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「獺祭」の意味と正しい使い方は?

初回公開日:2018年12月12日

更新日:2020年07月17日

記載されている内容は2018年12月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

「獺祭」という漢字を目にしたとき、この漢字を読めますか。また、何を意味する言葉なのか、ご存知でしょうか。最近、日本酒の世界で注目されている「獺祭」について、その読み方や、熟語としての意味とあわせ、日本酒「獺祭」の種類などについても、ご紹介します。

「獺祭」の意味

獺祭の「獺」は、カワウソのことで、「獺祭」とは、カワウソが自分で採った魚を食べることを意味しています。カワウソが捕らえた魚を岸に並べるのが、人が物を供えて先祖を祭るのに似ているところから、「獺(カワウソ)」に「祭」という漢字を並べることで、「食べる」意味を持たせています。「獺祭魚」ともいいます。

中国(唐)の詩人が、文章を書く際に、多数の書物を、作業場所の周囲に置いて参照していることを、自ら「獺祭魚」と称していたため、「獺祭」には、詩文を作るとき、多くの参考書を周囲に広げておくという意味もあります。

「獺祭」は、「だっさい」と読みますが、「うそまつり」「おそまつり」と読むこともできます。読み方を変えても、同じ意味を指します。

「獺祭」という日本酒の名前の由来

日本酒の「獺祭」といえば、山口県岩国市の旭酒造株式会社が作る日本酒のブランド名を表す意味です。酒名は、正岡子規の別号である「獺祭書屋主人」と、蔵の地名の「玖珂郡周東町獺越(おそごえ)」の「獺」をかけて命名されました。

日本酒「獺祭」の特徴は、精米歩合が全量50%以下で、純米大吟醸酒と純米吟醸酒のみしか作られていないことです。原料米は山田錦、仕込み水は蔵内の井戸水が使われています。

蔵元の「旭酒造」は昭和23年(1948)創業ですが、三代目が、それまで醸造していた普通酒「旭富士」の醸造をやめ、杜氏を置かず、杜氏の勘を徹底的にデータ化し、データ管理による酒造りを実現させています。現在の旭酒造の日本酒は「獺祭」ブランドのみです。

日本酒の「獺祭」の種類

旭酒造「獺祭」には、「獺祭」「獺祭 磨き」「獺祭 遠心分離」「獺祭 磨きその先へ」といった種類があります。その他、「発砲スパークリング」や、獺祭を使った石鹸やケーキなども販売されています。

「獺祭」の販売サイトでは、上記のようにカテゴリされていますが、実際には「磨き」も「遠心分離」も商品名に入っていたり、その他に「三割九分」などの割合が、商品名に入っている製品もあります。

ここでは、商品名に付されている「磨き」、「遠心分離」や、割合について、その意味をご紹介します。

「二割三分」の意味

「獺祭」の製造ポリシーとして、精米割合は50%以下とされています。「磨き二割三分」は、精米の極限ともいえる、23%まで磨いた山田錦を使って、製造されていることを意味しています。つまり「磨き二割三分」とは、「精米歩合23%」を意味しています。

23%まで磨かれた米から作られるこのお酒は、華やかな香りと、口に含んだときの蜂蜜のような甘みが特徴です。飲み込んだ後口は、余韻が長く続きます。

「三割九分」の意味

「磨き二割三分」には及ばないものの、「磨き三割九分」は、精米歩合39%まで磨いた山田錦を使って製造されていることを意味します。華やかな香りと、口に含んだときに蜂蜜のようなきれいな甘みが感じられるのは、二割三分同様です。飲み込んだ後の長い余韻も感じることができます。

「磨き三割九分」は、「磨き二割三分」に比べると、半値以下で手に入れることができ、少し気軽に楽しむことができる種類になっています。

「磨き」の意味

「磨き二割三分」「磨き三割九分」と商品名にありますが、「磨き」とは、精米歩合のことを意味しています。精米歩合とは、白米に精米した際に、その玄米に対する重量の割合という意味です。白米とは、玄米から、ぬか・胚芽などの、表層部を取り除いた状態の米を意味します。普段食べている白米は、精米歩合90%程度です。日本酒は、精米歩合によって種類が決められています。

日本酒の世界では、精米を「米を磨く」といいます。つまり、獺祭の商品名にある「磨き」とは、米の精米を意味しており、その後ろに続く割合は、獺祭を製造する際の、精米歩合を意味しています。

