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2017年11月05日

パリ協定で批准した日本の対策|約束草案/目標/課題/取り組み

ニュースなどのメディアで取り上げられることが多くなった「パリ協定」。その内容とはどのようなものなのでしょうか。温室効果ガス削減に対して、どのように日本は取り組んでいくのでしょうか。またパリ協定によって、国民の生活にどのような影響が出るのでしょうか。

パリ協定で批准した日本の対策

パリ協定という言葉をニュースなどで聞いたことがありますか。最近では、アメリカの負担が大きすぎるとしてトランプ大統領が脱退したことでも話題となりました。ではパリ協定とは、どのようなものなのでしょうか。パリ協定とは、気候変動の抑制に関する多国間の国際的な協定のことで、2015年12月12日に国連の会議「COP21」において採択されました。

パリ協定は地球温暖化を防止することを目的とし、2020年以降の温室効果ガスに一定の制限をかけることを定めています。190カ国以上によって合意された、この国際的なルールは、2016年11月4日に発行されたことにより、法的な効力を持つようになっています。

パリ協定の目標

パリ協定の具体的な目標としては以下の2つがあります。

・産業革命前と比較して、気温上昇を1.5℃以内にすることを目標とする
・21世紀の後半に世界の温室効果ガス排出を実質ゼロにする

では、こうした枠組みのなかで、日本の約束草案がどのような内容か見てみましょう。

日本の約束草案

2020年以降の温室効果ガスの抑制について、平成27年7月に、日本は国連に対し約束草案を提出しています。その内容は以下のリンクをご参照ください。なぜこのような「約束」を提出するかというと、温室効果ガスの主要排出国は5年ごとに、目標達成度を国連によってチェックされるからです。

またパリ協定では、京都議定書のように厳しい拘束によって達成するというより、各国の自主性を重んじる「約束」という形式をとっています。なぜなら、あまりに厳しい拘束を課すと、パリ協定を脱退する国が多くなり、地球規模で取り組む温暖化対策とならないためです。

2020年以降の温室効果ガス削減に向けた我が国の約束草案は、エネルギーミックスと整合的なものとなるよう、技術的制約、コスト面の課題などを十分に考慮した裏付けのある対策・施策や技術の積み上げによる実現可能な削減目標として、国内の排出削減・吸収量の確保により、2030年度に2013年度比▲26.0%(2005年度比▲25.4%)の水準(約10億4,200万t-CO2)にしました。

出典: http://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/2020.html |

パリ協定での日本の目標

先ほど述べたように、日本の目標としては、2030年に2013年と比較して26%の温室効果ガス削減となっています。その前の2020年においては、2005年と比較して3.8%減以上の削減を目指しています。

これらの日本の目標は、2080年において達成する目標のための中間目標です。2080年には、2013年と比較しての80%削減を目指します。さらにこれは、最終的な目標として2100年には排出量ゼロを目指すパリ協定の目標実現のために、必要な過程ともなります。

パリ協定での日本の課題

地球規模の温暖化は、科学的見地から見れば世界規模の工業化による温室効果ガスの排出が原因であることは疑う余地がないとされます。逆に言えば、これらを抑制することによって現在の地球温暖化を防ぐことができるということにもなります。

日本政府の閣議決定案によると、地球温暖化を防ぐ道筋には複数の経路があり、総合的に取り組むことが重要であると述べられています。特に、日本が果たすべき重要な役割としては、電気自動車開発などの技術的貢献に加え、それらの普及が求められます。また、議論の余地はありますが原子力発電などを用いて火力発電などに変わるエネルギー問題の解決も求められています。

パリ協定に向けての日本の取り組み

海外での取り組み

またパリ協定においては、日本をはじめとする先進国は途上国への資金援助が義務として盛り込まれています。また先ほど触れた日本の技術開発も、必要であるならば日本以外の途上国への提供などが望まれます。このような地球規模での温暖化対策においては企業の利益、利害関係を調整し、政治主導による総合的な対策がパリ協定の目標達成には不可欠となります。

