Search

検索したいワードを入力してください

「行く」の尊敬語・謙譲語/丁寧語の使い分け・「来る」との違い

初回公開日:2017年10月30日

更新日:2020年08月14日

記載されている内容は2017年10月30日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

「行く」には、いろいろな敬語表現があります。尊敬語では「いらっしゃる」「おいでになる」「行かれる」などがありますが「来る」の意味も持つ言葉もあります。各尊敬語の使い方、謙譲語や丁寧語、「来る」意味を持つ言葉との使い分けなどについて説明しています。

「行く」の尊敬語とは?

「行く」ことを表現する機会は多くありますが、時には敬語で伝えないといけない時も少なくありません。特にビジネスシーンで、上司・取引先・お客様などの目上の人に対して「行く」ことを伝える時には敬語は欠かせません。また、敬語を用いたとしても間違えないように気を付ける必要もあります。

「行く」の尊敬語は1つではなく、いくつかあります。「おいでになる」「お行きになる」「いらっしゃる」「伺う」があり、それぞれニュアンスおよび使い方が違ってきます。各「行く」の尊敬語についてお伝えしていきますので、実際に「行く」を尊敬語で伝える時の参考にしてください。

「行く」の尊敬語その1「おいでになる」

「おいでになる」という「行く」の尊敬語は、ビジネスシーンでよく用いられます。「おいでになる」は敬語として少々難しい表現なので使い方としても困惑するものになる場合もありますが、ちゃんと理解することで使い方を間違えることはなくなるでしょう。それでは、まずはじめに「行く」の尊敬語「おいでになる」についてご紹介します。

「おいでになる」の意味

「おいでになる」は「行く」の尊敬語としても使用されますが、「来る」「いる」の尊敬語としても用いられます。すなわち「おいでになる」には、「行く」「来る」どちらの意味もあるということです。「行く」は「向かうこと」で「来る」は「向かってくること」ですが、この違いは「どちらに居るのか」です。

「行く」は「ここから向かう」ことなので、目的地ではないところにいます。「来る」は「ここに向かってくる」ことなので、この言葉を使用した人は目的地となる場所にいることが示されています。このように「行く」と「来る」はニュアンスが違うため、どちらの意味でも使える「おいでになる」の使い方には戸惑いが生じることもあります。

「行く」の意味で使用する場合

「おいでになる」は「来る」の意味ではなく、「行く」の尊敬語として用いることが一般的です。「おいでになる」という響き的には「来る」のイメージがされやすいのですが、「行く」の意味を示す尊敬語としてもよく用いられます。その理由は、「来る」ことを表す尊敬語は他にもあるからです。

「行く」の意味で「おいでになる」を使用する時は、「おいでになりましたか」などの言い方にして使うこともできます。「展示会にはおいでになりましたか」は疑問を示す口調で、尊敬語を取り除いて単に丁寧な言い方にすると「展示会には行きましたか」という感じになります。

「来ましたか」「行きましたか」のニュアンスの違い

「来ましたか」という意味でも使えますが「来ましたか」の意味で「おいでになりましたか」を用いる状況は、今自分が展示会にいる時です。「行きましたか」の意味で用いる時は、今自分が展示会にいない状況です。「来ましたか」=「ここに来たか」、「行きましたか」=「そこに行ったか」というニュアンスになります。

「来る」の意味で使用する場合

「行く」の尊敬語・謙譲語/丁寧語の使い分け・「来る」との違い
※画像はイメージです

「おいでになる」は「おいで」を丁寧な言い方にした言葉とされています。「おいで」は「こっちに来て」という意味を持つ言葉なので「おいでになる」も「来る」の尊敬語として用いられることが多いかと思いきや、「行く」の項目でも触れましたが「おいでになる」の一般的な使われ方は「行く」の尊敬語です。

しかしながら「行く」と「来る」はそのことを伝える人がどこにいるのかでニュアンスが違ってくるだけで、イメージとしての意味は似ています。すなわち、「おいでになる」の言葉だけで「行くこと」「来ること」の両方を表現てすることができるのです。

「行く」と「来る」の使い分けではどちら側にいるのかが示される

たとえば「○○様がこちらへおいでになります」という使い方では「○○様がこちらに来ます」という言い方としても受け取れますが、「○○様がここに行くという姿勢があります」という言い方にも受け取れます。「行く・来る」ことを行う人の動きを想像してみると分かりやすいのですが、行う人にとっては「行く」も「来る」も同じことなのです。

表現を「行く」にするか「来る」にするかは、行う人以外(客観的立場=本人以外)です。移動する本人が目的地としている場所にいる人が「○○様がおいでになります(来ます)」と表現し、その「来る」という意味合いにプラスして「行く様子」も示しているのです。簡単に言えば「行く」=「来る」となりますので、大事なのは「おいでになる」の使い時です。

「いる」の意味で使用する場合

「行く」の尊敬語・謙譲語/丁寧語の使い分け・「来る」との違い
※画像はイメージです

「いる」というのは「居る」のことで、「ここに存在している」ことを意味しています。「おいでになる」は「行く・来る」の尊敬語であり、この2つの意味は似ていることから尊敬語として同じ扱いがされることはイメージしやすいでしょう。その中で「いる」の意味としても使えるとなると、さらなる困惑が生まれることもあります。

「いる」で用いる時には「おいでになられますよ」などと言いますが、これは標準語にすると「居るよ」になります。「行く」の意味で使う場合の項目でもお伝えした「おいでになりましたか」には、「行く」の他に「いる」の意味も込められて居ます。

「いる?」=「ここに来た?」の意味になることもある

目的地以外で言う「おいでになりましたか」=「行きましたか」ですが、目的地側にいるとしてこの質問をした時には「来ましたか」の意味になり、「来ましたか」=「ここに居ますか」という意味にもなります。

「ここに来たのか」=「ここに居るのか」という意味で「おいでになりましたか」は用いられることもあり、「行きましたか」の意味との使い分けは自分がどこにいるのかが関係します。

「おいでになる」の意味をまとめると、自分が目的地側にいる時は「来る」「いる」の意味で「おいでになる」を言い換えた言葉を使用することができます。

自分が目的地側ではない場所にいる時は「行く」の意味で「おいでになる」を用いることができます。少々意味に関しても戸惑いやすいのですが、「いってらしゃい」と言う立場にあるのか「おいで」という立場にあるのかを考えるとイメージしやすいでしょう。

「行く」の尊敬語その2「いらっしゃる」

「いらっしゃる」は「行く」の尊敬語ですが、「来る」「いる」「ある」の尊敬語でもあります。この点では「おいでになる」と似ていますが、使い方ではどうでしょうか。それでは「いらっしゃる」についてご紹介します。

「行く」の意味で使う場合

「いらっしゃる」は「明日はどこへいらっしゃるのですか」という使い方をし、これは「おいでになる」の「おいでになりましたか」とニュアンス的には似ている部分があります。いずれも尊敬語を除いた丁寧語にすると「行くのか」ということを聞いている疑問系の言葉です。

しかしながら「おいでになりましたか」は「行ったのか」、「いらっしゃるのですか」は「行くのか」という違いがあります。「明日はどこへいらっしゃるのですか」は「明日はどこへ行くの」ということで、場所を特定して聞く「おいでになりましたか」と違って「どこに行くのか」を聞く時に用いることが多いです。

Latests