「とんでもないです」の意味と正しい使い方は?
更新日:2020年07月17日
「とんでもない」の意味3つ
「とんでもない」という言葉には3つの意味があります。ビジネスでもプライベートでも、「とんでもない」という言葉はよく耳にする機会があるでしょう。
「とんでもない」には3つの意味があり、さまざまな場面で使い分けられています。間違った使い方をされることも多い言葉なので、意味をよく理解して上手に使いましょう。まずは「とんでもない」の3つの意味をご紹介いたします。
意味1:「思いがけない」
常識では考えられない、意外だ、という意味です。「とんでもない」の語源は「途」(物事の道理や手段を表す言葉)+「ない」が転じて、「とんでもない」となったと言われています。この語源からきている意味で、「道理から外れている」「常識からはずれている」「おもってもみない」などの意味で使われます。
「とんでもない事が起きた。」「とんでもない事態になっている。」などと使われます。
意味2:「もってのほか」
相手を非難する意味をこめて使います。これは予想をはるかに上回って「やってはいけないこと」をしてしまった、しようとしている場合などに使われます。
意味1の「思いがけない」は、何も予想をしていなかった場合ですが、意味2の「もってのほか」は、ある程度悪い状態を予想していて、それを上回ったという状況に使われます。
「そのような考えを持っているのは、とんでもない事だ。」などと使われます。
意味3:「強い否定」
「まったくそうではない」「滅相もない」という場合に使います。「まったくそうではない」という意味で使うのは、相手の発言の間違いを指摘しているときです。自分が無関係であることを強く主張するなど、否定しなければ自分に不利益があるときに使われることが多いです。
「滅相もない」という意味で使うのは、相手から褒められた場合に謙遜や強い遠慮で返事をするときに使います。
「とんでもないです」の敬語表現と例文4つ
「とんでもないです」を正しい敬語で表現しましょう。「とんでもない」という言葉はそれ自体が形容詞です。「はしたない」「みっともない」などと同様、言葉自体が変化することはありません。「とんでもありません」という表現は、文法的に間違いです。
正しくは「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」と表現します。「とんでもないことです」の「こと」を省いて「とんでもないです」と使われることもあります。
敬語表現:「とんでもないことです」
「とんでもないことです」が無難です。「とんでもない」の敬語表現として「とんでもありません」「とんでもございません」という言葉を耳にします。これらは昔は間違った敬語とされていましたが、多くの人が使っていた結果、謙譲の意味の敬語として使うことは問題ないとされました。
ただ、その他の意味で「とんでもない」を表現する敬語としては正しくないので、混同しないよう「とんでもないことです」と表現したほうが無難です。
「とんでもないことです」の例文1
相手の謝辞に謙遜してこたえる際の例文をご紹介します。
「わざわざお越しいただきまして誠にありがとうございました。」
「いえいえ、とんでもないことです。こちらこそお会いできる機会をいただけて大変嬉しくおもっております。」
「ご丁寧にごあいさつのお品までいただきまして恐縮です。」
「とんでもないことです。心ばかりの品ですが、皆様でお召し上がりいただけたら幸いです。」
以上のとおり、相手の謝辞に対して謙遜の意味で使います。
「とんでもないことです」の例文2
「もってのほか」という意味の例文をご紹介します。
「無断欠勤などすることは、とんでもないことです。」
「歩きながら喫煙するなど、とんでもないことです。」
「とんでもないことです」という表現は謙遜の意味以外でも使うことができます。例えば上記のように「これは思いもよらないことです」と伝えるときには「これはとんでもないことです」という表現になります。
敬語表現:「とんでもないことでございます」
「とんでもないことです」をさらに丁寧に表現した言い方です。「とんでもないことでございます」も相手の称賛に対して、謙遜して返事をする場合に多く使われますが、謙遜以外の意味でも使われます。
同じ言葉でも、文章によって意味が異なることも同じです。褒められた後に謙遜として「とんでもないことでございます」と言ったのに「褒めるなんてもってのほかだ」という意味にとられる可能性もあります。使い方には注意が必要です。
「とんでもないことでございます」の例文1
初回公開日:2018年12月09日
記載されている内容は2018年12月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。