国内での取り組み

また、日本国内においては、地球温暖化対策が緊急を要する問題であることの意識付けが必要であるため、家庭用燃料電池や、太陽光発電など家庭レベルで行うエネルギー代替を通じて、温室効果ガス削減に対する意識を高める試みを企業と連携して行うということが、政府案に盛り込まれています。

2020年および2030年のパリ協定に対する中間目標を達成するには、企業だけでなく日本国民一人ひとりの家庭レベルでの貢献が必要であることは言うまでもありません。

パリ協定にむけての日本の政策

日本の産業分野に対しては、省エネルギーシステムの導入を奨励するとともに、二酸化炭素をはじめとする排出量の厳正なチェックを行う政策を策定しています。また建築部門においては、省エネ基準を設け、基準を満たす場合のみ建築を許可する法律を用意しています。

また、家庭の住居においても、省エネ基準の義務化を順次すすめていくとともに、日本中の既存住宅の断熱改修などの補助金制度についても整備を進めていく方針となっています。

パリ協定での日本の対応と遅れ

パリ協定での日本の対応は、端的に言って遅れたといえるでしょう。パリ協定は批准国・地域が55以上であり、温室効果排出量が55%に達したときにはじめて発行することになっていたため、日本は2018年までこの水準にならないだろうと予想していました。ところが、2016年にアメリカと中国が相次いで批准したことがら、パリ協定が発効されました。

このため、日本政府は国会承認を取るための時間が間に合わず、パリ協定への批准を行うことができませんでした。京都議定書などの経緯もあり、ある程度のリーダーシップをとっていた日本としては信頼を失う行為だったと言えるでしょう。

パリ協定からの日本の影響

トランプ大統領がパリ協定を脱退した理由にあるように、企業側から見ると、パリ協定の目標を達成することに痛みを伴うケースがあります。日本においてもそれは同様です。これらのことから、自然エネルギーの代替などのコストが日本の各家庭にまでおよび、例えば電気料金の値上げとして具体的に家計に影響がでる可能性があります。こうした意味ではパリ協定とは非常に生活に密着しているといえるでしょう。

しかし一方で、例えば電気自動車に置き換わることによる経済効果など複合的に影響がでるため、パリ協定の影響で、一概にこうなると予想することは難しいと言われます。いずれにしてもパリ協定によって全世界的にエコロジー技術が発展していくことは間違いないので、最終的には良い影響をもたらすであろうと見込まれています。

パリ協定での日本の温室効果ガスについての対策

では、パリ協定によって具体的になにがどれだけ変わることにより、温室効果ガスの抑制をしようと考えているのでしょう。分かりやすいところでは、効率の良い証明LEDの導入が奨められます。2020年までに家庭だけに限っても2.4億台の普及を目標にしています。

現在、値段の高さからご自宅にLEDはないという方も、2020年までにはLEDの普及により値段の問題が緩和されることにより、LEDが家庭の照明のスタンダードに移行していくことが予想されます。

また、家庭用電池の普及も目標にしています。これは電気自動車の充電機能と合わせた試みとしても進められることが予想されます。パリ協定と直接的な関係はありませんが、地震など天災が多い日本において、防災という観点においてもメリットがあるでしょう。また政党によっては原子力ゼロを理念として掲げていますが、その理念の実現に一役買うことは間違いないでしょう。

パリ協定は地球にとって大事!

今回はパリ協定についてご紹介してきましたが、いかがでしたか。「「地球温暖化」「温室効果ガス抑制」というフレーズは、誰もが聞いたことがあるでしょう。トランプ大統領のパリ協定脱退の衝撃も記憶に新しいところです。

しかし、具体的にパリ協定に関して、日本がどのように舵を切り、その目標を達成していくのかについて具体的な道筋はいまだ明らかになっていないと言えるでしょう。安倍首相のトランプ大統領への働きかけなど政治的な外交手腕も問われるでしょう。また、各企業、家庭レベルにおいて確実に温室効果ガスを抑えていくには国民全体の協力が必要と言えるでしょう。

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