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「おられる」の意味と使い方・「いらっしゃる」の違いと使い分け

初回公開日:2017年07月13日

更新日:2020年08月14日

記載されている内容は2017年07月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

一部では敬語としては間違いとされる「おられる」という言葉。この表現は本当に間違いなのでしょうか?実は「おられる」という言葉に隠された、私たちの知らない様々な意味や成り立ちを解明し、「おられる」の正しい使い方や注意点についても詳しく解説しています。

「おられる」の意味は?

折られる、織られる、居られる
読み方:おられる

ラ行五段活用の動詞「折る」「織る」「居る」の未然形である「折ら」「織ら」「居ら」に、受身・尊敬・自発・可能の助動詞「れる」が付いた形。

出典: http://www.weblio.jp/content/おられる | おられるとは - 活用形辞書 Weblio辞書

上記の解説文から、「おられる」という表現には、「~されてしまう」といった受動的な意味と、「~をしていらっしゃる」といった能動的な敬語表現という2つの意味がある事が分かります。

今回、当記事では能動的な敬語表現としての、つまりは「いらっしゃる」と同義である敬語・謙譲語としての「おられる」について説明を行っていきます。なお、当記事では「折る」または「織る」の敬語表現については省略し、「居る」の尊敬を表す表現としての「おられる」についてを主に解説しています。

「おられる」の使い方と用法例

尊敬語としての「おられる」は、敬意を払う対象がその場所に「居る」という言葉に、尊敬の意を込める時に用いる言葉です。自分の上司や先輩などの目に見えて階級や立場が上の相手にも用いる表現ですが、初対面で相手の立場が分からないような場合や、ビジネスシーンでの会話のマナーとしても多く用いられる表現でもあります。なお、具体的な用法例は以下の通りです。

・今日は寒いせいか、冬場のような格好をしている方がおられる。
・本日は田中さんはおられますか?
・電話でお伺いしたところ、田中さんは社内におられないとの事です。
・田中さんは食事をしておられます。

という使い方が出来ますが、敬意の大きさとしては、実はそれほど大きくない表現です。ちなみに、「おられる」は本来謙譲語であるため、上記例の在席確認には相応しくないとされたり、反対に正しい(どちらかと言うと)とされたりと、「おられる」を使う人や状況によって評価が分かれるケースがあります(詳細は後述)。

「おられる」と「いらっしゃる」はどこが違う?

「おられる」と「いらっしゃる」はどちらも同じように使える表現であり、意味も「(対象となる人物が対象の場所に)居る」という意味で、内容はほとんど変わりません。では、この2つの言い回しには、他にどのような違いがあるのかと言うと、以外の2つの点が大きな違いとして挙げられるでしょう。

敬意の大きさが違う!

用法例のところでも少し触れましたが、「おられる」は敬意を示す表現ではありますが、その尊敬度(敬意の大きさ)では「いらっしゃる」という表現よりも下であるとされています。敬意の大きさは「おる<おられる<いらっしゃる」という順となり、「おられる」と「いらっしゃる」という表現は、身内の状況を相手方に伝える時には使われません。

正:田中は本日は社内におりません。
誤:田中は本日は社内におられません(いらっしゃいません)。

使われる地域が違う!

あくまでも一般論としてですが、「おられる」という表現は関東圏では間違いとされるケースが多いです。しかし、これを関西圏や他の地方に目を向けてみると、「おられる」という敬語表現が正しいものとして浸透している地域も多くあります。

これは、「おる」という言葉は関東圏では謙譲語として見做され、そこに「~られる」という尊敬語を加えると“二重敬語”になってしまうからですが、「おる」という言葉が謙譲語として見做され無い地域では二重敬語には当たりません。そのため、「いる」を「おる」と表現している場所においては「おられる」も立派な敬語として見做されます。

「おられる」という表現は間違い?

「おられる」という表現自体は本来であれば間違いとされていますが、前述の地域差などの理由によっては正しいものとして認識されている場合もありますし、関東圏でも当たり前のように使われている敬語表現ですが、実際の生活シーンの中で「おります」という表現を使う事で、何かデメリットとなるような事は起こらないのでしょうか。

「おられる」という表現はグレーゾーン?

前項で書いたように、「おられる」という言葉自体は間違いとは言い切れない部分があります。しかし、人によっては「おられる」という表現を嫌う人もいるため、仕事上の正式な場面などでは「いらっしゃる」を使う事を心掛けた方が良いでしょう。

例えば、「おられる」でも通用する地域においても、その地域外の人とのコミュニケーションを取る機会などは幾らでもあるでしょうから、そういった場合に相手方に不快感を与える可能性が無いとは言い切れませんし、やはり正式には「いらっしゃる」の方が正しい表現ですので、「おられる」という表現はあくまでもグレーゾーンの言い方であるということを心にとめておきましょう。

「おられる」を使って良い時・悪い時

「おられる」という表現は、一応は敬語表現ではありますが、どちらかと言えば砕けた言い回しに近いため、ある程度立場が近く、それなりに馴れた関係の相手に対して使うのが良いでしょう。もちろん、「おられる」を正式な場面で使用する事は、慣例的に間違いでは無いとされる場合もありますが、社外へのプレゼンや文書で使用する事は避けましょう。

ただし、正式な書類であっても、身内や社内関係者のみを対象としている場合には、「おられる」でも特に問題はありません。

「おられる」を敬語・謙譲語で使う時の注意点は?

「おられる」という表現を使用する際にしばしば問題として挙げられるのは、「おられる」という言葉が二重敬語であるという点です。二重敬語とは「おられる=おる(謙譲語)+~られる(尊敬の助動詞)」のように、一つの言葉に2つの敬語・謙譲語などが混ざってしまっている状態の事を言います(例:お話される、おっしゃられるetc.)。

こういった表現は文法的にもマナー的にも誤りであるとされていますが、前述のように、「おられる」の場合は慣例的に文法的にもマナー的にも正解であるとされるケースもあります。しかし、それはやはり「相手による」という部分には十分注意をしなければいけないでしょう。

人によっては慣例的に認められた二重敬語にも嫌悪感を感じる方もいらっしゃいますし、本来は間違いであると考えれば、それを知りながらワザと「おられる」という表現を使う事も、あまりマナーの良いものとは言えません。

「おられる」と「いらっしゃる」を使い分けてみよう!

「おられる」と「いらっしゃる」の敬意の大きさについては先に書いた通りですが、これを人によって使い分ける事は良い事ではありません。例えば、取引先との会議中に役職が高い人には「いらっしゃる」を使い、その部下にあたる方には「おられる」を使うなどの区別は言語道断です。

両者を使い分けるのはあくまでも「使う場所」のみで、プライベートでは「おられる」を使い、ビジネスシーンの会話や文書には「いらっしゃる」を使うなどであれば問題はありません。しかし、そもそも使い分ける必要性があるのかは疑問です。

はっきり言ってしまえば、相手方に不快感を与えるリスクのある「おられる」を気を付けて使用するよりも、どんな状況でも最大の敬意となる「いらっしゃる」を使う方が無難ですし、相手方も最大の敬意を払って貰っているのですから、嫌な気はしない筈です。

敬語表現を上手に使い分けて人間関係をスムーズに!

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