Search

検索したいワードを入力してください

フェルマータの意味と正しい使い方は?

初回公開日:2018年12月31日

更新日:2020年07月17日

記載されている内容は2018年12月31日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

音楽用語の「フェルマータ」の意味を知っていますか?楽器を弾いたことのある人ならこの記号を見た事があるのではないでしょうか。実はフェルマータには半円以外の特殊な形もあります。この記事ではフェルマータの意味や演奏法などをお伝えします。

フェルマータの意味とは?

音楽用語で使われる「フェルマータ」の意味を知っていますか?半円の中に点がチョンとついたフェルマータのマークは、楽器が弾けなくても、意味を知らなくても、記号自体は見た事があるという人の方が多いのではないでしょうか。

そんなフェルマータ、実はイタリア語で日常私たちがよく使っているあるものを意味します。それは一体なんでしょうか。また、四角いフェルマータや三角のフェルマータが存在することはご存知でしたか。この記事ではフェルマータの意味について幅広く紹介していきます。

音符や休符などを程よく伸ばすこと

小学校や中学校の音楽の授業で、フェルマータとは「音符や休符を程よく伸ばす」という意味であると習ったのではないでしょうか。学校や担当の先生によってはおよそ2倍と習った人もいるでしょう。

実際にフェルマータをどのくらい伸ばすかは正確に定義されているわけではないので、どのくらいのさじ加減が「程よい」のか解釈して判断するのが演奏者の役割です。そのため、同じ曲を同じテンポで演奏しても、演奏者によってフェルマータの長さが異なります。

休止の長さに制限はない

フェルマータの長さに明確な決まりはありませんので、フェルマータのついた休止の長さには作曲者からの指示が特にない限り制限はありません。どれだけ長く伸ばそうと、休止を取ろうと、演奏者の自由です。

だからと言って、あまりにフェルマータを長く伸ばしすぎると間延びして演奏が冗長な印象になってしまいますし、フェルマータが短すぎるとあっさりしすぎて物足りない、ということにもなってしまいます。

演奏者の解釈や楽曲中の記号の付された場所によっても異なる

いかにフェルマータの長さを決めるかと言うのは、演奏者の解釈によって大きく異なります。長いから良い、短いから悪いというような基準はなく、フェルマータのついた場所によって、また曲のイメージを重厚にしたいか、軽快にしたいかでフェルマータの長さを解釈します。

フェルマータが複数続く場合はどこをしっかり伸ばして、どこを控えめなフェルマータにするのかバランスを取るだけでも演奏の印象が変わります。どれもいちいちフェルマータをたっぷり取っていたらこれもまた間延びしてしまうことがあります。

Fermata

フェルマータはイタリア語で、「Fermata」とつづります。「停止」という意味があり、英語における「Stop」と同じような意味です。

イタリア語での意外な意味

フェルマータという単語はイタリア語でとても頻繁に使われる単語です。実は「バス停」のことをイタリア語ではフェルマータ、と呼びます。イタリアに行ってバス停を探したければ「フェルマータ」という言葉を使えば意味が通じるということです。

では音楽用語のフェルマータと、「バス停」の意味が混同しないのかと言うと、そこは心配無用。イタリア語圏ではフェルマータのことを「コロナ(Corona)」と呼びます。「円冠」という意味です。

音楽記号フェルマータはなぜあの形なのか

フェルマータはなぜ半円形をしているか知っていますか?実は私たちが日ごろ目にすることができる、あるものが由来となっています。半円と言えば何か、思い浮かべてみて下さい。音楽には始まりと終わりがあります。私たちが過ごす一日にも、始まりと終わりがあります。一日の終わりに見えるものとはなんでしょうか。

フェルマータの形は、実は一日の終わりを連想させる日没に由来しています。確かに言われてみれば、フェルマータの半円は地平線や水平線に沈んでいく太陽に似ています。

フェルマータには延長記号以外の意味もある

フェルマータが「音符や休符を程よく伸ばす」という意味になったのは、モーツァルトやベートーヴェンが活躍した「古典派」と呼ばれる音楽の時代だとされています。

それ以前にもフェルマータの記号は使われていましたが、実は意味が少し違っていました。バッハやヴィヴァルディが活躍したバロックと呼ばれる時代以前のフェルマータは音符や休符を伸ばすのではなく、カデンツァ(即興)をいれる場所を示していました。

