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児童福祉司になるためには|児童福祉司の資格・任用資格の取得方法

更新日:2020年08月20日

「児童福祉司」という任用資格をご存知でしょうか。初めて耳にする方も多いかもしれませんが、児童虐待ケースの増加に伴い、近年ニーズの高まりが見られる職業です。今回の記事では、児童福祉司の仕事内容や資格取得方法、給与などについて詳しく紹介していきます。

児童福祉司とは?

児童福祉司とは、児童福祉法において定められている任用資格です。児童福祉司の職場となる児童相談所は、都道府県と政令指定都市に設置が義務付けられており、2016(平成28)年4月1日現在、全国に209か所あります。

児童福祉司の主な職務は、18歳未満の子どもや保護者等から子どもの福祉に関する相談に応じ、専門的技術に基づいて家庭調査や個別指導、関係調整などを行い、彼らが抱えている問題を解決へ導く手助けをすることです。

近年、児童相談所における児童虐待相談対応件数の増加が続き、複雑・困難なケースも増えていることを受けて、2019(平成31)年までに児童福祉司を550人増員することを目標にしたプランが、2016(平成28)年4月に厚生労働省によって発表されました。児童福祉司は、今後ますます担い手が求められる職業なのです。

児童福祉司の仕事内容

児童福祉司は、子どもに関する問題について、子どもや保護者、学校からの相談や、福祉事務所、警察署等の関係機関からの通告や送致を受け付けます。

相談内容に応じて問題を抱える子どもや保護者等の状況や事態を把握し、どのような援助が必要かを判断するために調査や社会的診断を行います。援助がうまくいかなかった場合は再調査を実施し、関係機関と協議を重ねながら連携体制を取り、問題が解決するまで継続的に支援していきます。

問題解決までの支援過程

児童福祉司に寄せられる相談には、主に次の3つの種類があります。

・養護相談:保護者の都合(家出、失踪、死亡、離婚、入院、服役など)による養育困難、虐待、ネグレクトなどの養育環境の問題に関する相談

・非行相談:犯行為、触法行為、問題行動のある子どもなどに関する相談

・育成相談:子どもの性格上の問題、家庭内のしつけ、不登校、進学適正などに関する相談

以上のような相談を受けた後に、社会調査を行います。児童福祉司が中心となり、子どもの家庭環境や集団所属の状況、生活歴、生育歴、現況等について、子どもや保護者と面接し聴き取りを実施するほか、関係機関への訪問、電話での聴取を進めていくのです。

調査結果に基づいて、問題の解決に最も有効的と考えられる援助指針を決定することとあわせて、子どもや保護者等への指導をはじめ、児童福祉施設等への入所または通所、里親制度の活用、家庭裁判所や福祉事務所への送致など、行政処分としての措置を決定します。

児童福祉司になるための最短ルート

指定の大学や養成校を修了する

児童福祉司になるためには、児童福祉司の任用資格を取得する必要があります。その方法はいくつかありますが、一般的には大学や養成校の必修課程を修了することが一番の近道です。

大学の場合は、4年制大学の心理学・教育学・社会学を専修する学科で指定科目を修めて卒業した後に、指定施設で1年以上業務に従事することなどにより、任用資格が得られるという流れです。

また、児童指導員養成のための科目が設置されている福祉系の専門学校などの養成校を卒業後、指定施設で1年以上業務に従事するなどして任用資格を得るというルートもあります。

通信教育という選択肢も

児童福祉司の任用資格を取得するその他の方法として、通信制大学の教育課程を修了することも認められています。4年制大学の場合と同じように、通信教育課程においても理学・教育学・社会学を専修する学科で必修単位を取得して卒業した後に、指定施設で1年以上業務に従事することが条件となります。

全国各地に通信教育課程を設けている通信制大学はありますが、通信授業(自宅学習)と面接授業(スクーリング)の構成や学費などの面にそれぞれ特色や違いが見られるので、通信教育を利用する際はいくつかの通信制大学を比較して検討してみると良いでしょう。

児童福祉司の任用資格について

児童福祉司の任用資格要件

児童福祉司の任用資格要件については、児童福祉法第13条第2項に明記されています。以下の6つ項目のうち、いずれか1つを満たしていることが要件として求められます。

・都道府県知事の指定する児童福祉司等養成校を卒業、または都道府県知事の指定する講習会の課程を修了した者

・大学で心理学・教育学もしくは社会学を専修する学科等を卒業し、指定施設で1年以上相談援助業務に従事した者

・医師

・社会福祉士

・社会福祉主事として2年以上児童福祉事業に従事した者で、厚生労働大臣が定める講習会の課程を修了した者

・上記と同等以上の能力を有する者で、厚生労働省令で定める者

任用資格を得るだけでは児童福祉司にはなれない

任用資格は、特定の資格を取得すれば職位・職業として公称できるというものではなく、該当任用資格を取得した後に、該当職務に任用・任命されてはじめて効力が発揮される資格のことをいいます。

ですので、児童福祉司になるには任用資格を取得するだけでなく、地方公務員試験に合格した上で、勤務を希望する児童相談所の児童指導員採用試験を受けて採用される必要があります。採用試験の内容は施設によってさまざまですが、面接・一般常識筆記試験・作文を実施するところがほとんどのようです。

気になる児童福祉司の給与額は?

児童福祉司は地方公務員という扱いになるので、公務員に準拠した金額が給与として支払われます。

採用される自治体や自身の年齢によってもらえる給与に多少の差が見られたり、地方公務員は年齢が上がるにつれて給与も高まっていく傾向があったりするため、ひと口にいくらぐらいだと明言することはできません。

ただ、総務省がまとめた「平成28年地方公務員給与実態調査結果等の概要」によると、地方公務員の平均給与月額は365,549円(内訳:平均給料月額 321,689円 + 諸手当月額 43,860円)とのことなので、児童福祉司の給与水準もこのぐらいではないかと予想されます。

さらに、地方公務員は年2回賞与(ボーナス)を受け取れること、一般企業と異なり倒産する心配がない安定した職であることを加味して考えると、児童福祉司は仕事内容以外の要素的にも魅力ある仕事だということが分かります。

児童福祉司の将来的展望

近年加速している少子化によって子どもの数が減少傾向の一途をたどっているのに対して、児童相談所への相談件数は年々増え続けています。

相談件数が増加している背景については、単に問題の発生率が高まっているというネガティブに捉えるだけにとどまらず、問題の早期発見に努め、子どもや保護者の悩みに寄り添い支援を続けてきた児童福祉司の役割が広く認められてきた成果だと前向きに評価をすることもできるでしょう。

実際に、児童福祉司の役割の重要性が見直されつつある昨今は、2016(平成28)年の児童福祉法改正により児童福祉司を「人口4万〜7万人に1人」から「4万人に1人」配置するよう義務付けられ、配置基準が強化されました。

また、同年には厚生労働省から、児童相談所で虐待ケースに対応する児童福祉司を含む専門職を2015(平成28)年度から1120人ほど増やし、2019(平成31)年度末までに計5,340人にまで増員する「児童相談所強化プラン」も発表されました。これらを受けて、児童福祉司へのニーズは高まりを見せています。

初回公開日:2017年07月18日

記載されている内容は2017年07月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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