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「よろしかったでしょうか」は正しいのか・敬語と使い方

初回公開日:2017年11月16日

更新日:2020年08月14日

記載されている内容は2017年11月16日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

「よろしかったでしょうか」という言い回しは、コンビニでは日常的に耳にします。最近ではコンビニ以外、特にオフィスでも耳にすることがあります。この「よろしかったでしょうか」は敬語なのか、さらには正しい日本語なのでしょうか。この疑問に対して詳しくお応えします。

「よろしかったでしょうか」とは?

「よろしかったでしょうか」という言い回しは、古来からあった訳ではありません。どのようにして「よろしかったでしょうか」が誕生したのか、「よろしかったでしょうか」は日本語として正しいのかをご紹介します。

「よろしかったでしょうか」の語源?!

「良い」を丁寧な言い方にすると「よろしい」です。相手に何かを確認する際には、「よろしい」+「ですか」と疑問形にします。この「よろしい」という言葉は、「許可する」「差支えない」というなんとなく上から目線のニュアンスがあります。

例えば、先生が生徒に向かって「楽にしてよろしい」という言い回しには、このニュアンスが含まれています。そこで「よろしいですか」の「よろしい」のこのニュアンスを和らげるために「よろしい」+「でしょうか」となりました。

ここで留まらず、「よろしい」の上から目線をさらに和らげるために、「よろしい」をなぜか過去形にしてしまい「よろしかったでしょうか」と、何とも奇怪な言い回しになってしまったものと推測します。

この「よろしかったでしょうか」という言い回しは、若い人を中心に使われている間違った敬語であり、「バイト敬語」或いは「コンビニ敬語」と呼ばれ広く使われています。この「コンビニ敬語」には「よろしかったでしょうか」以外にも数多く存在し、「よろしかったでしょうか」はその内の代表格です。

「よろしかったでしょうか」は間違い!

レストランで注文を受けた店員が、客に注文内容を確認する行動は当たり前です。「ご注文のお料理は、これでよろしかったでしょうか」と言われると、ほとんどの客は、不愉快になります。理由は、現時点に起こっていることに対して、それを「過去形」にしてしまうからです。

確かに注文したのは過去ですが、ほんの数分前のことです。だからと言って過去形にする必要はありません。お客さまに敬意を払うつもりで、敬語と思い込んで使いお客様が不愉快になることは本末転倒です。「ご注文のお料理は、これでよろしいでしょうか」が正しい日本語です。

「よろしかったでしょうか」以外の「コンビニ敬語」

「よろしかったでしょうか」以外にも、次のような奇怪で奇妙な「コンビニ敬語」が氾濫し、今後も増え続ける懸念があります。

千円からお預かりします

コンビニで900円の買い物をした際には、千円札を出します。この時、ほとんどの店員、最近は年配の店員までが「千円からお預かりします」と言います。言っている本人は、お客さまに対しての敬語だと思い込んで使っています。しかしながら、言われた客は、不愉快な思いをします。正しい表現は「千円(を)お預かりします」です。

店員としては「千円から900円をいただくので一旦千円をお預かります」と伝えるつもりが「900円をいただくので一旦千円を」を省略してしまうので「千円からお預かりします」とおかしくなります。さらに酷い時には、900円ちょうどを出した際にも「900円からお預かりします」と返ってきます。

900円ちょうどを受け取るのだから預かるではなく「900円ちょうだいします、或いは900円いただきます」が正しい言い回しです。結局「預かる」という意味を理解していない訳です。また「千円でよろしかったでしょうか」という言葉もよく聞きます。「千円からお預かりします」よりも、さらに不愉快度が増す言い回しです。

おそらく、900円の買い物をして客が千円札を出すつもりが、間違って一万円札を出した際には、お釣りが多くなり財布が嵩張るので「一万円でよろしいでしょうか」という気遣いをするように指導されているのでしょう。それを勘違いして、言わなくても良い千円の際にも言い、さらに「よろしかったでしょうか」を使い、二重の間違いを起こしています。

なります

コンビニのレジ付近においてある商品を注文した際に、店員に「唐揚げ3個と、豚まん2個になります」と言われることがあります。これも完全に間違った日本語です。正しい表現は「唐揚げ3個と、豚まん2個です(でございます)」です。

「なります(成ります)」は、変化・移行をした結果を表す際に使う言葉です。「唐揚げは、それに成る前は何だったのですか」と質問したくなります。「高校生から社会人になります」「弊社は創業して50年になります」が「なります」の正しい使い方です。

オフィス内では「これが次回の会議資料になります」「応接室は1階になります」と、間違った「なります」が使われています。これらの正しい表現は「これが次回の会議資料でございます」「応接室は1階にございます」です。

~の方(ほう)

コンビニで弁当を手に取りレジに持って行くと、店員に「お弁当の方、温めますか」と言われることがあります。さらに酷い時は「お弁当の方、温めてよろしかったでしょうか」と言われることもあります。この「方」は方角の「方」であり、「彼は、あちらの方からやってきました」と使います。

これは「お弁当」をはっきり言うことが失礼だと誤解・勘違いしていると推測します。従って「方」は、全く余分な表現であり、「お弁当は、温めますか」「お弁当を温めてよろしいでしょうか」と「方」を除去した表現が正しい日本語です。

大丈夫ですか

コンビニで支払う際に、店員に「レシート大丈夫ですか」と訊かれて戸惑う人は少なくないはずです。本人は「レシートをお渡ししなくて大丈夫ですか」と言いたいのですが、「お渡ししなくて」を省略するので奇妙な日本語になってしまい理解できなくなります。

正しい日本語は「レシートは必要ですか」「レシートはご入用ですか」です。そもそもレシートが必要か否かを訊く必要はないです。一見親切そうに聞こえますが、大変余計なお世話です。過剰なサービスであり、スーパーでは訊かれません。もっと理解できない「大丈夫ですか」もあります。

同じく、支払い時に「カード大丈夫ですか」と訊かれる場合があります。これは「ポイントカードをお持ちならポイントを付けますが、ポイント付けなくて大丈夫ですか」ということらしいですが、これを理解することはほとんどの人が無理です。

さらに、オフィス内では上司が部下に「今晩、ちょっと行くか?」と誘った際に、部下は「大丈夫です」と応えます。これまでの日本語では、部下は上司の誘いに応じて一緒に飲みにいくはずです。ところが昨今は、意味が逆転しており部下は「大丈夫です」という言い回しで上司の誘いを断っています。

「誘ってくれなくても大丈夫です。わたしはお付き合いできません」ということらしいです。これもほとんど人は理解できません。「よろしかったでしょうか」は、過去形にはなっていますが、意味は理解できます。しかしながら、「大丈夫」は理解の限界を超え、日本語が壊れています。

「コンビニ敬語」以外の誤った日本語

「よろしかったでしょうか」に代表される「コンビニ敬語」以外にも、間違った日本語が氾濫していますので、主なものを紹介します。

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