コラールの中の和音進行における終止にフェルマータが置かれるケースも多く、その場合は大幅に音符を伸ばすのではなく、終止感を持たせる程度に音楽を持って行くか、息継ぎをする程度、または全く伸ばしたり音楽を緩めない方が良い音楽もあります。

フェルマータとセットで使われる音楽用語

フェルマータの前にしばしば「rit.」と書かれていることがあります。これはritardando(リタルダンド)の略で、「テンポを少しずつ落としていく」という意味です。リタルダンドで少しずつテンポを緩めていき、フェルマータで音楽が終止(あるいは一旦停止)します。

フェルマータのあとに音楽が続き、「a tempo(ア テンポ、元のテンポでという意味)」と書かれている場合はリタルダンドする前のテンポに戻して始めます。

楽譜記号フェルマータが複重線の上についている場合は?

フェルマータが音符や休符の上ではなく、曲の終わりや途中の複重線(2本の縦線区切り)の上に書かれていることがあります。これは曲の終わりやフレーズの終わりを意味します。単線の上についていることもあります。

曲の終わりの場合は弾き終わった後の余韻を感じるようなイメージで、曲の途中の場合は曲の進行を短時間停止させることもあります。

フェルマータマークの種類と意味

フェルマータには実は半円以外のものもあります。山形や半四角のような形をしていて、初めて目にすると一体これは何だろうと驚きますが、形が違っても音を伸ばすという意味は同じです。音を伸ばす長さだけがそれぞれ違います。

三角フェルマータ

特殊な形のフェルマータは、図形の面積が小さいほど短く、面積が大きいほど長く伸ばすことを意味します。山形に尖った三角フェルマータは、通常の半円フェルマータよりも面積が小さめなので、音は短めに伸ばします。

半円フェルマータ

ごく一般的なフェルマータです。三角フェルマータよりは長く、四角フェルマータよりは短いということになります。

四角(方形)フェルマータ

三角、半円のフェルマータよりも面積の大きい四角フェルマータは、さらに長く音や休符を伸ばすことを意味します。

ただ作曲家によっては同じ楽譜上で異なる大きさの四角フェルマータを複数使用し、小さく書かれた四角フェルマータは短め、大きく書かれた四角フェルマータは長めに、と指示している場合もあります。

フェルマータの演奏のポイント

では実際にフェルマータを演奏してみましょう。フェルマータをどのように伸ばして演奏するかは曲のテンポや曲想によって判断します。曲によってはいきなり急ブレーキかけて停止するように演奏したり、少しずつブレーキをかけて遅くしながらフェルマータに到着するように演奏します。

ピアノでのフェルマータ演奏例

ピアノでのフェルマータの演奏例を動画で紹介します。グリンカ作曲の「ひばり」で、モスクワ生まれのピアノスト、エフゲニー・キーシンが演奏しています。楽譜付きの動画ですので、フェルマータがどこについているか確認しながら聴いてみましょう。

冒頭ページにフェルマータが多く出てきます。どのフェルマータも2倍伸ばしているわけではなく、1.5倍以内か、長さはあまり伸ばしていない音もあります。しかしその前後の音を伸縮させて自由に語り掛けるように演奏し、休符のフェルマータは響きや余韻が感じ取れるような音楽になっています。

フェルマータをカッコよく演奏しよう

フェルマータの意味や特殊な形のフェルマータについてお伝えしましたが、いかがでしたか。作曲された時代によってフェルマータが違う意味を持つ場合もありますが、フェルマータは基本的に音符や休符を程よく伸ばす記号としてとらえましょう。

フェルマータをどのくらい伸ばすかは演奏者の自由です。フェルマータ前後のフレーズの持って行き方やフェルマータの伸ばし方で音楽の印象が変わり、それぞれの個性がでます。楽譜からフェルマータのそれぞれの伸ばし方を判断し、音楽への解釈を深めていきましょう。

Latests