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ビジネスシーンでの敬語の正しい使い方|手紙/メール/ビジネス文書

初回公開日:2017年08月21日

更新日:2020年08月14日

記載されている内容は2017年08月21日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

様々なビジネスシーンにおいて、敬語の円滑な活用は必須です。その敬語のひとつに「ご連絡」があります。この「ご連絡」は、企業間の意思疎通には欠かせないひとつの手段です。
実際のビジネスシーンを想定して、「ご連絡」の正しい使い方を解り易く紹介します。

ビジネスシーンでの敬語の正しい使い方

三種類の敬語

敬語とは、相手を敬うことばであり、敬う方法にも三種類あり、各々に対応した三種類の敬語があります。これらを、使う相手、使うシーンに合わせて適切に選択することが重要であり、その選択を誤ると、敬語が敬語でなくなり、相手に不快感さえ与えることになります。

・尊敬語:自分よりも目上の人、或いは相手を立てる際に使います。取引先の人は年下であっても、目上です。
・謙譲語:自分を相手よりも下に置き、謙り、相手を立てる際に使います。
・丁寧語:文字どおり、語尾に「です」、「ます」、「ございます」を付け、丁寧さを表す際に使います。

実際のビジネスシーン

以下に実際のビジネスシーンを想定したストーリの中で、敬語の使い方を解説します。

(ストーリー)国内に広い販売網を持つA社と、品質の良い製品を製造するB社が10年前に共同企画販売を立ち上げ、順調に売り上げを伸ばしています。次年度が節目の10年目に当たります。

それを前に、次年度の販売計画を策定するための第1回目の会議をA社で開催することになりました。この会議の開催に向けて両社のやり取りが発生し、会議では、様々な熱い議論が交わされ有意義な第1回目の会議が無事終了しました。ここまでの流れの中で、両社の間で取り交わされた意思疎通、各種の情報を「敬語」という観点から紹介します。

・大まかな流れ
・会議案内
・会議当日までのやり取り
・会議当日の議論

会議案内(メール本文)

A社の担当の課長から、B社の担当の課長へ、会議日程、内容を示した会議案内文書がメールで送信されました。会議案内文書は、ワープロで作成し、添付されています。会社間での重要な会議ですので、メール本文にはその詳細は記述せず、きちんとした文書により記述することがビジネスマナーです。

B社〇〇部〇△課長
A社の〇□でございます。いつもお世話になっております。

さて、毎年恒例の「共同企画販売計画策定会議」開催の時期が参りました。添付の要領にて、開催予定でございますので、内容をご確認いただき、ご出席者等のご連絡をお待ちしております。次年度は、御社との共同企画販売が開始されて10年という節目の年度でもありますので、弊社と致しましてもこれまで以上の成果を期待するところでございます。何卒、宜しく取り計らい願います。


(挨拶部分の解説)
・〇△課長様とは、表現しません。「課長」は、既に敬語(敬称)なので「様」あるいは「殿」は不要です。
・A社の〇□でございます。:「です」よりも「ございます」が丁寧度が増します。
・いつもお世話になっております。:定番です。初対面以外は必ず記述しましょう。

(本題部分の解説)
・参りました。:「来ました」ではなく、謙譲語としての表現です。
・御社、弊社:尊敬語と謙譲語でありB社様、我が社とは、表現しません。ビジネス敬語とも言えます。

会議案内(会議案内文書)

以下は、前述のメールに添付した「会議案内文書」の内容です。
平成〇年〇年〇日
B社〇〇部
部長 〇△△〇様
A社〇□部

部長 〇□□〇
〇〇年度「共同企画販売計画策定会議」開催について
拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。さて、標記につきまして、下記の要領で開催いたしますので宜しく取り計らい願います。


1.日時  
〇〇年〇〇月〇〇日13時~17時
2.場所 
A社 第1会議室

3.出席者 
B社〇〇部 部長、関連各課長
A社〇□部 部長、関連各課長
4.議題
・前年度販売実績報告
・次年度への課題
・次年度販売計画案報告

その他
・出席者のご連絡は、〇日〇日までに、〇〇部〇△へお願いします。
・御社作成分の資料は、〇日〇日までにメールでの送付をお願いします。
なお、間に合わない資料は、会議当日にお持ち下さい。

