが発生するという例もあります。

この場合、原始的な生活を営んでいる人間達の間では特に、トランス状態と意味の区別がつきにくい特徴があるといえるでしょう。しかし、音楽を聴いて体を動かしているうちにカタルシスが発生していることは間違いありません。

後ほど精神分析の項目でご説明しますが、これは抑圧されていた感情が他のものに転嫁されることによって起きるカタルシスを意味すると言えるでしょう。

使い方

音楽における「カタルシス」の意味が分かったところで、いくつか例文を紹介します。

・私はマタイ受難曲に描かれたイエスの死と復活にカタルシスを感じた。

・ボブ・ディランが歌う「風に吹かれて」は、シンプルなメロディにのせて戦争の愚かさと過ぎ去った時の重さを感じさせ、カタルシスの境地にいざなってくれる。

「カタルシス」の意味と心理

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