ナラティブの意味と正しい使い方は?
更新日:2020年07月17日
物語としてのナラティブは、現実に起こったことかどうかは重要ではありません。その人の思いこそが現実です。例え記憶や解釈が間違っていても悲しかったり腹立たしく思う感情も、ものがたりのナラティブとしてリアルなものとなっています。
ものがたりは、いつも同じではなく、思い出した時の状況や思い出した時の気持ちが上書きされたり、人との関係が介在することで、また新たな物語として生まれ変わります。起こってしまった事実は変えられませんが、事実を新たな意味付けをして捉え方を変えていくことは可能です。
ゲーム
ナラティブなゲームとはゲーム(プレステなど)の設定された中でプレイするのではなく、自分で選択する自由が与えられていて、選択し実行することができるものを指します。
自分で考え自分で行動するのは現実の世界でも同じです。問題が起こったときは自分で解決策を考えて行動し、結果により一喜一憂します。
主人公のキャラクターはただのキャラクターではなく、もはや自分自身でありゲームの中で体験したことは実際に自分で体験したことのように、心に刻み込まれます。大きな感情が伴った体験ほど、そのときの主人公の行動や状況も意味付けられ覚えているでしょう。
リアルな体験はナラティブとしてその人の中に生き続けます。同じゲームを他の人がやったら、同じ主人公であっても、また別のその人オリジナルのナラティブが作られることになります。
ナラティブとストーリーの意味の違い
ストーリーの意味
ストーリーは「小説や劇の筋書きや話などの物語」を意味します。
ナラティブをただのストーリーとして捉えられてしまうこともありますが、別の意味を持っています。ナラティブは人による解釈が入ったその人自身が語る物語を意味します。
ストーリーは誰でも同じものを読むことができますが、ナラティブはその人の語るその人自身のものなので、同じものを読んで体験することはできません。ナラティブをその人が語ることはできますが、ナラティブのすべてを人に伝えることはできません。
ナラティブには語られる言語的なものの他に感情や情緒的なものも含まれているので、それらすべてを人に伝えることは不可能です。
ナラティブの未来
私たちのナラティブは何度も取り出されては新たなものに意味付けられ、再構成され変化を遂げていきます。将来、自分好みのナラティブに自由に書き換えられる、そんなアプリやソフトが作られたら人は苦しむこともなくなるでしょう。
初回公開日:2018年12月26日
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