(解説)
・部長 〇△△〇様:役職名は、名前の前にいれます。
・会議当日にお持ち下さい:
「お持ち下さい」は、敬語です。「ご持参ださい」は、一見敬語のように見えますが「持参する」という謙譲語に「ご」をつけたものであり、完全に間違いです。自分が持っていく場合に、「その資料は、当日私が持参致します」と使います。

会議当日までのやり取り(電話)

・B社からの電話を受ける
・課長宛ての電話を部下が受け、課長が席を外している場合の例文
「申し訳ございません、課長はただいま席を外しております。直ぐに席に戻ると思います。戻り次第、折り返しお電話を差し上げるように致しましょうか?」と伝える。

(解説)
「差し上げます」は、美しい謙譲語です。更に「致し」を付け丁寧度が増しています。「あとで、電話するように伝えます。」では、失礼です。

・課長宛ての電話を部下が受けたが、課長が時間を要する会議に出席中の場合の例文
「申し訳ございません、課長はただいま取り込んでいるようです。よろしければ、私が承りましょうか?」

(解説)
「私が承りましょうか?」の「承る」は、気の利いた美しい謙譲語です。「私がお聞きしましょうか?」では、敬語にはなっていません。

・課長宛ての電話を部下が受けたが、課長が家庭で急用が発生して、有給休暇で休んでいる場合の例文
「申し訳ございません、課長は、本日は休んでおります。明日(みょうにち)は、出社致しますので、お電話を差し上げるように致しましょうか?」

(解説):最近、「お休みをいただいております」、「お休みさせていただいております」という変な表現が横行しています。使っている人は、謙譲語であると勘違いしているようですが、こんな謙譲語はありません。休みを取った課長は、自分の意志で取り、それを上司に願い出て、上司が許可したわけです。電話をかけてきた相手に休みの許可を貰ったわけではないのです。同様に、芸能人が「結婚しました」で良いものを「結婚させていただきました」と変な表現をしています。

・B社へ電話をかける

・B社の課長宛てに電話をかけたが、会議中であり、30分程で席に戻ると告げられた場合の例文
「承知致しました。それでは改めてこちらからご連絡を差し上げます。」

*解説:「承知致しました。」は、謙譲語です。ここでの「ご連絡」は文脈からして「お電話」と同じ意味に解釈され、不自然ではありません。

会議当日までのやり取り(メール)

・B社が作成した資料をA社がメールで受け取る
A社〇〇部〇△課長
B社の〇□でございます。
いつもお世話になっております。
今般の会議における弊社担当分の資料を送付致しますので、ご査収のほど宜しくお願い致します。

・資料を受け取ったA社がB社へ返信
B社〇〇部〇△課長
A社の〇□でございます。
いつもお世話になっております。
早速の資料送付に感謝致します。確認させていただきましたが、特に問題はございません。それでは、会議当日は、宜しくお願い致します。

(解説):「査収」は、よく調べて受け取るという意味です。これに「ご」という接頭語を付け、「ご査収」という敬語(尊敬語)になっています。これもビジネスの世界ではよく使われるビジネス敬語です。

会議当日の議論

取引先との会議においても、「敬語」を上手に使いこなすことにより、お互いの利益に繋がる結果が得られます。両社は、自社の「力」つまり、A社は販売力、B社は製造力の強化に取り組むことを宣言しています。その一方で、A社は、取引先であるB社の製造品質の向上を求め、B社は、取引先であるA社の販売力の増強を求めます。

両社の思惑がぶつかり合う会議では、激論になることは避けられませんが、冷静に議論するためには、相手を立てる敬語が欠かせません。以下に、意見が対立した際に、冷静に議論するための「敬語」を示します。

・御社のご意見には、賛成しかねるところがございます。

・おっしゃるとおりですが、弊社の意見としては

・その数字には、承服出来かねます。

・弊社の〇△課長が申し述べましたように

・大変恐縮ですが、手短にお願い致します。

・おことばを返すようで、申し訳ないですが

・大変申し上げにくいのことですが

・誠に僭越ながら

・お手数をおかけするのは、誠に心苦しいのですが

ご連絡はどのように表現するか

ご連絡とは?