磨き=精米歩合

日本酒の種類は、精米歩合によって、以下のように意味づけられています。「本醸造酒」とか、「大吟醸」という呼び名は、精米歩合を意味しているといっても、良いでしょう。

・普通酒:規程なし(73~75%程度が一般的)
・本醸造酒・純米酒:70%以下
・特別本醸造酒・特別純米酒・吟醸酒:60%以下
・大吟醸酒:50%以下

「50」の意味

獺祭には、「獺祭 純米大吟醸50」という商品があります。これは、精米歩合50%の米を使って、醸造していることを意味しています。精米歩合50%というのは、日本酒でも特に高級な種別である「大吟醸」を意味する精米歩合です。

獺祭の中では、純米大吟醸50が一番手に入れやすい価格の商品です。きれいで新鮮な味と、柔らかで繊細な香りがこのお酒の特徴で、味と香りが絶妙なバランスを保っています。

「遠心分離」の意味

獺祭のなかでも、「遠心分離」が商品名に入っているものは、もろみの状態の酒を、圧搾せずに、遠心分離器にかけて、無加圧状態で酒を分離しています。商品名に「遠心分離」が入っている製品でも、半分が遠心分離製法、半分が通常の圧搾による製法の酒を混合している商品もあります。「獺祭 遠心分離」は、遠心分離製法による酒が含まれているということを意味しています。

二種の製法による酒を、わざわざ混ぜ合わせているのは、遠心分離製法による酒のメリットと、通常の搾り方によるメリット、両者のいいとこ取りをするためです。遠心分離製法には、「いやなところが何もない酒質」という特徴があり、通常の搾り方による酒には、「パンチのある、ごく味を持つ酒質」という特徴があります。

両者を混ぜることで、洗練された華やかさと繊細さに、厚みと複雑さまでも表現できるようになります。

スパークリング

獺祭には、「発砲スパークリング」という商品があります。純米大吟醸50の発砲スパークリングと、磨き三割九分の発砲スパークリングがあります。発砲スパークリングは、純米大吟醸50と磨き三割九分のにごり酒であることを意味しています。にごり酒だからこそ、米の甘みが引き立ちます。

この発砲スパークリングは、シャンパン以上に発砲性が高いので、栓を開けるときは十分注意する必要があります。発砲スパークリングは、瓶内二次発酵が生み出す、爽やかな発泡性が特徴です。繊細でいながら、骨太な味が口に残る飲み口です。

最高級の獺祭

獺祭の商品には、「獺祭 磨き その先へ」という商品があります。獺祭の二割三分よりも、さらに磨き込んだ米を使って、製造されていますが、その精米歩合は明らかにされていません。獺祭の他の種類の商品は、1.8L(一升)サイズも販売されていますが、「獺祭 磨き その先へ」は、720mlのみの販売となっており、価格も3万円超と高額です。

この高級な日本酒の飲み方として、蔵元では、1〜2杯「磨き二割三分」を楽しんだあと、「磨き その先へ」を飲むことを薦めています。「磨き その先へ」は、品質的に一歩踏み出しているので、ただその酒だけを飲んだのでは、せっかくの魅力が分かりにくいと思われ、飲み比べをすることで、よりくっきり「磨き その先へ」の魅力が明確になります。

獺祭が有名になった理由

獺祭は、まず、蔵元である旭酒造の醸造体制について、注目を浴びました。通常、日本酒の蔵元には、杜氏と呼ばれる「酒造りの最高責任者」がおり、杜氏が酒造りの技術を持っていることはもちろん、酒造りの複雑な工程を統率するのも杜氏の役目となっています。杜氏は、酒造りの技術を持ち、酒造りというプロジェクトの管理もできる人でないと勤まりません。

旭酒造では、杜氏の持つ知識をすべてデータ化し、パートタイマーでもデータ管理にもとづく酒の醸造管理ができるビジネスモデルを作り上げました。酒の搾り方も、従来の方法に加え、遠心分離による無加圧状態による酒の分離を行ったり、販路も従来の酒問屋を通す方式を使わず、自らが見極めた販売店に直接卸す方式をとっています。すべてが革新的である点が、注目されるきっかけになったともいえます。

獺祭を飲んでみたくなりますね

ここまでご紹介したように、獺祭は、日本伝統の日本酒を、従来の製法に固執せず、革新的に攻めの体制で製造・販売されています。伝統のものであっても、より良いものをつくり上げるために、作り方や作る体制は、どんどん見直していく、という姿勢で作られたお酒であることを知ってしまったら、獺祭のある店に、足を運んでみたくなったのではないでしょうか。

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