人と人、会社と会社が、何らかの媒体を使い情報を伝えることです。この媒体は、時代と共に変化と進化を遂げており、古い媒体として「のろし」がありました。更に、飛脚(手紙)、郵便(手紙)、電報、電話、FAX、メール、SNSとなり、連絡媒体の機能拡大が継続しています。

この中で、今日の企業間において、使用している媒体は、電話、FAX、メールが挙げられますが、最近では、電話、FAXの利用度が少なくなり、「メール」が主流の企業が増えています。なお、手紙については、個人間の連絡媒体として残っていますが、企業間には、存在しません。「ご連絡」とは、「連絡」に接頭語の「ご」を付けた敬語です。

使用方法によって、 尊敬語、謙譲語、いずれにも使うことができます。「ご連絡をお待ち申し上げております」と使えば、尊敬語となり、「後ほど、こちらからご連絡を差し上げます」と使えば謙譲語となります。

媒体選択と方向

・「ご連絡」の媒体は?
「後ほど、こちらからご連絡を差し上げます」これは、取引相手から何らかの連絡媒体を通して、連絡が届き、その後に、こちらから取引相手に連絡するという際の文言です。しかしながら、これだけでは、取引相手へどの連絡媒体を使い「ご連絡」をするのか判別ができません。なんとなく、この場合は、「ご連絡」を、「お電話」と解釈はできます。

例えば、取引相手が、電話で数量を問合せてきた場合、正確に伝えるために気を効かせてメールで連絡する場合は、明確に「後ほど、こちらからメールでご連絡を差し上げます」という言い方をお勧めします。この「メール」を明言しない場合には、取引相手は「電話」を待っている可能性が高くなり、意思疎通に支障をきたすことになります。従って、前後の文脈で、連絡の媒体を相手が特定できる場合は、明言は不要ですが、そうではない場合は、連絡媒体を明言しましょう。

・「ご連絡」には方向がある 「ご連絡」には、以下のように二つの方向があります。
・こちらから取引相手へ
・ご連絡を致します。
・ご連絡申し上げます。
・当方より、別途ご連絡を差し上げます。

ご連絡をさせていただきます→丁寧な言い方に感じますが、相手に許可、つまり連絡をくれと頼まれた場合に使うものであり相手によっては、不快感を持たれるので使用不可です。

・取引相手から、こちらへ
・ご連絡をお願い致します。
・ご連絡していただけますでしょうか。
・ご連絡をお待ちしております。
ご連絡下さい→強引な印象があるので、使用不可です。

電話を使う「ご連絡」

現代においては、携帯電話インフラの進化により、ビジネスマンは、会社内はもちろん社外のどこにいても電話による連絡が取れます。それだけに、取引先と、電話による「ご連絡」を取る機会が増えています。その「ご連絡」の中での注意する点については、前述の「会議当日までのやり取り(電話)」の項目の中で紹介しましたが、それ以外の注意点を以下に紹介します。

・電話をかける場合 
自分の所属と氏名を名乗り、連絡を取りたい相手の在席状況を確認します。不在の場合は、失礼のない範囲で、不在状況を電話に出て人に訊き出します。相手の役職に関わらず、相手からの連絡を強要するのは失礼ですので、こちらからかけ直す旨を伝えるようにして下さい。ただし、親切にどうしても相手からかけてくると言われた場合は、素直に受けても構いません。

・それでは、こちらから後ほど、ご連絡をさし上げます。
・それでは、こちらから明朝に、ご連絡を致します。
・それは大変恐縮ですが、ご連絡をお待ちしておりますので、宜しくお願い致します。 
・電話を受ける場合 

取引相手からの電話を待っていた場合には、必ず、「お忙しい中、ご連絡をいただき誠にありがとうございます」とわざわざ、電話をかけていただいたことへの労い(ねぎらい)を冒頭に告げることを忘れないようにして下さい。

メールを使う「ご連絡」

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